ジーユーは、9月12日に「2022年秋冬ジーユー事業戦略発表会」を開催。コロナ禍や原材料の高騰など大きな変化を受けるなか、新たなニーズに応える戦略が発表された。

  • ジーユーは2022年秋冬のシーズン戦略を発表した

ウィズコロナ時代の新たなニーズに応えるジーユー5つの宣言

2022年秋冬シーズンのジーユーの戦略は「ウィズコロナ時代の新たなニーズに応えるジーユー5つの宣言」だ。ジーユー 代表取締役社長 柚木治氏より同宣言について説明が行われた。

  • ジーユー 代表取締役社長 柚木治氏

冒頭に、昨年秋冬~今年春夏の振り返りが行われた。今年の春夏とシーズンを通して提案したカラーアイテムは「着ていて気分が上がる」「カラーを身に着けると気持ちが明るくなる」とポジティブな意見が多く寄せられたという。またジェンダーレスに着こなせる商品も多く手に取られており、「ファッションを楽しみ自分らしく過ごしたい」という世の中のマインドの変化や気持ちの盛り上がりを実感しているという。

「ウィズコロナ時代に、世の中のあらゆることに対するニーズとマインドが変わってきています。この秋冬は5つの軸で『あらゆる人がファッションを楽しめる』商品やサービスに付加価値をプラスして提供します」と柚木氏は語る。

  • 「ウィズコロナ時代の新たなニーズに応えるジーユー5つの宣言」

あらゆる人のファッションニーズに応える「トレンド提案」

まずは、あらゆる人のファッションニーズに応える「トレンド提案」。2022年秋冬シーズンは代表商品として「プルオンパンツ」(1,990円)、「ふわふわカラーニット」(1,990円)、「ストレートパンツ」(1,990円)を提案する。いずれもトレンドを捉えたデザインで、着心地もよくファッションのモチベーションを高める商品だ。

  • 「プルオンパンツ」(1,990円)

  • 「ふわふわカラーニット」(1,990円)

また、品番数の絞り込みを行うことで"誰もが着こなせるマストトレンド商品"を開発していく。ファッションは品番数が多い方が選択肢が増えるが、ユーザーが選びやすく・買いやすく・着やすい、本当に欲しいと思ってもらえる商品に絞ることで、ひとつひとつの完成度を高め、旬のファッションを着こなしやすくするという。

なおトレンド商品は、世代・ジェンダー・体型を超え、幅広くあらゆる人へ、より個人個人にあったスタイルで提案する。着こなし発見アプリ「スタイルヒント」をさらにユーザー参加型コンテンツに進化させたり、昨年オンラインストアで好評だった特別サイズの展開を、2022年秋冬ではブーツやキッズ商品へ広げていく。

主力商品は価格据え置き

現在、エネルギーや原材料高騰の影響を受け各社が相次いで値上げを行っているが、ジーユーは主力商品の価格を据え置くと発表した。

消費者の価格意識が高まっていること、また同社の調査によると低価格で着回しができる服のニーズも高まっていることから、あらゆる人がファッションに挑戦しやすい価格で商品を提供することがジーユーに求められる使命と考えているという。原材料や工場の集約、生産商品の調整などを最適化することで、価格の据え置きを実現している。

  • 価格据え置き商品のひとつ「ヒートパデットブルゾン」(3,990円)

  • 各種「ブーツ」(2,990円~)も値段はそのままだ

価格据え置き商品は、旬の主力商品である「ソフトリブT」(990円)、「ヒートパデットブルゾン」(3,990円)、「ブーツ」(2,990円~)をはじめ、機能性インナーの「スタイルヒートエクストラ」(990円)、ストレッチ性に優れた「レギンスパンツ」(990円)、「ソフトスウェットセット」(1,990円)といった機能性・実用性を兼ね備えた高付加価値商品も揃う。

  • 価格を据え置いた商品を使用した「冬に向けた7日間のトレンド最旬着回しコーディネート」も紹介された

  • 「トレンド最旬着回しコーディネート」は、男女それぞれで合計29,900円分の商品を揃え、カジュアルにもきれいめにも着回しができる

新店舗が続々オープン、サステナビリティの取り組みも

購買行動の変化に伴い、「利便性と接客サービスの向上」も強化する。タイムパフォーマンスや経験が重視されるなか、店舗とオンラインでの新しい購買体験も提供していく。

昨年11月からスタートした、店舗在庫をEコマースで事前購入し店舗で受け取る「ORDER&PICK」サービスは、従来注文から受け取りまで最短2時間だったところを最短1時間に短縮する。

また、リアル店舗での体験サービスとして、店舗に配置されているコーディネートアドバイザー「おしゃリスタ」の質を高め、消費者の要望に沿った接客を実現する。トレンド商品の着こなし方からカラー診断、骨格診断など、ファッションに欠かせない専門知識に基づいたアドバイスを一部店舗で実施していく。

ウィズコロナ時代でも依然としてリアル店舗のニーズはあると柚木氏。今年の秋冬は全国に25店舗をオープン、うち12店舗は新規オープンと戦略的に大量の出店を行う予定だ。ニューヨーク・ソーホーにポップアップストアもオープンする。

10月からはジーユーの象徴となるような「YOUR FREEDOM」を体現する店舗を、東京・マロニエゲート銀座店、大阪・天王寺MIO店、神奈川・ルミネ横浜店と3店舗連続でオープンする。専門知識を身に着けた販売員の育成や駅近という立地を活かしたO2O施策など、地域特性を最大限に活かした店舗を作っていく。

宣言の5つめとして、社会からの要請も消費者の意識も高まるなか「地球・地域・社会への貢献活動」についても「PLANET」「SOCIETY」「PEOPLE」の3軸で注力するという。

「PLANET(よりよい地球環境へ)」では、温室効果ガスの削減やリサイクル素材の採用、リサイクル活動の取り組みを行う。「SOCIETY(地域社会への貢献)」では、店舗を起点とした地域社会の貢献活動として実施している「世界にひとつだけのエコバッグをつくろう」、子どもたちの服育サポート「マイファーストアウトフィット」、障がい者の方のショッピング体験イベントの実施店舗拡大、ダイバーシティ&インクルージョンを体現する「PEOPLE(個性の尊重)」では女性活躍推進、店舗での障がい者雇用、男性社員の育休取得促進など、自分らしく働ける環境の整備を推進していく。

発表の最後に柚木氏は、「ジーユーは日々お客様の声を聞きながら、ファッションを通じてより良い世の中を実現することがブランドの使命です。2022年の秋冬シーズンは、商品だけでなく新店舗やO2Oサービスの拡充で、より良い購買体験を提供したい。ぜひご期待ください」と締めくくった。