女優の森田望智がこのほど、9日にスタートしたフジテレビのドラマ『バイバイ、マイフレンド』(毎週火曜24:25~ ※関東ローカル)の取材に応じた。

  • 『バイバイ、マイフレンド』主演の森田望智

このドラマは、夢も仕事もうまくいかず人生に希望を見いだせなくなっていた主人公・早川麻衣(森田)が、高校時代の親友と10年ぶりに再会したことをきっかけに人生を見つめ直すというストーリー。

森田にとって地上波初主演ドラマとなるが、「主演だから引っ張ろうとか、器が広くなきゃとか、そういう気持ちもあると思うんですけど、今回は本当に自分のお芝居に集中することだけを考えて、本当に周りの皆さんに立たせていただいたという感じなんです。いい意味でリラックスできて、アットホームな現場だったと思います」と語る。

その上で、主演という立場について、「一番出演シーンが多いということは、感情を作らなくてもワンシーンごとに積み重なっていくので、それが楽しみだったんですけど、やってみて本当にその通りでした。ワンシーンごとに役への思いも強くなりますし、生きてる感覚もすごく強くなるので、それは今までにない経験で良かったなと思います」とのこと。「主演や番手がどうこうというより、脚本が面白いと思ったので、それに携われたことが一番うれしいなと思います」と心境を明かした。

10年ぶりに再会する高校時代の親友役を演じる萩原みのりとは、かつて中学・高校時代に同じレッスンに通っていた間柄。それ以来の久しぶりの対面となっただけに、「役作りしなくても、懐かしい気持ちがありました。当時は全然しゃべらなくて、あんまり仲がいい雰囲気ではなかったので(笑)、そういう複雑なちょっと気まずい気持ちもすごく役に反映されて、自然だったなと思います」と、現実の関係性とリンクしながら演じられたようだ。

現実とのリンクは脚本においても。「伊坂幸太郎さんの『バイバイ、ブラックバード』という小説とか、『Believe』という合唱曲とか具体名があることで、高校時代のすごく濃かったときの、痛々しかったけどキラキラしていた気持ちにグッと入り込んでくるような脚本だったので、自分の10年前をバッと鮮明に思い出すことができました」と話す。

実際の高校時代の友達とは、今も定期的に会っているそうだが、「(高校時代から関係性が)全然変わらず、テレビに出てるとかも気にせず私としてずっと見続けてくれてるので、そこはすごく幸せな友達を持ったなと思います」と感謝。周囲から「雰囲気が違うね」「いつもの森田さんじゃないね」と言われることが多い役柄でも、「その友達は、どれも私だと言うので、“私にある一面なんだろうな”と、友達の感想を聞くと思います」と確認している。

今回演じる麻衣は10年間、親友に抱き続けた罪悪感に苦しんできた役柄。「取り返しのつかないことをやってしまった経験はみんなあると思うんですけど、それとどう向き合っていくか。後ろ向きでもいいし、前向きでもいいと思うんですけど、自分なりの向き合い方みたいなものを見つけていくお話になるんだろうなと思っていたんですけど、やり始めてから、今いるお友達をすごく大切にしたいという気持ちが、私の中ですごく出てきたんです。麻衣ちゃんは高校時代のときに、自分のせいで友達が亡くなってしまったという過去があるので、事故がなかったら、私が実際に大切にしている友達みたいに当たり前のように生きてるって思うと、麻衣ちゃんの出来事は私にも起こりうることだと思ったので、私の今いる友達に対してすごく感謝が生まれました」という。

それを踏まえ、「(友だちに対して)後悔のないように言いたいことは言ったほうがいいし、してあげたいと思うことはなるべく早くしてあげたほうがいい。毎日会えるわけじゃないからこそ、会える時間をすごく大切にしたいなって思いました」と、今回の作品を通して気持ちを新たにしたようだ。

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