バイエル薬品は9月27日、「健康診断の保健調査票」に関する調査結果を発表した。調査は5月、全国の高等学校4,985校の養護教諭を対象にWEBアンケートにて行われ、405校より有効回答を得た。

  • 月経チェックシート

    月経チェックシート

文科省は2021年12月、児童生徒の月経随伴症状の早期発見と保健指導の実施を全国の教育委員会や学校などへ要請する通達1を発出。保健調査票等に、女子の経に伴う諸症状について記入する欄を設け、保護者にもその記入について注意を促すなどにより所見を有する児童生徒等を的確に把握し、健康相談や保健指導を実施したり、必要に応じて産婦人科医への相談や治療につなげたりすることを求めている。

しかしながら、通達約1年半後に実施した今回の調査によると、「保健調査票に、月経に伴う諸症状を把握するための記入欄を設けている」高校は62%。うち58%は症状がある生徒への対策として健康相談や保健指導、婦人科受診などを行っていたが、残り42%は対策を行えていないことが明らかに。

また、症状がある生徒への対策については、「養護教諭による生徒に対する保健指導の実施」が圧倒的に多い90%。次いで「養護教諭と保護者間での相談・対応検討」(25%)、「学校健診後、学校医による健康相談や診療」(20%)と続いた。

一方、月経に伴う諸症状の記入欄を設けていない学校は38%。理由を尋ねると、「必要性を認識しているが、どのような項目を設置すればよいかわからない」(53%)が過半数を占め、また、記入欄を設けながらも、症状がある生徒への対策ができていない学校(42%)からは、「指導時間などの確保が難しい」(56%)、「学校から保護者への相談が難しくアクションが取れない」(42%)、「学校側の関心が低く取り組みに至っていない」(40%)といった声が。

他方、女子生徒からの健康問題に関する相談内容を聞くと、「月経痛など月経に伴う体調不良に関すること」(96%)、「月経不順・無月経に関すること」(71%)が上位に。月経に関する相談ニーズは特に高く、その支援策ともなる同通達を実践する上での課題も浮かび上がった。


今回の調査結果を受けて同社は、養護教諭を支援するため、資料「生徒と話そう月経のこと~生徒・養護教諭へのアンケート調査から見えてきたこと~」を制作し、配布を開始。資料には、「月経随伴症状がもたらす学生生活への影響」「学校健診を機会とした生徒の月経随伴症状の把握とその対策」「月経チェックシート」が掲載されており、下記コードより閲覧することができる。

  • 「生徒と話そう月経のこと~生徒・養護教諭へのアンケート調査から見えてきたこと~」

    「生徒と話そう月経のこと~生徒・養護教諭へのアンケート調査から見えてきたこと~」