東京国立博物館では10月11日(水)から、四大絵巻、神護寺三像、三大装飾経、国宝≪日月四季山水図屛風(大阪・金剛寺蔵)≫など、約240件を集めた特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」を開催する。先ごろ行われた報道発表会では、東京国立博物館 副館長が、平安以降の貴族たちの装束「衣冠(いかん)」をまとって登場し、特別展のみどころを語った。

  • 貴族が朝廷に出仕するときの装束・衣冠(いかん)姿の東京国立博物館 副館長 富田淳さん(右)と、貴族の普段着・直衣(のうし)姿の学芸研究部調査研究課 絵画・彫刻室長 土屋貴裕さん(左)

平安時代前期に成立し、1,000年以上にわたって、さまざまな変化を遂げながら描き継がれてきた「やまと絵」。優美、繊細といったイメージで語られることが多いが、実はそれぞれの時代の最先端のモードを貪欲に取り込みながら、人びとを驚かせ続けてきた、極めて開明的で野心的な主題でもあったという。

本展では、日本絵巻史上最高傑作として名高い「四大絵巻」(≪源氏物語絵巻≫、≪信貴山縁起絵巻≫、≪伴大納言絵巻≫、≪鳥獣戯画≫/すべて国宝)が30年ぶりに集結する(10月11日~22日まで)。また「神護寺三像」や「三大装飾経」、さらに重要文化財≪浜松図屛風≫(東京国立博物館蔵)、国宝≪日月四季山水図屛風≫(大阪・金剛寺蔵、展示期間11月7日~12月3日)など、“日本美術の教科書”的作品が、入れ替わりでおめみえする。特に平安時代から室町時代の作品を精選した約240件のうち国宝、重要文化財が7割とあって、超豪華な展示内容が期待を集めている。

期間は10月11日(水)から12月3日(日)まで、東京国立博物館 平成館にて開催。※会期中、一部作品の展示替えおよび巻替えあり。