「木材を使ったケーキ」と「竹から生まれたガレット」ーー。美味しく食べつつ環境問題の解決に一肌脱げちゃうSDGsなスイーツを実食レビューしていきます。それにしても味の想像がぜんぜんつかないぞ。
社会問題や環境問題を引き起こす素材を「食べて」解決してしまおう! という、LIFULL(ライフル)の「地球料理 -Earth Cuisine-」というプロジェクトから生まれた驚きのスイーツ。今回紹介する「EATREE CAKE」は間伐材(※1)を、「Bamboo Galette」は放置竹林(※2)を、それぞれ材料として用いたお菓子なのだそうです。
木材ってそもそも食べれるものなの? 竹ってあのパンダが食べてるやつ? と頭の中をクエスチョンマークが行ったり来たりしますが、一方でなかなか食べられない食材でもありますし、どんな味なんだろうとワクワクしてきますね! ということで早速、食べていきましょう〜。
EATREE CAKE - 木から生まれたケーキ -
まずは、木から生まれた「EATREE CAKE」からいってみましょう。こちらはバニラとレモン風味を効かせたパウンドケーキで、杉の木の間伐材をパウダー状にした粉末が入っているのだそうです。杉の木を食べる……。まだ実感がわかないけど、価格は通販サイトで購入すると3,670円です。
箱から取り出してみると、木片を想起させる濃い茶色のパウンドケーキがお目見え。上部に粉状のものが振りかけられていますね。香りを嗅いでみると、かすかにレモンのような風味が感じられます。
食べてみますと……ぐぬぬぬっ! なんだこれは! 食べた瞬間から強めの「木」の味。噛めば噛むほど杉パウダーがさらに主張を強めていく……。基本的には柔らかくてしっとりしたパウンドケーキなのですが、味が「木」なので脳が混乱してきますね。甘い木材を食べているような感覚が斬新すぎる!
Bamboo Galette -竹害から生まれたガレット-
続いては、竹から生まれた「Bamboo Galette」。こちらは福岡県にある放置竹林の竹と笹を約24%使用したガレットとのことで、バターとアクセントに笹塩・柚子を合わせています。通販で購入すると価格は1,290円。ボックスも竹を意識したデザインでおもしろいですね。
箱から取り出してみますと、こちらも竹のような濃い緑色のガレットが5つ登場。まるで苔むした自然物のようにも見えて高級感があります。コロコロとしていて食べやすそうですね。どんな味なんだろう……。
食べてみまますと……やややや? こちらは先ほどのパウンドケーキと違って、「竹」や「笹」が強く主張してきません。サクサクと食べられるちょうどよいバター風味のガレットという食べ心地で、何も言われずに出されたら、なんの疑問もなくいただけてしまいそうな勢いです。
新感覚すぎる食体験が強烈!
木の味が強烈な「EATREE CAKE」と、食べやすい印象の「Bamboo Galette」。せっかく普段食べる機会があまりない食材ですから、しっかりとその味を楽みたい人には「EATREE CAKE」が個人的にはおすすめ。とはいえクセが強すぎるのはちょっと……という場合は「Bamboo Galette」もアリだ!
筆者の個人的な好みは……甲乙つけがたいですが、間伐材を使用した「EATREE CAKE」を選びたいと思います。
「人間はついに木や竹をおいしく食べられるまでになったのか」と驚きとともに感動できてしまうかもしれないこちらのスイーツ。他にも「カカオの廃材をつかったチョコレート」や「コーヒー廃材をつかったシロップ」などがあるそうなので、機会があればぜひ味わってみたいと思います。
※1 森林で密集化する立木を間引く過程で発生する木材
※2 たけのこ栽培などのために植えられたがその後放置された竹林