牛丼チェーンの吉野家が、この春もまた鶏肉を使った新メニューの販売を開始する。

吉野家は昨春にも“約10年をかけて開発した”という親子丼を販売し、大きな注目を集めた。この春、新たに登場するのは親子丼ではなく、「焦がしねぎ焼き鳥丼」である。

ん? なんて? 親子丼はわかるけど、「焦がしねぎ焼き鳥丼」というのは一体どんな料理なのか、名前だけではイマイチよくわからんぞ……ということで、一足先に実食してきたので、さっそくその詳細をお伝えしたい。

先に結論をお伝えすると、こいつは必食だ!

こってり濃厚でガツンとウマい! 「焦がしねぎ焼き鳥丼」を実食

昨年の4月に登場し、大いに話題となった吉野家の親子丼。当然、社内では今年も再販が検討されたが、鳥インフルエンザの拡大による鶏卵不足の影響で見送らざるを得なかったのだという。その代打として、4月17日から販売スタートとなるのがこの「焦がしねぎ焼き鳥丼」だ。

いや、代打と言ってはあまりに失礼だろう。なぜなら、親子丼に勝るとも劣らないクオリティだからである。どちらも最高なんだけど、例えるなら親子丼がダルビッシュで、焦がしねぎ焼き鳥丼が大谷翔平といったところか。あっ、代打だと言っているのに投手で例えるだなんておかしな話か……って何の話だ。

気を取り直して、さっそく実物をご覧いただこう。

出ました、焦がしねぎ焼き鳥丼。実はこの時点ですでに“見た目”以外にも大きな魅力を放ちまくっているのだが、さすがに写真からは伝わらないだろう。その魅力とは、バター醤油とにんにくの芳醇な香りである。

バターと醤油の相性の良さに今さら異論はないだろう。どんな食べ物だってバター醤油をかければ大概ウマくなっちゃうんだから。そこにさらににんにくが加われば、もはや付け入る隙などあろうはずもない。

実際に食べてみると、とにかくパンチ力がスゴい! 脳に“ガツン!!”と来るし、これはマジでウマい!

鶏肉は柔らかくてジューシーで、やや焦げた風味のあるにんにくバター醤油の味がしっかりと乗り移っている。これは結構惜しみなくバターを使用しているんじゃないかな。バターの深いコクと甘みがすごく力強く感じられるし、それに負けじと主張するにんにくの風味もハンパじゃない。これはちょっとジャンク好きとしては笑ってしまうほどウマいゾ。

また、脇役と思われがちな長ネギがかなりいい役目を忘れてはならない。ネギのすっきりとした風味とシャキシャキ食感のおかげで、こってり濃厚な焼き鳥丼に爽やかな風が吹き込み、口の中をかなりフレッシュにリセットしてくれるのだ。

作り方に関して吉野家の中の人に聞いてみると、まずは高温に熱した油で長ネギを香ばしくなるまで炒め、長ネギの香りを抽出。そのネギ油で鶏肉を焼き上げ、特製のにんにく醤油だれで炒め合わせるという。ご飯の上にそれらを盛り付けたら、仕上げに青ネギのスライスを添えて完成だ。最初から最後まで徹底的にネギが活躍していることがよくわかる。食欲を刺激する焦げた風味も、多くはネギから発せられているのかもしれない。

だが、やっぱりとにかくこのタレの味付けが何にも増してウマい。もちろん、このタレには鶏肉やネギのエキスも滲み出ているのだろうけど、それとバター、にんにく、醤油をフライパンで熱して凝縮させたこのタレはもはや“ご飯泥棒”としか言いようがない。ルパンなど生易しく感じるレベルの大泥棒である。

親子丼も美味しかったが、この焦がしねぎ焼き鳥丼も本当に美味しいので、「油っこいものはNGです」というのでなければ、ぜひ一度味わってみてほしい。焦がしねぎ焼き鳥丼は期間限定メニューで、厳密な終了時期は今のところ示されていないが、昨年の親子丼は約2ヶ月半で販売終了となったことを考えると、あまり悠長に構えている余裕はなさそうだ。

吉野家の第二の柱は鶏肉メニュー? まもなく「から揚げ祭り」開幕!

ちなみに近年、吉野家は牛丼に次ぐ第二の柱として鶏肉メニューにかなり力を入れているようだ。

親子丼の開発に10年以上の月日を費やしたのは先述のとおりだが、吉野家はもともとから揚げメニューも豊富で、「から揚げ丼」「ねぎ塩から揚げ丼」「油淋鶏から揚げ丼」「タルタル南蛮から揚げ丼」といったメニューがラインナップしている(各種定食もあり)。ただし、都心部の吉野家では店舗面積が限られている都合上、から揚げメニューを提供していない店も多く、認知度は必ずしも高くないかもしれない。

ただ、できるなら都心部の人にも吉野家のから揚げは味わってみてほしい。めちゃくちゃジューシーだし、衣は程よく薄めでサクッとした食感を楽しむことができる。まさに専門店レベルの仕上がりである。

ちなみに、5月8日からは「から揚げ祭り」が開催される予定で、この期間は店内飲食&テイクアウトともにすべてのから揚げ商品を10%オフで味わうことができる。から揚げ祭りは5月いっぱい開催されるようなので、ぜひこの機会に吉野家の鶏肉にかける情熱に触れてみよう。

まずはまもなく販売開始となる焦がしねぎ焼き鳥丼、ご賞味あれ!