日本能率協会総合研究所は1月17日、「高齢者ライフスタイル構造基本調査2023年」を発表した。同調査は2023年10月12日~25日、全国に居住する60歳~90歳までの男女2,500名を対象に、郵送方法で実施した。
健康維持・老化予防のために日頃行っていることを尋ねたところ、「歯や口の中をきれいにするようにしている」(59.4%)が最も多く、「十分な休息や睡眠をとるようにしている」(56.5%)、「普段の食事の栄養バランスに気をつけている」(53.4%)、「ウォーキング・体操など軽い運動で体を動かすようにしている」(51.2%)と続いた。口腔内の習慣については、「洗口液・歯間ブラシなど通常の歯磨き以外のオーラルケア用品を利用している」が全体で36.0%だが、女性は4割強で男性と比べて10ポイント以上高かった。
健康や老化防止、美容など、体のためにお金を使うことについてどう思うか聞くと、「効果があると思えば、積極的にお金を使う」「一定の範囲内であればお金を使う」を合わせた"支出意欲あり"は、女性の増加が堅調だった。女性はいずれの年齢層でも、2020年比・2018年比で同程度か増加傾向で、特に女性80代前半は、7割半が支出意欲ありと、2020年比・2018年比で8ポイント前後高い。
老化や衰えを自覚していることについて尋ねると、「視力の衰え(文字が見づらい)」(65.6%)が最も多く、次いで「髪の変化(白髪が増えた・細い・薄い・抜け毛等)」(66.0%)、「記憶力」(60.6%)、「肌の変化(シミ・しわ・ハリ・乾燥等)」(52.0%)となった。
インターネット(メール送受信、ホームページの閲覧など)の利用率は増加傾向にある。特に、女性80代前半の利用増加が目立ち、「自分ひとりで」と「誰かの手伝いが必要」をあわせると、約半数がインターネットを利用していると回答した。2020年(29.3%)と比べると、20ポイント以上増加している。
インターネット利用者のSNSの利用状況については「LINE」(80.8%)が最も多く、特に女性の利用率が高いことがわかった。男性は年齢が上がるにつれ利用率は低下し、80代後半のインターネット利用者のうち5割強の利用に留まるが、女性80代後半は8割強が利用している。
「YouTube」は男女ともに年齢が上がるにつれ利用率は低下するが、女性80代後半は4割弱が閲覧・視聴している。使用しているSNSは「TikTok」(9.5%)が最も低かった。