東京商工リサーチは12月7日、「新型コロナウイルス」関連破たん状況(12月7日16時現在)を発表した。それによると、新型コロナ関連経営破たんは、負債1,000万円未満も含めると全国で累計4,918件に上り、年内にも5,000件を超える見通しとなった。
コロナ破たん、「さらに増勢をたどる可能性」
負債1,000万円以上の新型コロナ関連経営破たんは、累計4,676件(倒産4,519件、弁護士一任・準備中157件)だった。
2021年のコロナ関連破たん年間件数は1,718件で、2020年(843件)の2倍に増加。2022年は11月までに2,039件と、すでに前年1年間を大幅に上回っており、12月も7日現在で76件と高い水準が続いている。
都道府県別にみると、10~20件未満は2県、20~50件未満は21県、50件以上100件未満は12府県、100件以上は12都道府県に拡大。最も多いのは東京都の983件で全体の2割強(構成比21.0%)を占め、次いで大阪府468件、福岡県230件、愛知県229件、神奈川県209件となった。
業種別では、来店客の減少や休業要請などが響いた飲食業が732件で最多。以下、建設業が524件、アパレル関連(製造、販売)が341件、飲食料品卸売業が205件、宿泊業が159件と続いた。
同調査では、「コロナ関連融資は据え置き期間が終了し、返済開始が本格化しつつある。企業には返済原資を賄うだけの収益力の回復が求められ、資金繰り支援の副作用として生じた過剰債務にどう対処するか、課題となっている。こうしたなかで、円安進行による資材高や物価高、人手不足でのコストアップが過剰債務に陥った企業に追い打ちをかけ、コロナ関連破たんはさらに増勢をたどる可能性が高まっている」と分析している。