本記事では、ピン札や新札の入手方法について、メリットや注意点を交えて詳しく解説します。また、実は全く別物であるピン札と新札の違いや、ピン札を使うべき場面と使ってはいけない場面、2024年度発行の新紙幣についてもまとめました。
そもそもピン札とは? 新札・新券とは違う?
「結婚式などのご祝儀には、ピン札を用意する」と覚えている方もいると思いますが、厳密にいうと新札・新券を使うのがマナーといわれています。
ピン札とは、シワや折り目、汚れがなく、発行されたばかりで使用感のないお札です。つまり、ピン札は既に使用されているけれど、きれいなお札ということです。
ピン札と新札・新券の違いは?
ピン札と新札・新券の大きな違いは、未使用であるか否かというところにあります。
ピン札は前述のように、既に使われているが、折り目や汚れがないきれいなお札のことを指します。一方で新札・新券は、発行された後、誰にも使われたことない、未使用で新しいお札のことを指します。
前述のように、ご祝儀は新札・新券で包むのがマナーといわれていますが、実際には、新札・新券とピン札を見た目で判断するのは難しいでしょう。また、その違いを認識している人も多くありません。
よって、ご祝儀には新札・新券だけでなく、ピン札を使用している人も多いのが実情と言えます。そのためこの記事では、新札・新券だけでなく、ピン札についても解説していきます。
前もってピン札(新札・新券)を入手する方法
祝儀のためには、余裕を持ってピン札(新札・新券)を用意しておきたいものです。事前にピン札(新札・新券)を入手する方法を紹介します。
銀行の窓口で両替する
新札を入手するための最も確実な方法は銀行の窓口で、手持ちの旧札から新札に両替することです。
ただし、銀行の窓口は基本的に平日15時までの営業のため、時間に制約がある点に注意が必要です。また、現金での両替を取り扱っていない店舗があったり、両替する枚数によって手数料が掛かったりします。
詳しくは各銀行のホームページなどを確認しましょう。
銀行の両替機を使用する
新札を入手するには、銀行の両替機を使うことも確実な方法です。両替機のメリットは、銀行の窓口で両替するよりも短時間で新札を手に入れられることです。
ただし、銀行によっては新札に両替できる両替機を設置していなかったり、そもそも両替機を置いていなかったりすることがあるため、両替機を使う場合も、事前に調べることをおすすめします。
また、窓口と同様に枚数によって手数料を取られることがあるため、注意が必要です。
郵便局(ゆうちょ銀行)で交換する
ピン札や新札を手に入れるために、郵便局(ゆうちょ銀行)で交換する方法もあります。
ただし、郵便局は公式には両替の業務を行っていないため、忙しいときやピン札・新札の在庫次第では両替不可の場合もあります。窓口がすいている時間に、事情を説明して相談することをおすすめします。
また両替ではなく、公式なサービスとして、窓口で払い戻しなどを行う際に新札を指定することができます。ただし枚数によって金種指定料金が掛かります。
当日にピン札を用意する方法
結婚式などに出掛けようとする際、ご祝儀用のピン札が見当たらず、途方に暮れた経験をお持ちの方もいると思います。
そのようなときのために、ピン札を当日に入手する方法を紹介します。
ホテルのフロントで両替してもらう
結婚式会場であるホテルのフロントでは、参列者のためにピン札を用意していることがあります。途中で両替できる場所に寄り道することもなくなり、落ち着いて会場まで向かえます。
ただし、ホテルにピン札の在庫がない場合もあるため、事前に確認を取ることをおすすめします。
勤務先の総務部などへ問い合わせてみる
社員が仕事関係でお祝いの席に参加する場合もあるため、勤務先の総務部などが冠婚葬祭に備えてピン札や新札を準備している可能性があります。 仕事が忙しく、日中に銀行に行けない場合は、事情を話して交換してもらうという手もあります。
家族や友人・知人に問い合わせてみる
受け取り可能な範囲であれば、友人や家族に事情を話して、旧札をピン札に交換してもらうのも一つの方法です。お金の相談のため、信頼できるごく親しい相手を選びましょう。
また、ご祝儀を渡す相手に近い人を選んでしまうと礼儀を欠く場合があるため、お祝い事とは関係のない人物に頼む必要があります。
もちろん、その人がたまたまピン札を持っていたということばかりではないので、あてにし過ぎない方がいいでしょう。
コンビニやスーパーで交換してもらう
コンビニやスーパーで事情を話して、もしピン札の在庫があれば、自身のお金をピン札と交換してもらえることもあるかもしれません。
しかしこれはあくまでお店側の厚意であり、防犯などの観点で両替を禁止している店舗も多くあるため、ごねて迷惑にならないように注意しましょう。またお礼として、何かを購入するのがマナーでしょう。
自分でピン札にする
ピン札がどうしても手に入らない場合の非常手段として、アイロンを使ってピン札にする手法があります。
- なるべくきれいなお札を用意する
- 霧吹きを使ってお札の両面を水で湿らす
- あて布の上から、低温でアイロンをかける
- 本の間に挟んで冷ます
ただし、銀行で新札に両替するほうが確実ですし、お札を傷つける可能性もあり、あまりおすすめできない方法です。あくまで最終手段として覚えておきましょう。
土日や深夜にピン札がほしいときは、コンビニのATMを利用する方法も
コンビニのATMを使うことで、土日や深夜でもピン札を入手できる可能性があります。ピン札が出てくるまで、引き出しを繰り返すという方法です。
コンビニのATMは銀行のATMよりもサイズが小さいものが多いため、しわがあるお札に比べてかさばらないピン札が多い、という説もあります。
メリットとしては、曜日や時間に縛られず24時間利用できるため、急きょピン札が必要になった際など、いつでもトライできる点です。
デメリットとしては、必ずしもピン札が出てくるとは限らないこと、そして手数料が掛かることです。また何度も利用して、他の利用者の迷惑にならないよう心掛けましょう。
ピン札(新札・新券)はどのようなときに利用される?
ところで、どんなときにピン札(新札・新券)が必要なのか、改めて知っておきましょう。
代表的なのは結婚式のご祝儀
先ほども触れたように、結婚式のご祝儀には、ピン札(厳密に言うと新札・新券)を用意するのが望ましいです。
きれいなお札で縁起を担ぐ意味や、前もって手間暇掛けて準備したお金でお祝いの気持ちを示す意味があるなどといわれています。
結婚式以外のお祝い事にも
結婚式のご祝儀以外にも、出産祝いや入学祝い、就職祝い、七五三など、お祝いのお金を渡す機会は数多くあります。
お祝い事でお金を渡す場面では、なるべくきれいなお札を使用する方が、お祝いや感謝の気持ちが伝わりやすいでしょう。
不祝儀にはピン札(新札・新券)を避け、旧札を使用する
なお、葬儀などの不祝儀では、旧札が好まれます。きれいなお札では、不幸を待って事前に準備していたという意味にとられる可能性があるためです。
そのため不祝儀には、既に利用されている、しわの入ったお札を使用しましょう。
どうしてもピン札(新札・新券)しか持ち合わせがない場合は、折り目を付けましょう。
【番外編】2024年度に発行される新紙幣の人物とは
2024年度には、約20年ぶりに新しいデザインの紙幣が発行されることが発表されています。デザイン変更や新たな偽造防止対策が導入されるだけでなく、一万円札・五千円札・千円札の象徴である人物も変更されます。
新しい一万円札・五千円札・千円札の人物について軽く紹介します。
渋沢栄一(新一万円札)
日本初の銀行である第一国立銀行をはじめ、多種多様な会社や団体の設立に関わり、「日本の資本主義の父」と呼ばれています。津田梅子(新五千円札)
日本で最初の女性留学生の一人で、津田塾大学を創設。日本における女性教育の先駆者として評価されています。北里柴三郎(新千円札)
世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功し、血清療法を開発した細菌学者。「近代日本医学の父」として知られています。
もし新紙幣のピン札や新札が手に入った場合は、ご祝儀に備えて取っておくのもいいかもしれません。
ご祝儀にはピン札(新札・新券)を入手して、真心を贈りましょう!
慶事にピン札や新札を用意することは、相手を祝うことを心待ちにしている、心からおめでたいと思っているなどの意思表示でもあります。
今後ご祝儀を渡す機会があるときは、相手を祝う気持ちを込めてピン札や新札を用意しましょう。確実に、そして少ない手間で入手するためにも、余裕を持って準備するようにしましょうね。