JR東海は、東海道新幹線の線路沿いに敷設している鉄道事業用光ファイバーケーブルの心線(「光ファイバ心線」)の一部について、外部の電気通信事業者への貸出しを開始したと発表した。

  • JR東海が「光ファイバ心線」の一部を外部の電気通信事業者へ貸出し開始

光ファイバ心線は、透過性の高い石英ガラスなどで作られ、大容量・高速データ通信が可能な光の伝送路。一般的に、ケーブル1本の中に数十本から数百本の光ファイバ心線が収められているという。

今回、貸出しを始めた光ファイバ心線は、東名阪の大都市間を新幹線の線路に沿って効率的に結んでおり、光信号が距離に応じて減衰・劣化する「伝送損失」が低いとされる。鉄道保守要員が日々メンテナンスを行っている堅牢な鉄道構造物上に敷設されているため、災害に強く、ケーブル断線等による回線停止のリスクも低いという。

光ファイバ心線の貸出しを始めた背景として、増大するデータ通信量への対応や、データ通信の多重系化、災害等への備えとして、首都圏と関西圏を結ぶ新たなネットワークへのニーズが高まっていることが挙げられる。こうした状況を踏まえ、JR東海は「東名阪を結ぶ高品質で信頼性の高い新たな通信インフラを供給することで、情報通信に関わる課題解決に貢献できるよう取り組んでいきます」としている。

心線の貸出し料金は、区間や距離、利用年数などの条件に応じて算出するとのこと。当面は東京駅、品川駅、名古屋駅、新大阪駅に接続箇所を設けるが、要望があれば東海道新幹線の他駅への設置も検討するという。