念願のマイホームを購入するにあたっては、住宅ローンを組むのが一般的だ。多くの人は、住宅ローンの金利タイプ「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」のどれを選択するかで頭を悩ませることになる。

自身が置かれた環境や状況のほかに、将来的に住宅ローンの金利が上昇するのか、それとも下降するかで、選ぶべき金利タイプは異なってくる。未来を予測するのは難しいが、何らかのビジョンを持つことは大切だ。

そこで今回は、職業・業種関連項目が金融業界に該当するマイナビニュース男女会員100人を対象にアンケート調査を実施。「今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思うか」などを聞いた。

  • 今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思う?

Q.今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思いますか?

「上がると思う」(50.0%)
「ほぼ変わらないと思う」(37.0%)
「下がると思う」(1.0%)
「見当がつかない」(12.0%)

Q.前問の回答を選択した理由を教えてください(自由回答)

■「上がると思う」

・「日銀の政策も限界がある」(42歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「これ以上低金利のままだと国が破綻する」(30歳男性/信用組合・信用金庫・労働金庫/専門職関連)
・「海外が先行しているが、いつか日本も上昇する可能性が極めて高いので」(53歳男性/銀行/営業関連)
・「金利全体が上昇する中、円安も進むと考えている」(32歳男性/金融総合グループ/販売・サービス関連)
・「長期金利が少しだけ上昇傾向にあるので、若干金利上昇すると思います」(58歳男性/その他金融/営業関連)
・「インフレになってきており、諸外国が金利を上げる中、日本も金利上昇は避けられないため影響を受けると思う」(34歳男性/クレジット・信販/IT関連技術職)
・「世界的な利上げ局面で日本を追随せざるをえず、また安倍総理がなくなったことで、アベノミクス政策の転換が図られるから」(48歳男性/証券・投資銀行/専門職関連)
・「すでにメガバンクで住宅ローン金利の引き上げの動きが顕著に出ていて、それが金融機関全体に波及すると考えるから」(61歳男性/その他金融/営業関連)

■「ほぼ変わらないと思う」

・「日銀のゼロ金利解除は、当面ないと予想するからです」(54歳男性/その他金融/事務・企画・経営関連)
・「日本政府は、まだゼロ金利政策を維持すると思う」(69歳男性/信用組合・信用金庫・労働金庫/事務・企画・経営関連)
・「コロナで産業界がキビしい状況にあり、低金利はしばらく続いていくと思う」(59歳男性/生命保険・損害保険/営業関連)
・「日本経済、金融情勢、金融政策が急激に金利をあげる情勢にないと感じるので」(51歳男性/その他金融/営業関連)
・「コロナや戦争の影響で、社会経済が未だに安定していないから」(50歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「日本では金利を上げる気があるとは思えない。しかし若干上昇するとは思う」(58歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「将来的には確実に上がるが、1年以内に上がるかどうかは微妙」(44歳男性/クレジット・信販/営業関連)
・「長期金利は上がるが、短期プライムレートは上がらないから」(42歳男性/銀行/営業関連)

■「下がると思う」

・「日銀金利政策により市場金利は下落しており、銀行間の競争度合いにもよるが下落の一途をたどるように感じる」(36歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)

■「見当がつかない」

・「世界自体が分からないから」(37歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「内外の情勢が不透明な状況が続いていることから、今後の予想は困難であると考える」(51歳男性/政府系・系統金融機関/公共サービス関連)
・「住宅ローンを組む予定もないから検討がつかない」(36歳女性/生命保険・損害保険/営業関連)

■総評

職業・業種関連項目が金融業界に該当するマイナビニュース男女会員に今後1年間、住宅ローンの金利は上がると思うかを聞いたところ、最多は「上がると思う」で、半数の50.0%が支持した。「ほぼ変わらないと思う」は37.0%で、「見当がつかない」は12.0%。「下がると思う」はわずか1.0%だった。

その回答を選択した理由を聞いた。「上がると思う」では、「日銀の政策が限界」「低金利のままだと破綻する」など、日本の長期にわたる超低金利政策が限界に来ているとの意見があった。また、海外の情勢などを見て、日本も金利を上げざるを得ないとする声も見られた。「長期金利が上昇傾向にあるので、若干金利上昇する」との指摘もあった。

「ほぼ変わらないと思う」理由としては、「日本はゼロ金利政策を維持する」「金利を上げる情勢にない」など、上げる要素が見当たらないとするコメントが目立った。ただし、「長期金利は上がるが、短期プライムレートは上がらない」「将来的には上がるが、1年以内に上がるかは微妙」「若干上昇するとは思う」など、1年以内の上昇はないものの、長期的には上昇基調にあるのでは、という意見もあった。

「下がると思う」とした人は1.0%、一人しかいなかった。その理由は、「市場金利は下落しており、銀行間の競争度合いにもよるが下落の一途をたどる」というものだった。また、「見当がつかない」では、「内外の情勢が不透明で予想ができない」などの声が寄せられている。

さて、金融業界で働く"プロ"たちが予測した、今後1年間の住宅ローンの金利の推移はいかがだったろうか。結果としては、長期に及んでいる低金利もそろそろ上昇に転じるとする、「上がると思う」派が50.0%となった。また、「ほぼ変わらないと思う」派も4割近くおり、この二つが大勢を占めている。

将来の金利予測は、マイホームを購入する際の住宅ローンの金利タイプ「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」を選ぶ際にも重要な要素となる。内外に不安定な要素が多く、なかなか先行きを見通すことが困難な世の中だが、今回のアンケートはいろいろと参考となる結果となったのではないだろうか。

調査時期: 2022年7月15日〜2022年7月16日
調査対象: 職業・業種関連項目が金融業界に該当するマイナビニュース男女会員
調査数: 100人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません