長野県に本社を構え、お正月飾り、しめ縄、お盆飾りなど日本の伝統商材を取り扱う秀〆が「お正月飾り」の全国マップと各地の土地柄に根差した特徴について紹介している。
お正月を祝い家の内外に飾る「お正月飾り」は、それぞれの地域の歴史や文化を背景とした形が生まれ受け継がれてきたもので、お雑煮と同様に全国各地で形が異なる。
北海道の「宝章(ほうしょう)飾り」は、土地柄を表した大きな縦型。張子(はりこ)のオカメや鯛を豊富に使用するのが特徴的であるほか、厳寒の地では稲作は難しいため、茅草(かやくさ)の代用が伝統となっている。
関東地方の「玉(たま)飾り」は、江戸文化を継承しており、縁起物を多く飾り付けているのが特徴。家が代々続くように橙(ダイダイ)、葉の裏が白く清廉潔白を表す裏白(ウラジロ)、ゆずり葉、タイ(めでたい)、エビ(長生き)、昆布(ヨロコブ)など様々な思いや願いを飾り付けている。
東海地方(愛知)のお正月飾りは、愛知の文化特有の関東と関西の交流が現れており、関西地域特有の横型のしめ縄を生かした「大根〆(だいこんじめ)」、関東地域特有の縦型のしめ縄を生かした「玉〆(たまじめ)」の2種類が存在する。しめ縄の形状が異なるが、飾りつけがシンプルなのが特徴とのこと。
関西地方の「しめ縄」は、ゴンボという通称でも知られる。歴史を重視する傾向にある土地柄で、橙、裏白、ゆずり葉、ゴヘイの縁起物を使用したしめ縄が一般的となっている。
中国地方(広島)の「しめ飾り」は、関西地方同様、縁起物の橙、裏白、ゆずり葉、扇を使用しているが、橙の周りをしめ縄がぐるぐると円を描くようにしているのが特徴。平安時代に厳島神社が建立されるなど独特な歴史を象徴する飾りとなっている。
九州地方(福岡)の「鶴飾り」 は、それぞれの県や地域ごとに様々な形があるのが特徴。福岡(北部)では藁を鶴のように作り、そこに縁起物の橙、裏白、ゆずり葉を飾り付けているほか、大分以外では緑を表にして使用しているという。