LIFULL seniorは3月12日、「理想の老後と老人ホーム」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年2月19日~2月22日、30代~60代の男女826名を対象に行われた。
理想の老後は3人に1人が「できる限り自宅」「1人の時間を優先」
「理想の老後の過ごし方」について尋ねたところ、最も多かった回答は「できる限り自分の家で過ごす」(32.3%)だった。次いで「一人の時間を大事に、誰にも縛られず過ごす」(30.4%)と続く。また、「気の合う友人と適度に付き合って過ごす」(20.9%)、「家族に囲まれて過ごす」(20.6%)、「もしもの時、スムーズに医療や介護にアクセスできる環境で過ごす」(20.3%)も2割以上の人が回答している。
近年、健康な状態と要介護状態の中間にあり、病気ではなく加齢により心身が老い衰えた状態を指す「フレイル」の研究が進み、フレイルの予防には就労やボランティアなどの社会参加が肝要と言われている。しかし今回のアンケートで「仕事、ボランティア等を通して社会と関わって過ごす」を理想の老後として挙げた人は12.0%にとどまった。
また、「家族に囲まれて過ごす」「気の合う友人と適度に付き合って過ごす」「一人の時間を大事に過ごす」を年代別に比較したところ、「家族に囲まれて過ごす」は30代(32.2%)が他の世代よりも高く、「気の合う友人と適度に付き合って過ごす」「一人の時間を大事に過ごす」はどちらも40代(23.0%、34.8%)という結果だった。なかでも60代以上は「一人の時間を大事に過ごす」(34.1%)が他の選択肢よりも15ポイント以上高く、世代別でもっとも一人で老後を過ごす志向が強いことがわかった。
住みたい老人ホームは「都市部の便利な場所」が1位
「もし元気なうちに老人ホームに入居するならどんな立地を希望するか」を尋ねたところ、最も回答が多かったのは「外出に困らない、都市部の便利な場所」(27.6%)だった。元気なうちに入居する場合は外出する機会も多いため、「都市部の便利な立地」であることが老人ホームを選ぶ際のポイントであることがわかった。
次いで「災害が少ない場所」(23.6%)という回答も多数あった。近年はハザードマップを活用した災害リスクの少ない物件選びをする人も増え、老人ホーム選びでは特に重要なポイントに。災害が起きた場合に、高齢者は若い世代に比べて暮らしや健康への影響が大きいため、できる限り災害のリスクを減らした場所で老後を送りたいと考える人が多いことも頷ける。一方で「自然豊かな場所」(22.3%)や部屋からの景観では「海が見える場所」(8.0%)も人気。
元気なうちに入る老人ホームにあって欲しい設備は?
元気なうちに入る老人ホームにあって欲しい設備やサービスについて尋ねたところ、「天然温泉、露天風呂」が30.7%と最多回答となった。次いで「栄養を考えられた食事」(21.8%)、「夫婦で入居できる」(18.0%)だった。「大きな図書室」(13.6%)や「ペットと入居できる」(15.1%)も人気を集めている。