日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’22』(毎週日曜24:55~)では、障がいのある子どもたちの診療を続ける歯科医を追った『休診日に会おうぜ! ~毒舌院長「大丈夫、みんなできる」~』(山梨放送制作)を4日に放送する。

  • 斉木薫院長(後方)と患者

山梨県甲府市上阿原にある斉木歯科医院。入り口の看板には毎週木曜日が休診と書かれているが、建物の中はにぎやかだ。待合室には発達障がいの子どもや、身体に障がいがある子どもたちが集う。中には、はるばる80㎞以上離れた山中湖村や隣県の神奈川県から治療に訪れている家族もいる。

歯科医になるための研修には、障がいを抱える人の治療を学ぶことが必修。しかし、研修を経て歯科医として開業すると、そのほとんどが、表立って公言はしていないが、障がい者おことわり、というのが実情だという。

また、受け入れを行っている歯科医も「全身麻酔」「身体拘束」を治療の前提としており、見ていてつらくなるような診療が大半を占めているそうだ。

そんな中で、斉木歯科医院の斉木薫院長は30年以上、木曜日の一般患者の休診日を障がい者・発達障がい者治療の専門日にあててきた。床に寝転んだり、ぴょんぴょん飛び回る多動な子どもたち。だが、不思議と先生の指示には従い、静かに治療を受ける。信頼があるからだ。

薫先生の意思としての信念。それは「医療は効率を求めるものではない。たえず患者に寄り添うもの」というものだった。

コロナ禍以降、困難な状況に置かれつつある障がい児たちの歯科診療。それでもまっすぐ子どもたちと向き合う院長とそこに集う人々の心の交流の記録を、甲本雅裕のナレーションで見つめる。