紳士服販売チェーン「洋服の青山」などを展開する青山商事は、オーダースーツ専門店「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」の旗艦店となる銀座本店、新宿本店を3月1日と3月8日にそれぞれオープンした。
新宿本店には3月8日のオープンを記念し、スーツ愛好家としても知られるフォトグラファー・長山一樹さんが来店。長山さんへのインタビューを行い、オーダースーツの魅力などをうかがった。
自分だけのスーツをつくる喜び
高品質のスーツ、ジャケットやシャツなど、オーダースーツを手軽な価格で提供する「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」。専属スタイリストによるきめ細かな接客で、来店客に最も似合いフィットする組み合わせをセレクトすることができ、現在、単独店を全国で8店舗(※2023年2月末時点)展開している。
新宿本店のオープン日となった8日には、1万1,000円以上の買い物をした人への限定特典として、長山一樹さんによるポートレート撮影を無料で実施。長山さんはファッションやアーティスト撮影など、フォトグラファーとして第一線で活躍する一方、オーダースーツの愛好家として知られる。
「もともとセットアップやシャツを合わせるスタイルが好きで、その延長でスーツスタイルには興味がありました。初めてオーダースーツをつくってみたのは6〜7年前。サイズを合わせたり、生地を選んだり、自分だけのオリジナルのスーツをつくっていく過程が非常に楽しくて、ハマっていきました」
シーズンごとに7〜10着ほどのバリエーションを揃え、現在は30着弱のオーダースーツを所有しているという。
「春秋は同じような生地の厚さなので3シーズンぐらいで考えていて、最初の頃はオーダーしてでき上がったらすぐ次のオーダーという感じで、かなりハイペースでつくっていました。いまは1週間の中で7着ほどのスタメンのスーツを順番に着ていくようなかたちで、ラインナップが少し充実してきたので、オーダーは半年に1〜2着ほど。とはいえ、けっこうなペースでオーダーしていますね(笑)」
オーダースーツを着ることでライフスタイルも洗練されていく
「ごはんを食べるにしても仕事の打ち合わせをするにしても、スーツを着ている人と着ていない人で選択がすべて変わってくるのが、おもしろいなと思いましたね。お店選びや日々の生活って身なりの影響を意外と受けているなと。オーダースーツを着ることでライフスタイルも洗練されていって、良い変化だったなと思います」と、オーダースーツの魅力を語る長山さん。
オーダースーツには「ビスポーク」(顧客と担当する職人との話し合いから作られる完全注文)と、「パターンオーダー」(ベースとなる型紙に合わせて個別に調整していく注文)の大きく2種類がある。
「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」が取り扱うのはパターンオーダーで、メリットとしては納期が早く、価格も比較的手頃なことなどが挙げられる。長山さんもそれぞれで違った楽しみ方をしているようだ。
「4年前からビスポークもやるようになったんですが、最初にパターンオーダーでつくったスーツは今も普通に着ています。ビスポークでしかできないこともあるので、ビスポークはやっぱり気合い入れてつくるんですが、パターンオーダーならよりライトな感覚で遊びの要素も入れながらスーツをつくりやすいのが魅力だと思います」
長山さん曰く「オーダースーツは完全にディテールとテクスチャーの世界」とのことで、その趣味性の高さを語った。
「僕はヴィンテージ好きだから、完成したピカピカのオーダースーツを受け取った直後は、これをずっと着続けるのかな? って、わりと半信半疑なんです。でも、着ているうちにどんどん自分の身体に馴染んでいくし、次は股上の深さとか着丈とか、もっとこうしようみたいな気づきもある。そうやって他の人からしたら全然気づかないような微調整を繰り返しながら、1着ずつ育てるのがおもしろくて今に至っています」
昨今はだいぶビジネスウェアの着こなしも多様化しているようだが、着古した味わいもオリジナリティがあるオーダースーツならではの価値、既製品にはない魅力と言えるかもしれない。
「個人的には着込んでいるスーツのほうが、 "頑張っている感"があまりなくて好きなんですよね。なのでお仕事柄、相手に対するマナーとしてピシっとしたスーツスタイルをされている方の感覚とは、少しズレていると思うんですけど。僕みたいなスーツの着方もおもしろがってくださる方が、やはり周りでも最近は増えてきている印象です」
「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」は圧倒的に価格が手頃で納期も早い
「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」の新店舗の出店には、ビジネスカジュアルや機能的なセットアップスーツを取り入れるなど、スーツスタイルの選択肢の拡大も背景にはあるという。
重厚でラグジュアリーな雰囲気が漂う銀座本店に対し、新宿本店の店舗はよりカジュアルに立ち寄りやすい店づくりが特徴だ。
「大手量販店のオーダースーツって、僕もビジネスパーソン向けのイメージが強く、実は今まであまり足が向かなかったんです。やはり、僕は職種的に明確な理由や目的があってスーツを着ているわけではないのでターゲットが違う気がして。あくまで趣味の一環でスーツを楽しんでいる自分が求めるような振り幅もないんじゃないかな? とも勝手に思っていました。でも今回の話をいただき、いろいろとお話をうかがうと、『パターンオーダーなのに、そこまでできるの?』というのが率直な感想でしたね」
「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」ではイギリスやイタリアなど、インポートの伝統的な生地ブランドも選べる。ディテールのこだわりも反映させやすいことに加えて、生地やディテールの選択で予算に合わせた調整もしやすいという。
「生地にもよりますが、僕の過去につくったようなスーツでも半分くらいの価格でオーダーできるようなものもあって、圧倒的に価格が手頃です。しかも、納期がめちゃくちゃ早い。国産でも普通は3カ月くらい待つようなハンドメイドのスーツが1カ月くらいでできるので、本当に驚きしました。他のスーツ屋さんからしたら、正直もう恐ろしいくらいだと思います(笑)」
「ユニバーサルランゲージ メジャーズ」におけるパターンオーダーの選択肢は100万通りとのことで、新宿本店は、同ブランドで唯一、女性専用のオーダーコーナーを設けた。価格はメンズスーツとレディススーツともに1着4万2,900円~。スーツの着用回数も少なくなったからこそ自分のこだわりを取り入れられるオーダースーツへの注目は、今後も幅広い層で高まっていきそうだ。