ロレアル プロフェッショナルは5月15日、「髪色自由化プロジェクト」発足を発表。同日メディア向けに発表会が開催され、プロジェクトの概要や発足の背景について説明された。
■髪色規定を設ける企業は約7割
「髪色自由化プロジェクト」は、ロレアル プロフェッショナル イノアカラー主体のプロジェクト。働くすべての人が、企業ブランドをリスペクトしつつその人らしいスタイルや髪色で働くことで、多様性に寛容で、より自由な風通しの良い社会の実現に貢献することを目指す取り組みだ。
イノアカラーは、都内の人気ヘアサロン50軒の美容師152人が選ぶ「WWDBEAUTY 2022 ヘアサロン版ベストコスメ」のヘアカラー部門にて、2年連続で第1位を受賞。長持ちするツヤ、透明感、ツンとしたにおいが抑えられる「アンモニア無配合」などが特徴となっている。
日本ロレアル プロフェッショナル プロダクト事業本部 ロレアル プロフェッショナル本部 本部長 岸中 昭人氏は、本プロジェクト発足の背景について、最近髪色の規定により"自由な髪で働くことができない"といったニュースやSNSを多く見かけたことがきっかけだと話す。
同社は働く人や人事担当者の方を950名対象に、髪色規定に関する調査を実施。髪色規定に関して質問したところ、業種で髪色規定のある企業は約74%もあることが明らかに。また、人事担当者が髪色規定を設ける理由について聞いたところ、1位は「清潔感を保つため」、さらに、清潔感を与えるのに必要だと思う要素については「髪のパサつきがなくまとまっている」が最も多い結果に。こうした結果から、同社は髪色よりも、髪のツヤやまとまり感が清潔さに繋がると考えたという。
■賛同企業からはポジティブな効果も
本プロジェクトでは、スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニーやアドビ、ジョンソンデジタルジャパン、パルコ、アスノシステム、ミクシィの6社が賛同。賛同企業には、福利厚生としてイノアカラーのヘアカラー施術を提供するという。
「PLAZA」を展開するスタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー カンパニーエグゼクティブプレジデントの鈴木 顕氏は、4月より働くスタッフの髪色を自由に、ネイルのデザインを緩和するなど身だしなみ基準を見直したと話す。「スタッフの表情が豊かになり自信を持った接客ができている」「お客様からも店舗が明るくなった」「今の時代にあってる」などポジティブな言葉があがっているという。
発表会後半では、サポーターでスキージャンプ選手の髙梨沙羅さんが登壇。髙梨さん自身も気持ちやスイッチの切り替えで、髪型や髪色を変えることがあるという。また、見せる競技でもあるので自分の個性を大切にしたいという想いが大きいと話す。
サポーターに就任したことについては「素晴らしいプロジェクトで、携われることに幸せを感じています。個性を大事にしている人は素敵ですし、この活動が広まって自由にできる社会になれば嬉しいです」と笑顔をみせた。
本プロジェクト発足にあわせ、コンセプトムービーも公開。動画では、「髪色は黒髪だけ」「常識的に7トーンまで」など、勤務先の髪色規定に浮かない表情を浮かべるさまざまな働く女性が登場。そこから、美容師が彼女たちの髪色をイノアカラーで鮮やかに染めていくと、髪色だけでなく女性たちの表情まで明るくなってく様子を伝えている。