国際自転車ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」(10月6~9日)の第3大分ステージ(9日)は、大分県日田市のオートポリスから同市中心部を周回するコースとなった。九州の魅力を韓国語で発信しているユーチューバー「福岡アジョシ(おじさんの意味)」こと冨永拓馬さん(33)と市内をレンタル自転車で走るなどレースの魅力を疑似体験した。日田市は人気漫画「進撃の巨人」の作者・諫山創さんの出身地。市内各地に作品に関連する銅像や仕掛けがちりばめられていて、ファンは聖地巡礼も満喫できる。(池田 郷)
往復は「日田ぐるチャリきっぷ」がお得
「進撃の巨人」の人気キャラ銅像が歓迎
冨永さんと日田を訪ねる今回の旅は、レースの盛り上げ企画。ということで、博多駅バスターミナル(BT)と日田BTを結ぶ高速バスの往復券に加え、4時間レンタサイクルに乗れる「日田ぐるチャリきっぷ」(3980円)を利用した。
JR日田駅前の市観光協会で自転車を借りる。ロードレースタイプではない、かわいい系の自転車にまたがり街に繰り出す。
駅前ロータリーで作品中1番人気のキャラクター「リヴァイ兵士長像」を発見。冨永さんは早速、カメラのレンズを向ける。像の背後には作品ゆかりの地を巡るシャトルバス(有料)の乗降場もあった。
シャトルバスは諫山氏の執筆デスクや青春期の作品を展示した「進撃の巨人 in HITA ミュージアム」や、大山ダム下流広場などを巡る。
大山ダムは日田市民の有志が集まりクラウドファンディングで資金を募った銅像プロジェクトの第1弾、エレン・ミカサ・アルミンの少年期の銅像が設置されている。大山ダムの巨大な壁面を作品で描かれる「ウォール・マリア」に見立て、初めて巨人が襲ってきた場所を再現。バスは10月まで主に週末と祝日に運行するという。シャトルバスで巡るのもいいし、ロードバイクで巡るのも楽しそうだ。
ちなみに「進撃の巨人inHITA」というアプリゲームもあるそう。マップ上に表示される巨人出現情報を基に、市内の観光スポットなどに現れる巨人と対戦できるという。
日暮れ時、三隅川の河川敷を走った。屋形船とホテル群の明かりが川面に揺れ美しい。
観光とセットのサイクリングコースを紹介
標高差700メートルの激坂を体験してみては?
自転車を借りた日田市観光協会の事務所には「日田山輪探検」と題した市内のサイクリングコースを紹介したリーフレットが置かれていた。
「奥日田」「小鹿田」「天瀬」「日田市街地」の各地に初級者、中級者、上級者それぞれに合ったルートを設定。鯛生金山、小鹿田焼の里、天ケ瀬温泉街、豆田の町並みなどの見どころも網羅した。
ツール・ド・九州の大分ステージは、オートポリスをスタートしてサーキット内を周回後、標高差700メートルを下り、市中心部を周回する高速スプリントが見どころ。
リーフレットは日田出身の江戸の儒学者、広瀬淡窓をモデルにしたキャラクターにこう言わせている。
「日田のサイクリングは勾配がきつく激坂ばかりじゃ。体力に自信のある者は激坂を登り自分の限界に挑戦せよ。体力に自信のない者は、無理せず引き返すか、ショートカットじゃ」
大会前後に世界の一流選手が実際に走るコースを巡るなど、それぞれの楽しみ方を見つけてほしい。
紹介したメニューなど詳細は、「福岡アジョシ」の公式YouTubeチャンネルでお楽しみのほどを。