クリスマスが近づき、街でもイルミネーションや飾りつけが華やかになる時期です。ご自宅でもクリスマスの飾りつけを楽しむ方が多いことでしょう。クリスマスの飾りとして代表的なツリーやリースについて、飾る意味や起源をご紹介します。

クリスマスツリーの起源

クリスマスの飾りつけとして、クリスマスツリーを最初に思い浮かべる方も多いと思います。そんなクリスマスツリーの起源には諸説あります。

その1つに中世のヨーロッパが起源という説があります。中世ヨーロッパではクリスマスの夜に聖書の内容を模した劇が行われていました。その中の一節に、最初の人間であるアダムとイヴが「食べてはならない」とされた知恵の実を食べ、楽園を追い出されるシーンがあります。小道具として、知恵の実にはリンゴが用いられましたが、リンゴの木は冬になると葉を落としてしまいます。そこで、冬になっても葉を落とさないモミの木にリンゴの実をつるして、知恵の木に見立てたと言われています。

この知恵の木がやがて単体で飾られるようになり、クリスマスツリーになったという説です。現代のクリスマスツリーの飾りにも赤や金、銀のボールを飾りますが、これはリンゴの実が転じたものです。

クリスマスツリーの飾りの意味

リンゴの実が転じて飾るようになったボール以外の飾りにも、それぞれに意味があるとされています。

ツリーのてっぺんの星
星ツリーのてっぺんによく飾られる星は、ベツレヘムの星を表します。イエス・キリストはベツレヘムの馬小屋で生まれました。聖書によると、東方に住む3人の賢者が、西の空にそれまで見たこともない星が現れたことでキリストの誕生を知ったとされています。星の飾りは、この賢者を導いたとされる星を表しています。

ベルの飾り
ベルの飾りは、キリスト誕生を喜ぶ天使の鐘です。ベルには魔よけの意味もあります。

キャンディの杖
「キャンディケイン」とよばれる杖型の飾りは、キリストが人間を導くためのものです。

観葉植物をツリーにして楽しもう

フレッシュなグリーンをツリーとして、おうちで飾ってみてはいかがでしょう。

モミなど針葉樹のツリーはさわやかな香りが漂い、家にいて森林浴をしている気分になります。クリスマス時期になると、花店や園芸店でモミの木が根付きの鉢物として販売されているのでチェックしてみてください。

クリスマスツリーを置くほどのスペースがない場合、ヒバやスギなどを使って、ツリー風のアレンジメントをつくってみるのも楽しいでしょう。

吸水スポンジを円錐形にカットして土台を作り、切り分けたヒバなどをさしていくと小さなツリーができます。花店さんによっては、オーダーで作ってもらえることもあるので、聞いてみるのもおすすめです。

クリスマスリースの意味は?

リースとは、花や葉などで作られた装飾用の輪のことを言います。ローマ人が祭事の時に身に着ける冠として用いられたことが始まりと言われています。現代ではクリスマスの飾りつけとして広く親しまれています。

クリスマスリースを飾る理由は大きく分けて、4つあると言われています。

魔除け
クリスマスリースには、「魔除け」の意味があると言われています。玄関のドアに飾ることが多いというのも、この魔除けという意味が関係しているからだそう。

クリスマスリースに使用されるモミやヒイラギなどは常緑樹で、1年を通して葉を落とすことなく青々とした緑を楽しむことができる植物です。このことから強い生命力の象徴とされます。そしてこれらの常緑樹はその生命力から、魔物などの悪いものから身を守ってくれると信じられているそうです。

永遠の愛を表している
クリスマスリースは「永遠の愛」を表していると言われています。リースの輪の形は、始まりも終わりもないということになり、永遠のシンボルとされています。輪の形が持つ「永遠」という意味から、永遠に続く愛という意味が込められているそうです。

豊作祈願・新年祈願
クリスマスリースには、「豊作祈願・新年祈願」の意味もあると言われています。冬でも緑である常緑樹が、農作物が豊かであることを願っているそうです。そしてヒイラギの実や姫リンゴなどの赤い実が太陽、松かさが収穫・豊作を表し、新年が良い年であり、来年も豊作であることへの祈願が込められているようです。

ウェルカムの気持ちを込めて
クリスマスリースは、ウェルカムの気持ちを込めているとも言われています。玄関のドアに飾られることの多いクリスマスリースは、家に遊びに来た人がドアを開けるたびに、良い香りを漂わせてくれるのです。そのためクリスマスリースは、自宅に来てくれる友達や家族に対して、ウェルカムの気持ちを香りで表現しているとも言われています。

クリスマスリースの飾り方

クリスマスの時期になると、花店やホームセンターなどでクリスマスリースが売られています。造花でできたものもありますが、生花でできたものあります。

出来上がったリースを買ってくる以外に、自分でつくって飾ることもできます。土台となるリース台にモミ、ヒバ、コニファーなどの常緑樹をワイヤーで巻き付けていき、最後に好みの飾りやリボンを取り付けて完成させます。リースを作る際の束ねていく方向は、時計回りも反時計回りもありますが、一般的にはリースは時計回り(右回り)で作ると言われています。

リースは、輪という永遠に繋がっていくもの・線の循環であるところから「永遠」や「永遠の愛」の象徴とされています。そのため、「永遠に時を刻む」ということや、「時を逆方向に進めない」という意味を込めて、時計回りで束ねていくのが良いとされます。