9月1日~9月3日の3日間、「GOOD LIFE フェア 2023」が開催されました。コンセプトは”心地よい豊かな暮らし”のヒントが見つかる、特別な3日間”。本イベントでは、食、化粧品、ファッション、生活用品、雑貨など、心地よい暮らしを支えるさまざまな分野のアイテムが集まり、3日間だけの「体験」テーマパークをコンセプトとして実施されました。

今回は、「GOOD FOOD & CRAFT」のジャンルから4つのブースを紹介します。

■テーブルマーク「BEYOND FREE」

人にはそれぞれからだの状態や大切にしている価値観があり、それは食事においても影響があるものです。

そんな体の状態や価値観を理由に、食事が制限されたり、みんなと同じものを食べられなかったりといった食の壁ができてしまうことも。

BEYOND FREEは、一人ひとりの多様な食生活を守る、テーブルマークのブランド。「テーブルマーク」の名に懸けて味への妥協はせず、特定の食材や成分をカットしながらも本格的なおいしさを追求した冷凍食品を販売しているそうです。

具体的には、アレルゲン不使用、動物性原材料不使用、糖質カット・塩分カットなどの商品があります。

アレルゲン不使用の商品は、卵・乳不使用の豆乳クリームロールケーキや特定原材料、28品目不使用の玄米ブレッドなど。豆乳クリームロールケーキの周りのスポンジは、卵や乳不使用の生地をきれいな輪にするために、緻密な試作を繰り返したのだとか。「豆乳クリームロールケーキ アールグレイ」を試食してみると、アールグレイの香りが鼻から抜ける上に、濃厚だけれど軽い豆乳クリームとふわふわの生地がマッチしていました。

動物性原材料不使用の商品は、豆腐ブレッドやライスバーガーなどの植物由来の原材料で仕上げたものがあります。今まで大豆ミートは独特の癖がある印象でしたが、「ライスバーガー 大豆ミート 生姜焼き味」を試食してみると、濃いめの味付けで独特の癖がなく、子どもも喜ぶ味でした。

糖質カット・塩分カットの商品は、糖質30%オフのうどんや無塩食パンなど。中でもうどんはお皿いらずで、温めるだけで簡単に調理ができるので、忙しい日の味方です。

「BEYOND FREE」は、誰かと心を通わせる食事の時間に、みんなが食べたいものを選べるという選択肢を広げてくれます。

■日本マタニティフード協会(MFO)

さまざまな不安と付き合っていく出産や育児。根拠のない情報が飛び交い、正しい情報を手に入れるのが難しい世の中で、さまざまな体調の変化と食事の注意点が生じるマタニティ期は、「食へのストレス」を抱えやすい時期です。

日本マタニティフード協会は、食の観点から妊産婦がより安心できる出産育児環境の創出を目的に発足された一般社団法人です。

活動内容としては、妊婦が避けるべき原材料や成分が含まれていない商品を「マタニティフード」として認定することや、仕事と育児の両立に悩むママが「自分の居場所」を得るための支援をすること。ブースには、赤ちゃんを抱えているお母さんがきらきらした笑顔で働いているのが印象的でした。

そんな日本マタニティフード協会のブースの中に、「やさしい味噌汁から生まれる笑顔の点(ドット)がつながっていきますように。」という願いをこめて立ち上げられた「ドットミソ」というブランドがありました。

昔ながらの製法を守り、味噌を作り続けている全国の味噌蔵の味噌と、有機野菜を使った自家製の乾燥野菜による完全無添加の味噌汁が並んでいました。

味噌は「蔵元の数だけ味がある」と言われ、蔵に住む菌・気候・風土・造り手の手のひらなどによって味噌蔵の個性がでるのだそうです。そんな味噌蔵とドットミソは、商品だけのつながりではなく、人と人の温かいつながりを築き、ともに味噌や味噌蔵の魅力を全国に届けているのだと言います。

また、乾燥野菜は規格外野菜を、定価で買ったものを使用。これは、つくる手間は同じなのに、見た目や傷の有無によって売れなかったり値段が変わったりしてしまうことに違和感を持ったことが理由だそうです。話を聞いているうちに生産者を尊敬し、絆を築いているドットミソの魅力に引き込まれました。

見た目がかわいい味噌玉のセットは、ギフトとしても人気。大切な人に、体にやさしいものを食べて心を休めてほしいときに、おすすめのようです。

■穴太商店

穴太商店は、穴太ホールディングスが運営するECサイト。北海道と千葉にて、お米づくりを中心に作物を生産し、加工や販売まで一貫して行っているようです。

商品は、米粉のパンや麺、甘酒、米ぬかで加工したタオル、もみ殻を使った燃料など幅広いラインアップがあります。「もみ殻も米ぬかも大切に育てられたお米の一部であるから、決して捨てたくない」という想いからこれらの商品が実現。

中でも米麹甘酒は、自社農場の「The 北海道ファーム」で栽培したお米を使用し、「生産者の顔がわかる安心の甘酒を提供したい」という想いから農場内で仕込みや製造を行っている。また、規格外のお米を使用しているため、食品ロスの削減にもつながっているそうです。

さらに、米ぬかを使った化粧品やタオルも。穴太商店が展開する「Siamam」という化粧品ブランドは、ぬか床を使っている利用者の手がしっとり潤っていたことから、これを化粧品に応用できないかと考えたことがきっかけで生まれました。日本人になじみ深いお米由来の化粧品であるため、乾燥肌や敏感肌がやさしく潤うのだとか。中でも角質ケアができるぬか袋が人気だと教えてもらいました。

米ぬかを使ったタオルは、栄養豊富な米ぬか成分が配合された”レーヨン”と”綿素材”でつくられているそう。植物から抽出したパルプ原料の再生繊維を使用することで、商品製造時の環境への負担を減らすことにもつながっているのだそうです。種類は白米と玄米があり、どちらも優しく包み込んでくれるような落ち着いた色でした。

■ハジマリニ

ハジマリニは岡山県にある植物性素材のみを使用したお菓子を提供する岡山県の焼き菓子店。店名は、作り手や材料のことに視点が生きにくい現代に、「作り手の想いを伝えていくことで、互いに幸せな気持ちになる、そんなハジマリニなるように。」という想いが込められています。

上白糖・牛乳・バターを使わない分、国産小麦をベースに、植物性の素材や地元で作られた素材、お豆腐や甘酒など、日本に根付いた素材を使用し、しっとりとしたクリーミーな味わいにしあげているそうです。

商品は、TOFUマフィンや天然酵母のドーナツ、酵母スコーン、タルト、クッキーやビスケットなど豊富なラインアップ。ビスケットとクッキーを試食してみると、サクサクの食感と甘さ控えめでやさしい味に心が癒されました。

ハジマリニは、植物性の素材にこだわる人やヴィーガンに限らず、今までのお菓子にはなかった新しい味として植物性のおやつを食べてもらうことで、多様な人が出会うきっかけをつくりたいという想いで誕生したそうです。


まさに都心に位置する東京ビックサイトの中に、活気づいた下町の商店街のような温かさが、そこにはありました。自分にとって、世の中にとってのGOOD LIFEやGOOD FOODとはどうあるべきかを考えるきっかけとなった「体験」でした。