叡山電鉄は、2018年から進めている700系リニューアルの6両目となる「ノスタルジック731改」(700系デオ730形731号車)を2月22日に運行開始すると発表した。
700系はおもに1両で運用される。同社で初めて冷房装置を搭載した車両で、1987年7月の運用開始から30年以上が経過したため、順次リニューアルを実施。新たにリニューアルした731号車「ノスタルジック731改」は、リニューアル前の「ノスタルジック731」を継承し、1925(大正14)年の叡山本線開業当時に活躍していたデナ1型をイメージしたデザインとしつつ、意匠を凝らした一灯式前照灯を車両前面に配置。外観はマット塗色風の質感に仕上げ、重厚感と高級感を演出している。
車内は大正時代の車両における標準的な仕様を再現。座席シートに赤色の布地を使用し、床に木目調のデザインを施している。バリアフリーへの配慮として、八瀬比叡山口・鞍馬側のドア付近に車いす・ベビーカースペースを1カ所設置し、スペース部の床敷物に明示するほか、優先座席を黄色にして明確化を図っている。ドアの開閉表示灯、ドアチャイム、触知表示板も新設した。
海外から来た人への対応として、行先表示器は日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字)の4カ国語で表示。SDGsの取組みとして、車内の照明、前照灯と尾灯、行先表示器にLEDを採用することで省エネルギー化を図り、CO2削減を推進する。
「ノスタルジック731改」は2月22日の修学院駅6時42分発、八瀬比叡山口駅行の電車から運行開始する予定。出町柳駅からの初列車は同駅7時18分発の八瀬比叡山口駅行となる。なお、翌日以降のダイヤは未定とされている。