ライオンはこのほど、毎日の歯みがきを含めたオーラルケアについて、歯科専門家からみた生活者のオーラルケアと、実際に生活者が行っているオーラルケアについてそれぞれ調査を実施し、結果を公表した。
「オーラルケアに関する歯科専門家調査」は、2021年10月13日〜10月21日、全国の、患者に実際に衛生指導を行っている歯科医師131名、歯科衛生士35名・計166名を対象にWEBアンケートにて実施。
「オーラルケアに関する生活者調査」は、2021年12月6日〜12月8日、全国の20代〜60代の男女各500名・計1,000名を対象にWEBアンケートにて実施した。
歯科専門家からみて、「生活者の歯みがき(ブラッシング)についてどう思うか」質問したところ、「みがき癖によって特定の場所がみがけていない人が多い」と回答した人は91.6%(5段階評価で「そう思う」「まあそう思う」と回答した人の割合の合計)、「回数はそれなりにしているが歯垢が落とせていない人が多い」と回答した人が82.5%(同)と、多くの生活者がきちんとみがけていないことが浮き彫りになった。
一方で、生活者に対し「普段の歯みがきがどの程度できていると思うか」を尋ねると、「できている」と肯定的に回答した人は約6割(7段階評価で、「しっかりできている」「かなりできている」「ややできている」の合計)、逆に「できていない」と回答した人は約2割(「全くできていない」「ほとんどできていない」「あまりできていない」の合計)だった。生活者の自己評価では、多くの人がある程度はきちんとみがけていると思っている結果となった。
以上のことから、生活者は毎日歯みがきしていても、自分で思っているほどきちんと歯はみがけておらず、歯垢のみがき残しがあることが推察された。
歯のみがき方については、歯科専門家の見方では、「ブラッシングのストローク(ハブラシを動かす大きさ)が大きすぎる人が多いと思う」「ブラッシング圧(ハブラシを歯や歯ぐきに当てる力)が強すぎる人が多いと思う」の回答者がそれぞれ7割以上となり(5段階評価で「そう思う」「まあそう思う」と回答した人の割合の合計)、ハブラシの動かし方や力の入れ方にも問題がある人が多いと推察された。
生活者調査では、二者択一として「自分は適度な力でみがけている」と「実際どのくらいの力でみがけばいいかわからない」のどちらに当てはまるか尋ねたところ、「みがけている」が約53%、「わからない」が約47%となり、適度な力でみがけていると自己評価している人がやや多い結果となった。その一方で、半数近くの人が実際の適度な力の入れ加減はわからないという結果だった。
力を入れすぎてみがく「オーバーブラッシング」やハブラシを大きく動かしてゴシゴシみがくことは、歯ぐきや歯を傷めることがあるため日々のケアで注意が必要。しかし、実際のケアの注意点がわかっていない人、できていない人もある程度の割合でいると考えられた。
実際に患者の口の中を見ている歯科医師や歯科衛生士からみた、患者のブラッシングがうまくできていない点を自由回答で得た。その回答例の一部を示している。
・「みがけていないのに、みがいたつもりになっている」
・「強くみがかないと、みがいた気がしない人が多い気がする。歯をみがくのに、歯ぐきをやたらに傷つけて安心している人が多いのに驚かされる」
・「総じてみがけている人でも奥歯の内側、また下の前から3番目の歯や、歯と歯の間はみがけていなくてプラーク及び歯石が付いてる事が多い」
・「歯をみがくことはできていることが多いが、歯肉や歯間部をみがけていない方が多い」
・「一番みがけると安心しているのか、上の前歯の根元部分も意外とみがけていない」
(一部専門的な用語はわかりやすく言い換えている)
これらはあくまで一例で、自由回答の内容は多岐にわたったが、口の中でうまくみがけていない部位がどこかを指摘する内容が最も多い回答だった。
次に、毎日しているものの意外ときちんとできていない人も多い、歯のみがき方について改めて紹介している。
歯をみがく大きな目的のひとつは、むし歯や歯周病、口臭などの原因となる歯垢(プラーク)を除去すること。そのためには、次の3つの基本を心がけることが大切となる。
(1)ハブラシの毛先をみがきたい場所にきちんと当てる
(2)毛先が広がらない程度の軽い力でみがく
(3)ハブラシは小刻みに動かす
6月4日から6月10日は「歯と口の健康週間」。同社では、「この機会に毎日の歯みがきをはじめとするお口のケアを見直してみてはいかがでしょうか。また、定期的な歯科通院をし、歯科専門家によるお口のケアや健診も受けましょう」と呼びかけている。