お金はないよりはあった方が良いはずで、誰しもお金持ちになりたいとは思っているでしょう。でもその「お金持ち」とはどのようなイメージでしょうか。ビル・ゲイツになりたいと本気で考えている方は、めったにいないでしょう。たとえビル・ゲイツ自身に秘訣を語ってもらったとしても、そうそうなれるものではありません。
結局は「お金持ちになりたい」ということの多くは、将来的にお金の不安なく過ごせるという安心を得たいのではないかと思います。
●自分が考える「お金持ち」になれていない理由を考えよう
~1.お金持ちはどこかでそれなりの努力している~
昔から将来の安心を得るための王道として言われているのが、「一生懸命勉強して」、「良い大学に行って」、「良い会社に就職する」……という出世コースです。その最も簡単に方法にたどり着けなかったとしたら、それはどうしてでしょう。「勉強しなかった?」、「入試に失敗した?」、「就職に失敗した?」、「会社でうまくいかなかった?」「そもそもそこを目指していなかった」……など、いろいろ考えられます。どこかで怠慢であったことが理由なら、お金持ちになるには、怠けた分を上乗せして頑張らなくてはならないでしょう。
つまり、安心感を得るには努力が不可欠なのです。自分が考える「お金持ち」という到達点をイメージし、ひたすら努力するしかありません。現在出世コースに乗っていても不安がある場合は、その理由を探って解決に向けて努力するしかありません。
●安定コースに乗ったら安心?
~2.常にリスクを意識して備える~
仕事上、自治体の担当者と話す機会があります。公務員であれば一応の「安心感」は手に入れていると周囲は思います。しかし、公務員は副業ができません。給与の枠からは広がらないのです。自治体によっても違うかもしれませんが、「〇〇世帯以内のアパート経営」等、認められる副業の範囲はあるらしく、若い世代はその範囲内で、なんとか枠を広げようと考えるようです。
また大企業の方とも仕事をすることがありますが、たとえ大企業に就職できたとしても、安心とは言えません。リストラにあったケースを目にすることも稀ではありません。大企業で過ごしてきた人材は、事業の中枢にかかわる一部の有能な人材を除いて、放り出されるとつぶしが利きません。今の時代、大企業に就職できたとしても、必ずしも安心できるものではないのです。
安定した専業主婦でも、安定した企業に就職しても、常にスキルアップに努めて、万一に備えることが大切でしよう。
●人生設計が大切
~3.目標設定と行動計画が安心(=自分が考えるお金持ち)につながる~
以前にもご紹介しましたが、FPの研修の中でアメリカのビッグビジネスの創業者の半数以上は自室の壁に目標を張り出していたことを学びました。私が今まで働いてきた各会社でも、一様に上司から生活設計の大切さを説かれてきました。ファイナンシャルプランナーのための研修を受けるようになり、今まで言われてきたことが、すとんと腑に落ちました。自分がなりたい状況をしっかり把握し、そのためには今何をすべきか、5年後はどうあるべきかを考えて実行することが、お金持ち(自分がイメージする)になる近道なはずです。
下図は人生設計を具体化するための生涯収支表(ライフプランニングシート)です。目標(=下図のイベント欄)は人さまざまです。50歳までにFIRE(早期リタイア)したい……というケースもあるでしょう。50歳の欄にリタイアと書いて、その後の収支が成り立つかを検証すれば良いのです。成り立たなければ、今から対策を考え、改善していくことができます。
●健康・集中力と持久力・時間の使い方が決め手
~4.効率を意識するかしないかは大きな違い~
健康
子供のころから偶然なのですが、不思議と何か始めようとするとドクターストップがかかったり病気になったりで、残念な思いをしてきました。健康は目的遂行のためには最重要です。
時間の使い方
結果を競う仕事をしていると、時間の使い方の良し悪しが成果に直結します。ある時、勤務中の業務内容を30分単位で細かく書き出してみました。同時にいくつもの案件を扱いますので、1日の業務はいろいろ入り乱れます。一週間も続けてみると、自分の癖や改善点などが浮かび上がってきます。
集中力と持久力
何かを習得・獲得する時に、この二つの有無の違いは決定的です。年と共に集中力や持久力は衰えます。目標達成には若いほど有利でしょう。時間の有効活用と共に時間の密度も重要です。集中力や持久力の差は思いの強さに影響されます。自分が考えるお金持ちに本当になりたいと思うのかどうかも振り返ってみて下さい。ただ漫然と「お金持ちになりたい」では、集中力も持久力も付いてきません。お金持ちは、お金持ちになりたいと考える前に情熱を持って行動し始めているのではないでしょうか。
●ネットワークを作ろう
~5.人脈は最大の財産~
一生懸命に物事に取り組んでいる人には、必ず応援してくれる人が現れるものです。そうでない人に誰が応援してくれると思いますか? 起業している方だけでなく、社内でも同様です。あるプロジェクトを任されたとします。メンバー間のコミュニケーション、周りの協力、各部署への根回し、要所々々の応援など、その良し悪しは成果に大きく影響します。世の中の全てはネットワークで成り立っています。自分をアピールし、優良な人脈作りは仕事の成果に結びつきます。将来の安心にも間違いなく結びつくでしょう。