2002~03年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』の20周年を記念したVシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary』が、6月16日より全国劇場にて期間限定上映される。『ハリケンジャー』といえば、10年前に『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARS AFTER』(2013年)という「10周年記念作品」が作られて大ヒットを飛ばしたことが思い出される。あれから10年、今また時代を軽やかに飛び越えて、また新たなスーパー戦隊の魅力を伝えに現れたというわけだ。
『ハリケンジャーでござる!』単独インタビューの今回は、電光石火ゴウライジャーのカブトライジャー/霞一甲を演じる白川裕二郎が登場。今や国民的人気を誇るムード歌謡グループ「純烈」のメインボーカルとして全国各地を飛び回り、多忙を極める白川だが、その厳しいスケジュールの合間をぬって、みごと仲間たちとの共演が実現した。時代劇の本場・東映京都撮影所でキャスト陣が集結したとき、白川の胸に去来したのはどんな思いだったのだろうか。20年の時を経て、精悍なヒーロー像に大人の色気が加わった白川の魅力的なメッセージをご堪能いただきたい。
――『ハリケンジャー』10周年記念作品に続き、10年後にまた20周年記念作品が実現したことについての感想を聞かせてください。
『忍風戦隊ハリケンジャー 10YEARS AFTER』は、まさに山本康平(ハリケンイエロー/尾藤吼太役)と長澤奈央(ハリケンブルー/野乃七海)の2人が企画を立ててくれて、そこに多くのスタッフさんたちが力を貸してくれたことで実現した作品でした。そしてまた、康平たちの熱意によって20周年記念作品が生まれたというのは、本当にありがたいと思いました。
――製作実現の鍵は、超多忙な白川さんのスケジュールを確保すること、と山本さんがおっしゃっていましたね。
僕が多忙というより、純烈がとにかく忙しくて……。今回、各方面の方々にご迷惑をおかけしつつ、多大なご協力をいただいて、なんとか撮影することができました。もしもの話ですが、どうしてもスケジュールがうまくいかなければ、僕以外の4人だけでも『ハリケンジャー』を作れたかもしれません。でもそうではなく、僕を含めてみんなそろって出演が叶った……。5人そろって同じ作品に出られたことが、とにかく嬉しかったです。
――今回の『ハリケンジャーでござる!』は江戸時代の疾風流、迅雷流忍者が主役ということで、通常の東映東京撮影所ではなく東映京都撮影所が拠点となりました。京都での撮影について、どう思われましたか。
20年前『天罰屋くれない 闇の始末帖』にレギュラー出演していたころ、京都撮影所のスタッフさんにはお世話になっていました。今回の衣装を担当されていた古賀博隆さんとは、あのとき以来20年ぶりの再会で、お互い「懐かしいねえ」と喜び合いました(笑)。本作は、ハリケンジャーやゴウライジャーは登場するものの、江戸の町を舞台にした本格的な時代劇として作られています。そもそも『ハリケンジャー』は現代の忍者が主人公ですから、時代劇とはとても親和性が高いんです。なので、今回の世界観は自分にとってもすんなり受け入れることができました。
――弟・一牙(いっき)と共に「将軍家御庭番」を務める迅雷流忍者・一角は、鷹之介(演:塩谷瞬)、なみ(演:長澤奈央)、吼太郎(演:山本康平)ら疾風流忍者にとって相容れない存在……ライバルとして描かれていましたね。
一角と一牙は兄弟なんですけど、それぞれ独立した一匹狼という立ち位置でもあります。お互いそのように考えていて、一角は一牙にも心を許していません。しかし内面には熱いものがあって、仲間思いの部分も持ち合わせている……と思って演技をしていました。疾風流の3人が僕たちに対し、何かと突っかかってくるところなんて、『ハリケンジャー』初期エピソードでの、ハリケンジャーとゴウライジャーの対立関係を思わせましたね。そこからオイランダやアウンジャとの戦いを経て、だんだんと鷹之介たちとの仲間意識が芽生えていく。対立から和解、共闘へ……といった気持ちの流れを心に留めていました。
――江戸時代の一角と現代の一甲とでは、演じ方に違いがあったりするのでしょうか。
僕の中では、一角も一甲も同一人物的というか、どちらも同じように演じようと思いました。ただ一甲のほうが、この20年間で仲間との絆が深まっているので、笑顔が多かったかもしれないです。20年を経て、ハリケンジャーもゴウライジャーも大人になりましたから(笑)。