「プリパラ&キラッとプリ☆チャン&ワッチャプリマジ! Winter Live 2022」が12月4日、幕張メッセイベントホールにて開催。『プリティーシリーズ』恒例・冬の大型ライブに、今回は『プリパラ』『キラッとプリ☆チャン』『ワッチャプリマジ!』のアイドルが集結。総勢41名もの出演者が、初披露曲も含めた全35曲を、それぞれの個性をきらめかせながら会場中のファンや配信視聴者へと届けてくれた。本稿では昼夜2公演のうち、昼の部の模様をお届けする。

●3タイトルのアイドルたちが一堂に会する夢のステージが、今年も開幕

●序盤から遠慮一切なし! 息つく間もなく繰り出される名曲

まずはOPアーティストとしてRun Girls, Run!と鈴木杏奈が、ともにシリーズの1st OPテーマを披露。Run Girls, Run!は「キラッとスタート」をエネルギッシュさやキュートさを前面に出しつつ、フォーメーションチェンジの際には狭い部分をスムーズに抜けていくというチームワークやテクニックも含めて1曲を通して魅せていく。一方、鈴木杏奈は「Dreaming Sound」で、持ち前のパワフルな歌声で魅了。大会場いっぱいに広がっていくスケールの大きなボーカルが、観客を惹き込みつつさらにボルテージを高めていく。

こうしてそれぞれ異なるアングルからの圧倒的なパワーをもって2組のアーティストが華々しく冬の祭典の幕開けを飾ると、アイドルと出演者を紹介するOP映像に続いてミラクル☆キラッツ(林鼓子・久保田未夢・厚木那奈美)がセンターステージに登場。狭めのスペースもなんのその、コンビネーションバッチリにハイテンポなナンバー「ミラクルコースター」を賑やかにキュートに魅せていく。

この後も序盤は、NonSugar(田中美海・大森日雅・山下七海)による「リザーブ・ザ・リバース!」やしゅうか(朝日奈丸佳)の「Miss.プリオネア」など明るさやきらびやかさの立つ曲が続くと、センターステージにファララ(佐藤あずさ)が立ち「サンシャイン・ベル」を披露。1コーラス歌ったところでメインステージにガァララ(黒沢ともよ)が登場して、対をなすふたりのソロ曲が組み合わさる「リンリン♪がぁらふぁらんど」へと展開。曲調に合ったポンポン跳ねる振付でありながら、そこに佐藤はしとやかさを、黒沢は天真爛漫さをにじませる。サビでもピッタリ揃えたり対になったりと、”このふたりにみせてほしいステージ”が、久々に具現化されたような形だ。

そんな雰囲気をガラリと変えたのは、メルティックスター(芹澤優・若井友希・森嶋優花)の「Merry Merry Fantasia!」。少しオトナさのあるハードなEDMを、この3人ならではの王者感をもった力強いダンスとともに表現することで、ライブは”魅せていく”楽曲ゾーンへと突入する。その流れを決定づけたのは、そのままステージに残ったあんな(芹澤)の「ヒロインズドラマ」だろう。

ひとりトロッコに乗り込んで、観客・ファン一人ひとりに視線を配りながら、まさにヒロインとして歌詞どおりに全ての観客のハートを撃ち抜く。さらにひびき(斎賀みつき)による「嘘つきはTomorrowの始まり」もまた、ショーのように観客を魅了していく。その空気をいい意味でぶち壊してくれたのが、マリオ(橘龍丸)の「チョコレートアイスクリーム・トルネード」。

ポップアップでステージに”乱入”した彼は、刺々しく荒々しい歌声を叩きつけつつ、ジャンプしての回し蹴りも繰り出したりと、まさに作中のマリオのようにステージを荒らしまくってくれた。さらに、続くあまり(飯田里穂)の「カオティックハリケーン」もエモーショナルさを歌声とシャープなダンスに乗せて、場内に緑のハリケーンを巻き起こす。

ここであろま(渡部優衣)とガァルル(真田アサミ)が登場し、「前回のライブで欠席だったあろま(牧野由依)を召喚する」ために観客とともにクラップを響かせ、無事あろまをステージに”召喚”。定番曲「アメイジング・キャッスル」を披露する。

実は前述の召喚のクラップは、この曲の落ちサビのリズムと同一のもの。いつの間にか”クラップ講座”を受けていた観客と再度クラップを響かせ、会場にさらなる一体感をもたらした。

さらに”ダーク”繋がりでDARK NIGHTMARE(河合健太郎・鵜澤正太郎)が登場し、「We're never ever」を披露。イントロではハードなロックサウンドに合わせてダンスをキメたかと思えば、Aメロでは美しいハーモニーを響かせ、このふたりの多面的な魅力を改めて提示していった。

その”ダーク”な世界に光を与えるかのような存在だったのが、だいあ(佐々木李子)による「フレンドパスワード」。トロッコに乗っての歌唱となったこの曲では、振付よりも手を振るなど観客とのコミュニケーションを通じて”つながる”ことを優先していた印象。その魅せ方と大きく広がる歌声で、会場中を包み込んでいく。

●『プリマジ』デュオ曲の初披露とあの”チーム”の新曲が会場を沸かせた中盤戦

だいあが登場してからは、しばし『プリ☆チャン』ゾーン。リングマリィ(茜屋日海夏・徳井青空)が各々のかわいさ・かっこよさを引き立て合うパフォーマンスで「インディビジュアル・ジュエル」を魅せれば、トロッコに乗って客席後方通路に登場したアリス(ファイルーズあい)は、サンバ調の「sunshine smiles」で明るい歌声を響かせつつ観客を巻き込みながらセンターステージへ。

到着すると、メインステージにはイブ(指出毬亜)が登場して、「アドリブ・デスティニー」を披露。ふたり離れたところから曲が始まり、いざサビで合流すればジャンプのタイミングなど息ピッタリのステージをみせるという流れは、まさにこのふたりのストーリーをほうふつとさせるものだった。

そしてここからは初披露楽曲が立て続けに登場。まず、ミラクルスター(林・久保田・厚木・芹澤・若井・森嶋)がアニメEDとしても用いられた「One Heart」を歌唱。曲調に添ってしっとり歌いながら、全員がセンターステージへと向かう際には、森嶋が跳ねたり紫のペンライトに嬉しそうな反応をしたりと、めるのキャラ性がはっきり見えるパフォーマンスだった点が印象的。

続けて登場したTricolore(斎賀・赤﨑千夏・佐藤)は、なんとサプライズで新曲「L'amour en Tricolore ~ラムール・アン・トリコロール~」を披露! ファルル(赤﨑)とふわり(佐藤)のイノセントな歌声を、ひびき(斎賀)の歌声が締めるという絶妙なバランスの生きるジャジーでオトナ感のある楽曲で、パフォーマンスも含め実にTricoloreらしいショーのような時間を届けてくれた。

その余韻が残るなかスクリーンには9つの魔法陣が浮かび、『ワッチャプリマジ!』ゾーンへ突入。ここからは4曲連続で、デュオ曲が次々初披露されていく。そのトップを飾った「Don't be Afraid」では、橙真(梶原岳人)・ひゅーい(田丸篤志)がそれぞれトロッコに乗って登場。

爽やかでキラッキラの歌声を振りまき、終盤ではメインステージで楽曲にマッチするスタイリッシュなダンスも織り交ぜて魅せきると、センターステージにまつり(廣瀬千夏)とあうる(藤寺美徳)が登場して「奇跡の降る」へ。このデュオもまた、個性を際立たせつつ息を合わせたパフォーマンスという、作中の関係性の見えるステージが大きな魅力。

ステージではまつりはスピンの美しさが特に映え、あうるはリズムを的確に捉えたパフォーマンスで目を引く。また中盤以降トロッコに乗ってからも、まつりは跳ねて観客へ手を振り続け、あうるは微笑みながら振付もなぞったりと、その魅力を変えずに放ちながら届けていった。

続くひな(内田彩)とあまね(庄司宇芽香)は、「天頂のコンフィアンサ」を一体となった姿で魅せる。登場するやいなや、ふたりの歌声からもダンスからも情熱がほとばしる。また、サビの「一体となって乗り越えた」のフレーズと同時にひながあまねのトロッコに移ったり、ステージに到着した際にはあまねがひなをエスコートするように手を取ったりと、ダンス以外の視覚面にもこだわり抜かれた1曲だったように思う。

逆にみるき(相良茉優)とれもん(鈴木)による「Sweetness×Darkness」は、楽曲どおりにそれぞれの個性を薄めずそのままかけ合わせて披露。れもんは堂々と歌いパフォーマンスし、みるきは楽曲後半でのトロッコの振る舞いも含めファンサなどで惹きつけに惹きつける。だが揃えるべきポイントはピタリと揃えており、各々のパフォーマンスの質も高く、散漫なステージという印象を与えない点は非常に素晴らしいポイントなのではないだろうか。

●初披露曲から鉄板曲まで、クライマックスに向けて一直線に盛り上がる会場

●待望の、ジェニファー登場! 圧巻のステージングで観客を魅了

こうしてデュオ曲ゾーンを経て、リフトアップでジェニファー(青野)がステージに登場。自身にとっても観客にとっても待望のこの舞台は、「Lux Aeterna」からスタート。切れ味鋭いダンスも交えながら、会場全体を飲み込むような迫力をもった歌声を響かせる、まさにジェニファーらしいステージを展開。

後半では作中同様にオレンジに輝くサーベルも用いたパフォーマンスも織り交ぜて、観客の心を熱く燃やしていく。歌唱後には、かつてジェニファーのパートナーだったマナマナ(=魔法使い)のリューメ(CV:羊宮妃那)からの声と生で掛け合ってから、もう1曲の持ち歌「Believe」へ。圧倒的なボーカル力はそのままに、今度は世界を燃やし尽くすためではなく、世界に光を与えるような神々しさをもった歌声を場内いっぱいに広げて観客を魅了していった。

ここで一旦プリマジスタたちによるライブの振り返りトークや、『ワッチャプリマジ!』の楽曲を収録したアルバムが2023年3月下旬に発売されることなどの発表を挟み、ライブはらぁら(茜屋)とみれぃ(芹澤)がキュートに魅せる「ま~ぶるMake up a-ha-ha!」からラストスパートへ。

さらにらぁらとゆい(伊達朱里紗)の「ブランニュー・ハピネス!」、ゆい・にの(大地葉)・みちる(山田唯菜)のMY☆DREAMによる「ピュア・ハート・カレンダー」とリレーするように畳み掛けていく。また、ゴーゴー!マスコッツ(山下・大森・田中)による「おやくそくセンセーション」と、ソルル(斎賀)とルルナ(山村響)による「Awakening Light」の2曲での『プリ☆チャン』の”マスコット”リレーもそれに続き、クライマックスに向けて会場をさらに盛り上げていく。

●2022年を締めくくるのは、ゴッドアイドルと神アイドル!

そして、あうるを加えた6人バージョンでの「ワッチャ!プリーズ!マジック! -What's your "Please" Magic?-」の初披露や、ブランニュー☆ガールズ(林・厚木・森嶋)による「Brand New Girls」といった定番かつ鉄板曲を経て、『プリパラ』の2チームが飾るラスト2曲へ。

まずはDressingPafe(山北早紀・澁谷梓希・若井)が、「Breaking Bloom!!!」を引っさげて登場。今年4月開催の単独ライブイベントでしか披露されていなかったこの曲は、非常に重いサウンドのロックナンバー。元々ロック調の楽曲も持ち歌の中にあった3人ではあるが、かつてないほどにヘヴィな楽曲に、驚きと喜びを感じた観客も多かったのではないだろうか。

ボーカルとダンスのクオリティの高さを発揮しながら、3人が各々アイドルとして生き生きとしている姿が、作中でも語られた"絶妙なバランスの上で成り立っている"という言葉を体現するかのようなステージだった。 それに続き、アイドルごとの楽曲披露のラストを飾れるのは、やはりSoLaMi SMILE(茜屋・芹澤・久保田)しかいないだろう。彼女たちが披露したのは、『アイドルランドプリパラ』のOPテーマ「OPEN DREAM LAND!」。

スピンしながらトライアングルのフォーメーションへと移り変わるサビ前や、サビ前に歌唱しながらナチュラルに前後列を入れ替えたりと、切れ味以外にも振付のそこかしこに見せ場が隠れているのがこの曲。特にDメロでチーム結成の儀式のフォーメーションをとり、歌詞中「プリパラ」の「ラ」でプリチケをパキって大サビに突入するという部分は、『プリパラ』ファンなら何度見ても胸を熱くすることだろう。

最後に、この日出演のアイドルがステージ上に勢揃い。代表者がこの日集まってくれたファンや配信視聴者への感謝の言葉や、「まだまだ見たい景色があります(庄司)」など未来への希望も交えた挨拶を届けると、全員で『プリパラ』1st OP「Make it!」を披露。

SoLaMi SMILEとDressingPafeはトロッコに乗り歌いながら会場中のファンの近くをぐるり一周し、ステージ上のアイドルたちでは配信や場内スクリーン用のカメラを見つけてはしゃいでみたりと、会場全体が楽しく盛り上がりに盛り上がって、ライブは幕を下ろした。

こうして毎年恒例となった、『プリティーシリーズ』冬の大型ライブはこれにて終幕。この11月からは『ワッチャプリマジ!』の新プロジェクト「ワッチャプリマジスタジオ」がスタートし、ライブ中にはいよいよ『アイドルランドプリパラ』が2023年春スタート予定であることもアナウンス。

これまでの歩みも大事にしながら、新しいものもさらに積み上げ続け、これからも『プリティーシリーズ』は老若男女を問わず、夢と笑顔を与え続けてくれる。そんな予感も感じられるライブとなった。

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