パナソニックは12月15日、「年末の大掃除」に関するアンケート調査の結果を発表した。あわせて同社のエアーマイスター・福田風子さんが解説するエアコン大掃除のコツについても紹介している。

大掃除したい家電、1位冷蔵庫、2位エアコン

  • 大掃除したい家電

12月11日~12日、20代~60代の男女556名を対象に、年末に大掃除をするか尋ねたところ、57%が「する」と答えた。大掃除したい家電について聞くと、最も多い回答は「冷蔵庫」(52%)で、「エアコン」(50%)、「照明器具」(49%)と続いた。男女別に見ると、男性の1位は「エアコン」(57%)だが、女性の1位は「冷蔵庫」(59%)だった。

最後にエアコンを掃除したのはいつか尋ねると、「半年以内」(24%)が最も多かった。フィルターの自動お掃除機能がないエアコンの場合、メーカーは目安として2週間に1度の掃除を推奨しているが、「2週間以内」と回答した方はわずか6%だった。

  • 最後にエアコンを掃除したのはいつですか

エアコンの正しいお掃除方法について知っているか尋ねたところ、44%が「知っている」と回答した。しかし、55%は「あまり知らない」「まったく知らない」と答えている。エアコン掃除については、84%が「自分で行う」、13%が「業者に依頼」と回答した。

  • エアコンの正しいお掃除方法を知っていますか

エアコン掃除のポイントは「フィルターのお手入れ」

エアーマイスター・福田さんは、エアコン掃除のポイントとして「フィルターのお手入れ」を挙げている。エアコンフィルターを1年間掃除しないとフィルターの目詰まりや冷暖房能力の低下で、年間で約25%、金額にして1万円以上も電気料金が無駄になってしまうという実験結果もある。

  • フィルターのお手入れ

フィルターの掃除は、コンセントから電源プラグを抜き、前面パネルを開けてフィルターを外し、掃除機をかけてから洗って乾かしまた戻す、という順で行う。久しぶりの掃除になる場合、フィルターがひどく汚れていることもあるため、窓を開けてマスクをしてから前面パネルを開けることをすすめている。

自動おそうじ機能なしの場合、フィルターを取り外し、掃除機でホコリを取り除くことから始める。カビが生えている場合は、胞子をまき散らさないように、そっと浴室などに運び、ていねいに洗い流す。「程よい固さでフィルターの汚れが落としやすいエアコンフィルター掃除専用のブラシがあると便利。歯ブラシを使う場合、口内細菌が付着していない新品の歯ブラシを使うようにしてください」(福田さん)。

油汚れやたばこのヤニ汚れ、においが気になるときは、柔らかい布やスポンジで軽く拭くように水洗いをする。一般家庭の場合、たとえキッチンから離れた場所でも、フィルターには油性の汚れが付着している。タバコを吸う家庭の場合は、ヤニ汚れもこびりつくので、汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤で浸け置き洗いを行う。

  • 油汚れやヤニ汚れは、柔らかい布やスポンジで軽く拭くように水洗い

洗い終えたら、広げた新聞紙を敷き、フィルターを立てかけて陰干しする。十分に乾かすことが大事だが、プラスチックが変質する可能性があるため、直射日光やドライヤーの温風に当てるのはNGとのこと。

  • 直射日光やドライヤーの温風に当てるのはNG

福田さんによると、自動おそうじ機能付きのエアコンでも、油汚れやたばこのヤニ汚れ、ペットの毛や長期使用でついたにおいは取れないため、フィルターを取り外して水洗いする必要があるという。

室内機の本体、室外機は?

エアコン室内機の外装はプラスチック製なので、静電気を帯びてホコリを引き寄せがちになる。前面パネルやその周囲、リモコンなども、汚れている場合は柔らかい布でから拭きをし、汚れがひどいときは、水かぬるま湯を含ませ、よく絞った布で拭く。「意外と見落としがちなエアコンの上側に降り積もったホコリ。伸縮できるハンディモップなどがあると便利ですね」(福田さん)。

また、エアコンに汚れがたまるとカビ菌のエサになるため、汚れている場所(通風路、フラップ等)は拭き掃除する。このときのポイントは、見える部分のみ掃除することだという。エアコンのクリーニングは高い専門知識が必要なので、自身でエアコン内部の洗浄を行うのはNG。誤ったクリーニング方法(除菌剤やお掃除スプレーをするなど)を行うと、内部に残った洗浄剤で故障の原因につながる恐れがあるため、専門業者への依頼をすすめている。

エアコンは本体だけでなく、室外機も意外と汚れている。ホコリや落ち葉などのごみがたまり、吹き出し口を塞いでしまうと熱交換の効率が下がるため、大掃除のタイミングでチェックすることも大事だという。できれば、室外機の周囲25㎝以内には物を置かないようにし、目詰まりを起こさないようにするため、枯葉や砂なども忘れずに取り除く。

  • 室外機のチェックも忘れずに

室外機と直接つながってはいないが、脇にある室内機の熱交換器に溜まった結露水を排出するためのドレンホースのチェックもしておくと安心とのこと。ドレンホースは細く、砂埃や虫の巣などで詰まりやすいので、割りばしなどでかき出して取り除くとよいという。