ネイティブ・アメリカンの部族として、ラスベガス・ストリップ初のカジノ事業者となるモヒガン。北米で複数のロケーションを持つ総合エンターテインメントリゾート事業で成功を収めている。
同社を親会社にするINSPIRE(インスパイア)は11月30日、レジャー施設「インスパイア・エンターテインメント・リゾート」を韓国・仁川(インチョン)に開業した。複数回に分けて開業される同リゾートの特徴を紹介したい。
韓国発の新世代のエンターテインメントリゾート
インスパイア・エンターテインメント・リゾートでCMOを務める Michael Jensen(マイケル・ジェンセン)氏は「私たちインスパイアは、韓国における新世代のエンターテイメントリゾートを運営していきます」と説明。その上で、さまざまな国や年齢の利用者に来てもらい、エンターテインメントを体験してもらいたいと期待を寄せる。
同リゾートは430万平方メートルの敷地に建てられ、現在は敷地の約10%を使用している状況でまだ開発の余地があるという。
その広大な場所に「5つ星ホテル」「会議&イベント施設 MICE」 、「体験型エンターテインメントパーク 『ディスカバリーパーク』」 「没入型デジタル・エンターテインメント・ストリート『オーロラ』」 「1万5,000人収容可能な多目的パフォーマンスホール『インスパイアアリーナ』」 「多目的屋内ウォーターパーク『スプラッシュ・ベイ』」「韓国最大規模の『外国人専用カジノ』」「ショッピング&レストラン」の8つの施設が用意されているのだ。
おもてなしの心も備える
各施設の中で特に筆者の目をひいたのはインスパイアアリーナだ。K-POPや韓国映画など、いわゆる韓流コンテンツは日本でも幅広い人気を誇り、韓国から日本に飛び火して流行となっているファッションやメイク、グルメなども珍しくない。
ジェンセン氏も「私たちの施設を通じてトレンドを作っていきたいと思っています。アリーナで発信されるコンテンツでは、k-popやj-popもあるかもしれないし、海外の人気アーティストによる国際的なツアーかもしれません。それらをこの1万5,000席あるアリーナから展開していきます」と構想を明かす。
実際、12月初旬には韓国最大級の音楽授賞式「MMA2023」の開催や、K-POPアーティストによるコンサートも行われ、韓国だけでなく日本など海外からの来訪者も多かったと言う。
また立地面も見逃せない。東京から飛行機で2時間ほどで最寄りのインチョン空港に着き、そこからシャトルバスで15分でリゾートに到着。このロケーションの良さもジェンセン氏が自信を持つ理由の一つだろう。
運営会社の母体であるモヒガンには「すべての事業は、『歓待』『相互尊重』『協力』『関係構築』の原則に根ざした『Spirit of Aquai(アクアイの精神)』に導かれている」という基本理念がある。
最先端のテクノロジーを活用した体験コンテンツ、最上級に位置付けされるホテルの設備は勿論魅力的だが、そこに日本で言う「おもてなし」の精神が加わるのは大きな強みではないだろうか。
インスパイアは2024年初めにグランドオープンを予定している。