東急電鉄は11日、これまでに築き上げた経営基盤をより一層強靭化させ、安全・安心のさらなる追求をはじめ、時代に即した社会的価値を持続的に提供すべく、2023年度は総額431億円の設備投資を行うと発表した。
今年度、設備投資計画のおもな取組みとして「東横線での有料座席指定サービスの開始」「大井町線車両新造に着手」などを挙げている。東横線の有料座席指定サービス「Q SEAT」は、利用者の着席ニーズに対応し、車両の増結等を行いサービス開始予定。アフターコロナにおける新しい生活様式に柔軟に対応する。
東横線では、事業基盤を強靭化させるための事業構造変革の一環で、3月18日からワンマン運転を順次開始している。ワンマン運転開始後も引き続き安全・安定輸送を継続するため、車内防犯カメラの高機能化など、さらなる設備投資を実施するとのこと。
老朽化の進む大井町線の車両9000系・9020系の更新に向けた車両新造にも着手。さらなる安全性・快適性向上を追求する。その他、田園都市線・大井町線で無線式列車制御システム(CBTCシステム)の導入を推進し、池上線五反田駅でホームドア設置に向けた設計に着手。自然災害対策、踏切障害物検知装置の高度化、車内防犯カメラの高機能化、施設・設備の健全性の維持・向上、脱炭素化・循環型社会の実現に向けた環境への取組みなど、安全・安心・環境のさらなる追求に努める。
昨年度に引き続き、ホームと車両の段差・隙間の縮小を中心とした設備投資も実施。デジタル技術を活用し、より便利な情報提供も行う。子育て世代や高齢者に配慮した乗車券などのソフト施策も引き続き実施していく。
都市交通における快適性向上と課題解決に向け、駅機能の拡充や車内案内機器の改修なども進める。人・街・暮らしをつなげるプラットフォームも構築し、田園都市線地下区間のリニューアルに向けて工事を進めるとともに、QRコード・クレジットカードのタッチ決済を活用した乗車サービスの実証実験の開始を予定している。
新技術を活用した効率性と安全性の両立も図る。機器の状態データをもとに検査・更新の周期を設定することで、効率性と安全性の向上が期待されるCBMの適用拡大に向けた検証を推進。駅務機器のさらなる高度化を進め、サービス向上や業務プロセス改善に取り組むとしている。