ロシュ・ダイアグノスティックスは、女性の健康管理に関する調査をもとに日本の特徴をまとめた結果を4月3日に発表した。調査は2023年12月13日〜20日の期間、日本を含むアジア・パシフィック地域(以下、APAC)の8カ国・地域の25歳~50歳の女性2,836名を対象に行われた。
はじめに、日本はAPACの国・地域と比較して、子宮頸がん検診を「受けたことがない人」(57%)と「受ける予定がない人」(3%)の割合が最も高いことが明らかになった。
日本女性が子宮頸がん検査を受診しない理由として最も多い回答は「痛いことが心配」(25%)。次いで「自分に悪いところはないと思っている」(18%)、「自分に重要/関係あると思わない」(17%)と続いた。
一方、APAC全体の理由をみると、34%が回答した「自分に悪いところはないと思っている」が1位という結果に。次いで、「結果が心配」「痛いことが心配」(各17%)が続いた。
検査に対する理解度についても、日本は「検査または検診」「女性の健康に関する検査または検診」「子宮頸がんの検査または検診」の項目に対する理解が8カ国・地域の中で最も低いという結果に。
「医療制度の中で婦人科系疾患が軽視されることが多い」と回答した割合は日本が29%で8カ国・地域中最も低く、インド、オーストラリア、中国は6割以上と高い結果に。
また、日本は家族への責任により治療を先送りさせたり、避けたりしたことがある割合が1割と最も少なかった。これまで検査を受けたことがない日本の女性の中で「家族との時間は重要である」と回答した割合は45%にとどまり、家族以外の理由で検査を避けている女性が多いと、同社は推察している。
女性の疾患に対する男性の認識については、日本の55%・APAC全体の約70%が「男性は、女性の疾病に十分注意する重要性がわかっていない」と回答。特に中国、インド、タイ、ベトナムで、この傾向が強いことがわかった。