東京商工リサーチは6月14日、「企業の花粉症影響」に関するアンケート調査の結果を発表した。調査は6月1日〜8日、全国の大企業および中小企業を対象にインターネットで行われ、有効回答5,735社を集計・分析した。

  • 花粉症による悪影響

    花粉症による悪影響

⿐⽔、くしゃみなどで集中⼒が削がれるなど、業務に「花粉症が悪影響を与えている」と回答した企業は全体の約3割(構成比28.0%)。どんな影響があるのかを教えてもらったところ、「従業員の作業効率の低下」がダントツの91.0%。次いで「医療機関受診による遅刻などの増加」(21.1%)が続いた。

一方、影響を「全く与えていない」「あまり与えていない」企業は71.9%と、企業の影響は二極化していることがわかった。

  • 「悪影響あり」と回答した企業(業種別)

    「悪影響あり」と回答した企業(業種別)

「悪影響あり」と回答した企業を業種別にみると、多い順に「宿泊業」(45.0%)、「自動車整備業」(44.0%)、「社会保険・社会福祉・介護事業」(43.4%)、「医療業」(42.3%)など、対面型サービス業ほど花粉症の影響が深刻なよう。一方、「悪影響なし」と回答した企業は、「金融商品取引業,商品先物取引業」がトップで100%。次いで「広告業」(97.2%)、「飲料・たばこ・飼料製造業」(90.3%)、「家具・装備品製造業」(88.4%)と続いた。

なお、政府は、花粉症対策として10年後に花粉発⽣源のスギを約2割減少させ、飛散防止剤の開発促進や、企業には花粉飛散量が多い日に柔軟な働き⽅の推進を求める対策を打ち出した。だが、スギ伐採増は容易でなく、当面、花粉飛散量が多い日はコロナ禍で浸透した「テレワーク・在宅勤務」でしのぐ企業が増えるとみられる。