医療法人社団ミネルバは9月5日、「NIPT(新型出生前診断)の認知度」に関する調査結果を発表した。調査は8月8日〜9日、5歳までのお子さんがいる女性1,002人を対象にインターネットで行われた。

「NIPT(新型出生前診断)」とは?

  • NIPT(新型出生前診断)の認知度

    NIPT(新型出生前診断)の認知度

「NIPT」とは出生前診断の1つで、主にダウン症(トリソミーの可能性)について調べることが可能な検査。同社によると、妊婦さんの血液を採取するだけで済むため、胎盤に針を刺して羊水を採取する羊水検査(羊水穿刺)や、胎盤の一部を採取する絨毛検査といった他の出生前診断よりも安全性が高く、正確性も高い検査方法だという。

受けなかった人に聞いた理由

はじめに、NIPT(新型出生前診断)の認知度を調査したところ、およそ8割が「内容まで知っている」(42.4%)あるいは「名前だけ知っている」(35.3%)と回答。実際にNIPTを受けたことが「ある」人の割合は21.8%だった。

一方、「NIPTを受けなかった」人は78.2%。理由を聞くと、「医師から勧められなかった」(43.0%)、「受検の選択肢になかった」(27.3%)、「費用を捻出できなかった」(16.3%)が上位に。また、「NIPTのような出生前診断に対するイメージ」を教えてもらったところ、「母体や胎児に影響がある」(31.7%)、「妊娠週数によっては受けられない」(27.8%)、「医療機関ごとに温度差がある」(26.8%)が上位となった。

NIPTを受けた人に聞いた感想

  • NIPTを受けたクリニックは認定施設でしたか?

    NIPTを受けたクリニックは認定施設でしたか?

続いて、NIPTを受けた人を対象に、「NIPTを受けたクリニックは認定施設でしたか?それとも無認可施設でしたか?」と質問したところ、81.8%が「認定施設」(認証、認可など)と回答。NIPTを受けてみた感想を聞くと、「出産にあたっての安心材料になった」「事前の説明がとても丁寧で、安心して受けることができました。ただ、費用が高額で、簡単に受けることができないのが難点」「採血だけなので体に負担をかけることなく安心して受けられた」といった声が寄せられた。

「デノボ検査」とは?

  • デノボ検査について

    デノボ検査について

次に、出生前検査の1つである「デノボ検査」(父親の高齢化による精子の突然変異検査)について、「どのくらい受けたいと思いますか?」と質問したところ、約半数が「条件次第で受けたい」(43.3%)あるいは「とても受けたい」(9.4%)と回答。

また、「染色体異常でダウン症候群の次に多い疾患」(ディ・ジョージ症候群)について質問したところ、56.6%が「知らない」と回答。ディ・ジョージ症候群の認知度は高くはないようで、「内容まで知っている」という人は15.3%にとどまった。

どのNIPTを受けるかで精度に違いも

  • 今後の課題

    今後の課題

続いて、「NIPTには第1世代、第2世代、第3世代といった違いや、医療機関や検査会社によって検査や判定手法が異なるということをご存じですか?」と質問したところ、約8割が「いいえ」(80.7%)と回答。NIPTの世代によって、正確性や検出できる疾患、染色体異常の種類が大きく異なるため、どのNIPTを受けるかで精度に差が出てくるよう。

最後に、「今後、国(厚生労働省)には現在の認定基準を見直して、希望すれば誰でも精度の高いNIPTを受けることができる環境(認証制度)を作ってほしいと思いますか?」と聞くと、およそ75%が「ある程度そう思う」(49.8%)、「とてもそう思う」(24.9%)と回答した。