マイナビニュース読者の皆さま、はじめまして。GMOメディアで社会人向けにプログラミング教室を紹介する「コエテコキャンパス byGMO」(以下、コエテコキャンパス)編集部です。
コエテコキャンパスは、子ども向けプログラミング教育ポータル「コエテコ byGMO」から派生したサイトです。実際にプログラミングスクールに通った方のクチコミ掲載数は1,000件を超え、実際の評判を確認しながらそれぞれに合ったスクールを探すことができます。
社会人向けのプログラミングスクールが注目を集めています。本稿では、プログラミングスクールの実態や選ばれる理由、今後の見通しについてご紹介します。
■社会人向けプログラミングスクールは何を学ぶところ?
「社会人向けプログラミングスクール」と聞いても、どういう場所なのかピンと来ない方も多いかと思います。そこでまず、社会人向けのプログラミングスクールでは何を学べるのかご紹介します。
そもそも「プログラミング」とは何かと言うと、簡単に言えば「コンピュータを動かすための指示を書くこと」です。
私たちが日常的に使うWebサイトやアプリ、社会全体の発展に欠かせないAIやロボット開発など、さまざまな場面でプログラミングが用いられています。普段、パソコンやスマホがなぜ動いているのかを意識することはあまりないかもしれませんが、プログラミングを学ぶことで、その仕組みを知ることができます。
プログラミングを行うには、JavaScriptやPython、JavaやPHPといったプログラムを書くための言語が必要です。そのため、プログラミングスクールでは「プログラミング言語の習得」が学習のメインとなります。
プログラミング言語が複数存在しているのは、開発するものによって必要となる言語が異なるためです。たとえば JavaScript は主にWebブラウザでの処理を行うプログラムを書く際に使用されており、幅広い分野の開発が可能なPython は近年AIや人工知能の分野で注目を集めています。
スクールはエンジニアを目指す人向けのコースが中心ですが、プログラミングスキルを得ることでITに手触り感を持ちたいと望む非エンジニア向けのコースを設定しているスクールも増えています。
■なぜプログラミングスクールを選ぶ社会人が増えているの?
プログラミングスクールに通う社会人の主な目的は、就職や転職、副業やスキルアップといった「仕事につなげるため」です。ただ、プログラミングは独学でも習得することができます。ならば、「わざわざお金をかけてプログラミングスクールで学ばなくてもいいのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし2022年7月のコエテコキャンパス経由でのプログラミングスクールへの申込み件数を見てみると、前年同期比で実に約2倍の申し込みがありました。オンラインで学べるスクールが増えてきたことも影響し、非常に多くの方がプログラミングスクールを選んでいるのです。 あえてプログラミングスクールが選ばれるのには、いくつかの理由があります。まずは挫折を防ぐため。プログラミング学習経験者のうち約9割が「つまずいた経験がある・挫折したことがある」と答えています。その内訳を見ると、独学が約6割、学校が約2割、企業研修が約1割という結果もあります。(※)
独学では、そもそもどの言語を選べばいいのかよくわからない上、うまくいかなくてもどこが間違っているのかわからず、そのまま諦めてしまう……というケースも見られます。
スクールでは、挫折しないような工夫がたくさん設けられています。まず丁寧なカウンセリングを実施し、受講者のやりたいことを叶えるための適切な言語を一緒に選択。習得に至るまで、講師やアドバイザーが親身にサポートします。
学習後のサポートも大きな魅力です。プログラミング言語を学んだからといって、すぐに仕事を得られるとは限りません。同じ仕事に応募したとして、「独学で未経験」と「経験者」では、どうしても後者が有利ですよね。「せっかく習得したのに仕事がない」といった状況に陥らないよう、カリキュラムの修了後に案件獲得や就職・転職のサポートをしてくれるスクールも増加しています。中には、「転職保証」を確約してくれるスクールまであります。
また、エンジニアとの交渉が必須となる営業職や、ITをビジネスに活用したい起業家・経営者といったエンジニアではない層からは、ビジネスとITを結びつける実践的な知識を効率的・体系的に得られる点が人気を集めています。
※出典:【挫折率90%】プログラミング学習に失敗する原因と正しい学習ステップ
■どうしてプログラミングが選ばれるの?
そもそも、なぜいまプログラミングが人気を集めているのでしょうか。そこには、「デジタル人材の不足」と「柔軟な働き方の推進」が大きく影響しています。
いま日本では、社会全体のDX化が進む一方、推進を担えるデジタル人材の不足が深刻化しています。経済産業省によると、2030年までに最大で約79万人のIT人材が不足すると推測されています。(※)
つまり、プログラミングができる人材は非常に貴重。すでに企業による争奪戦が起きており、年収も上昇傾向にあります。「ITエンジニア」に分類される職種はいくつかありますが、マイナビ転職の「職種別モデル年収平均ランキング(全316職種)」では上位15位までのうちに3職種がランクインしています。
さらに2022年度の正社員の平均初年度年収を見てみると、全体では454.7万円のところ、ITエンジニアは全職種中最も高い555.0万円との結果になっています。
また、かつてはプログラミングを活用する職種が限られていましたが、現在はあらゆるものにIT技術が用いられています。エンジニアでなくてもITに関する知識を業務に役立てることができ、市場価値も高まります。
フリーランスや副業といった柔軟な働き方が広がっていることも、プログラミング学習の人気を高めている要因です。リモートやフルリモートの案件が増加しており、自分の希望する生活スタイルを実現しながら高収入を確保している人も大勢います。スキルさえあれば年齢は関係なく、子育て中など時間に制約のある人でも自分のスキルを最大限に生かせることができます。
※出典:IT人材白書2020/独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター
■プログラミングスクールで学ぶ社会人は今後も増える?
GMOメディアと船井総合研究所が6月に発表した「2022年プログラミング教育市場規模調査」では、2022年の社会人向け情報教育市場は100億円を超えています。それでは、今後もプログラミングスクールで学ぶ社会人は増えていくのでしょうか。
2020年4月、小学校でのプログラミング教育が必修化されました。文部科学省はその目的を「これからの社会を生きていくためにコンピュータをより適切に活用するため」「将来の可能性を広げるため」とし、プログラミング教育について「どのような職に就くとしても、極めて重要」と言及しています。
日本はいま、IoTですべての人とモノがつながり、新しい価値を生み出す「Society5.0」の実現を目指しています。そのような社会ではエンジニアの需要はますます高まり、非エンジニアであってもシステムの基礎となるプログラミングを学んでおくことは必須となってきます。
政府は今後5年間で230万人のデジタル人材の育成を目指し、積極的に投資していく方針を掲げています。ITの知識やスキルを習得させる訓練を実施する企業に対し助成金を支出するほか、社会人の学び直しである「リカレント教育」の拡充にも注力していくなどとしています。
これらの背景から、プログラミングスクールの需要は今後ますます増加していくと考えられます。マイナビニュース読者のみなさんにも、ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです。