東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『あたりのキッチン!』(毎週土曜23:40〜)に出演する俳優の渡部篤郎が、同作の見どころや、主演を務める桜田ひよりの印象を語った。
■ドラマを見た妻の感想に喜び
――ドラマの撮影がスタートしての印象は?
「心の機微を丁寧に描くことが、日本の得意分野」と以前のインタビューでお話したのですが、 今回のようなドラマを作りたいという人がいて、 起用していただいたわけですから、そこに全てを費やすのが、自分の仕事だと思って演じています。ドラマの現場ではさまざまな技術が、日々進化していますが、カメラの前で演じる役者の仕事に関しては、昔も今も変わりません。「与えられた役を全うする」という意味では、 役者という仕事は非常に職人的といえるかもしれませんね。
――周囲の反応はいかがですか?
ドラマを見た妻が「料理を作ってみたい」と言ってくれて、それはとてもうれしかったですね。それって一番身近な人たちが、第三者の視点で見てくれているということだから。ただ、今回は料理を説明するために台詞の量が多くなっていて、そこが大変ですね。料理に興味を持って見てくださる方もいるでしょうし、手を抜くわけにはいきませんから。
■桜田ひよりや窪塚愛流の印象
――桜田ひよりさんや窪塚愛流さんの印象はいかがですか?
簡単な言葉になってしまいますが、桜田さんはすごく役になりきっていますよね。決して簡単なことではないのですが、努力して役をきちんと自分のものにしている。しっかりと勉強して真摯に芝居と向きあっているんだなと感じるので、僕自身刺激を受けています。窪塚君は、まだ手探りの部分もあるんだろうと思います。でも、今の時期はそれでいいと思うし、一つずつクリアしていくことで人としても役者としても成長していくんじゃないですか? 僕もそうだったから。
――ドラマの見どころや視聴者へのメッセージをお願いします!
キャストもスタッフも心を込めて作っているので、いろいろな見方があっていいと思いますね。そこは、視聴者の皆さんに委ねたいと思います。清美の成長に注目される方もいれば、料理に着目される方もいる。また、善次郎と清正が父子として徐々に打ち解けていく過程に注目される方もいるのではないでしょうか。ただ、清美のようになかなか人と打ち解けられない人にとって、「阿吽」みたいな場所があるということが大切だったり、そういう場所が自分の側にもあったらなと、思っていただけたらいいなと思います。
【編集部MEMO】
桜田ひよりが演じるのは、コミュニケーション能力ゼロ、ゆえに友達もできず空回りばかりしてしまう大学3年生・辺清美。一度食べた料理は食材はもちろん、「小さじ1杯」といった調味料の微細な配合まで完璧にわかる“絶対味覚”を持つ清美は、就職活動を前に「これまでの自分を変えたい!」と思い切って飛び込んだ定食屋「阿吽」でアルバイトをスタートさせる。“コミュ力ゼロ”のため接客はからきしだが、料理の腕はピカイチ。思いを込めた料理を通して、ちょっとワケありな客の心をほぐし、温めていく。渡部篤郎は「阿吽」の店主・中江善次郎役、窪塚愛流は善次郎の一人息子・中江清正役を演じている。