「ぞんざいに扱う」という言葉を知っていますか? 日常会話で時々聞く表現ですが、実は意味を知らないという方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、「ぞんざいに扱う」の意味や使い方、類語・対義語などを紹介します。また、「ぞんざいに扱う人」の心理や「ぞんざいに扱われやすい人」の特徴、ぞんざいに扱われた際の対処法についても解説します。

  • 「ぞんざいに扱う」の意味とは

「ぞんざいに扱う」の意味とは

「ぞんざい」とは、物事をおろそかに扱うことや、投げやりに扱うことを意味します。また、言葉や行動が乱暴なさまを表す言葉でもあります。

すなわち「ぞんざいに扱う」は、物や人をいいかげんに扱うことや、乱暴な言動をとることを意味する言葉です。

「ぞんざい」の語源

「ぞんざい」の語源には2つの説があると言われています、1つは、いいかげんなさまを意味する「粗雑(そざつ)」という言葉が「ぞんざい」に変化した説。もう1つは、人や物事があることを意味する「存在(そんざい)」が「ぞんざい」に変化した説です。両者とも不確かなため、どちらが本当なのかはわかっていません。

「ぞんざい」の漢字表記は?

「ぞんざい」という言葉に漢字表記は存在せず、ひらがなで表記します。「扱う」のみを漢字とし、「ぞんざいに扱う」と表記するのが一般的です。

  • 「ぞんざいに扱う」の使い方・例文

「ぞんざいに扱う」の使い方・例文

「ぞんざいに扱う」は、人に対して使う場合と物に対して使う場合で多少ニュアンスが異なりますが、どちらも悪い意味で使用される言葉です。ここでは、その使い方を例文で紹介します。

「ぞんざいに扱う」の例文

【例文】

■物に対して使う場合
・物を売る以上、商品をぞんざいに扱うことは言語道断です
・贈り物をぞんざいに扱うなんて、あってはならない
・子どもの頃、物をぞんざいに扱ってはいけないと親に教わった

■人に対して使う場合
・A課長は部下をぞんざいに扱うことで有名だ
・彼女をぞんざいに扱う男とは別れた方が良い
・周りからぞんざいに扱われる人は、自身にも何か問題があるかもしれない

「ぞんざいな扱い」という使い方も

「ぞんざいに扱う」だけでなく、「ぞんざいな扱い」という使い方もできます。

【例文】
・彼は上司からぞんざいな扱いを受けている
・ぞんざいな扱いをしたことを後悔しても遅い
・今や大スターとなった彼も下積み時代はぞんざいな扱いを受けていた

  • 「ぞんざいに扱う」の類語

「ぞんざいに扱う」の類語

「ぞんざいに扱う」と似たような意味を持つ類語・言い換え表現としては、以下のような言葉が挙げられます。

・冷たくあしらう
・冷遇

相手に対して冷たい態度をとる様子を表します。

・荒々しく扱う
・粗雑

相手や物に対して、荒々しい扱いをすることを表します。

・杜撰

杜撰は人に対してではなく、やり方や物事に対して使う言葉です。「杜撰な仕事」「杜撰な管理」のように使います。

  • 「ぞんざいに扱う」の対義語

「ぞんざいに扱う」の対義語 

「ぞんざいに扱う」とは反対の意味を持つ対義語には、以下のような言葉が挙げられます。

・丁寧
・丁重
・礼儀正しい

隅々まで気配りや配慮が行き届いていることを表します。

・厚遇

手厚くもてなすことを意味します。

・重く受け止める

物事を重大なことだと認識するという意味です。

・念入り

注意深く丁寧にすることを表す言葉です。

  • 「ぞんざいに扱う」人の心理とは

「ぞんざいに扱う人」の心理とは

同僚や知人などからぞんざいに扱われているのではないか、と悩んでいる方もいるでしょう。ここでは、ぞんざいに扱う人の心理について解説します。

自己中心的で自分勝手

相手をぞんざいに扱う人は、自己中心的で自分勝手な性格をしています。自分が一番であり、自分のことしか考えていないため、自分以外の人はどうでもいいのです。そのため、周囲の人を雑に扱ったり、乱暴な態度をとったりします。

相手を見下している

特定の相手に対してのみぞんざいな扱いを見せる場合は、その相手を見下している可能性が高いでしょう。自分の立場が上で、相手を下に見ているため、ぞんざいな扱いをしても許されると思っているのです。

コミュニケーションが苦手

上記のほか、単純にコミュニケーションが苦手なだけという可能性も考えられます。自分の気持ちを上手く伝えられないせいで、結果として他人をぞんざいに扱ってしまうケースです。本人に悪気はないものの、相手と上手くコミュニケーションを取れないことで、周囲の人から「ぞんざいに扱う人」と思われてしまいます。

「ぞんざいに扱われる人」の特徴

どの環境でもぞんざいに扱われることがある、という人は自身の性格が影響しているかもしれません。ここでは、ぞんざいに扱われやすい人の特徴を紹介します。

自己主張をしない

自分の意見を述べたり、考えを話したりといった自己主張をまったくしない人は、ぞんざいに扱われてしまう可能性が高いといえるでしょう。周りの意見に従うばかりで自分がない人は、「どうせあの人は何も言わない」「何でも受け入れる」と思われてしまい、雑な扱いを受けやすくなります。

自虐的すぎる

必要以上に自虐的な人も、ぞんざいに扱われやすいといえるでしょう。時々であれば問題ありませんが、常に自虐ネタを言っているような場合や行き過ぎた自虐ネタは「あの人には何を言っても大丈夫」と、周囲を勘違いさせます。その結果、周囲から雑に扱われるようになってしまうのです。

ぞんざいに扱われたときの対処法

ぞんざいに扱われることで大きなストレスを抱えてしまう人も多いでしょう。ここでは、ぞんざいに扱われたときの対処法を紹介します。

自己主張する

前述したように、まったく自己主張しない人はぞんざいな扱いを受けやすくなります。嫌なものは嫌だとはっきり自己主張するようにしましょう。また、普段から自分の意見を述べるようにしておくことも大切です。ただし、過度な自己主張は嫌われるので程度には気をつけてください。

距離を置く

相手と距離を置くことも一つの方法です。ぞんざいに扱われることが嫌だと伝えても改善されないのであれば、相手はあなたのことを軽視している証拠。そんな相手と無理に付き合う必要はありません。相手が職場にいる場合は完全に距離を置くことは難しいですが、会話は必要最低限にするなどして、なるべく関わらないようにしましょう。

自分の能力やステータスを高める

ぞんざいに扱われないように、自分の価値を高めるという方法もあります。特に、相手が能力やステータスによって態度を変える人の場合は有効です。

仕事で結果を出す、資格を取るなどして、自分の能力やステータスを高めてみましょう。

  • まとめ

まとめ

「ぞんざいに扱う」の意味や類語・対義語を紹介するとともに、「ぞんざいに扱う人」の心理や「ぞんざいに扱われる人」の特徴、ぞんざいに扱われたときの対処法などを解説してきました。

「ぞんざいに扱う」は、物や人をいいかげんに扱うことや、乱暴な態度をとることを意味します。ぞんざいに扱われていると感じたら、今回紹介した対処法を実践してみてください。