未経験から副業、Web系フリーランスへ! キャリアチェンジ成功のコツは?

将来への見通しが立てにくい時代。このまま会社員として働いていて大丈夫だろうかと、不安を募らせている方が多いかもしれない。とはいうものの「いまの仕事では手に職がつかない」「クリエイターに憧れているが未経験できっかけがわからない」とジレンマ!?

そんなモヤモヤに応えてくれそうな勉強会をオンラインスクール「デイトラ」代表の大滝昇平さんが開催した。

• 今の仕事を続けて大丈夫?

「コロナ禍で企業のオンライン化が加速。Web系のマーケットが広がり、独自の調査ではIT関連の仕事はコロナ以前と比べて約40%増えています。平均給料がダウンしていることや企業の副業解禁の動きを背景に、本業以外のスキルアップや人脈構築、社会貢献などを目指すパラレルキャリアや本業以外の収入を得る副業、組織に属さないフリーランスなど新しい働き方が熱く注目されています」(大滝さん)

勉強会には「まったくの未経験からWebデザイナーとして活躍」する同校の卒業生2名も登壇し、Webデザイナーとして収入を得るまでのプロセスや仕事を続ける上で意識していること、さらには現在の収入など、ざっくばらんに答えている。

• オンラインスクール「デイトラ」を運営する大滝昇平さん

企業で働きながらWebデザイナーとして副業

卒業生の一人目は、ちゃんあいさん。会社員を続けながら帰宅後や休日にWebデザイナーとしても働いている。

副業しようと考えたきっかけは、所属している会社がコロナの影響を受けて業績不振に陥ったため。

「もともと副業に興味がありました。会社の経営状況が悪くなり、このままクビになったら次につながるスキルがないなぁと焦ったんです。そこで、まずは独学でWebデザインを学び始めました」(ちゃんあいさん)

独学ではクライアント対応など仕事の進め方がわからなかったので、デイトラを受講。仕事の受注から納品までに必要な知識やスキルを身に付けていった。

そして、クラウドソーシングサイト「ランサーズ」に登録するとともに、日常的にTwitterでデザインができることを定期的に発信。またデザイナー向けとフリーランス向け2つのオンラインコミュニティにも参加することで、徐々に仕事依頼の声がけが増えていったそうだ。

これを受け、大滝さんもこう助言する。

「仕事を獲得するためには、日々SNSで発信するのがとても大事! 最近は個人のインスタ投稿にもデザイナーの力を活用する場面が増え、SNS経由での発注は当たり前になっています。自分の制作物やプロフィールをしっかりまとめ、自分には何ができるかを伝えていくのが受注の第一歩になるでしょう」

• タイミングを見て独立も考えているというちゃんあいさん

子育て中の主婦がECサイト制作へ

もう一人の卒業生は、MACHIさん。もともと社会経験がないままに結婚して、現在は子育て中。パソコンにはまったく触れたことがなかった。

パートでは収入に限界があるため、スキルを身に付けて稼ぎたいという思いはあったと話す。そこで子育てと両立させるためにも「自宅でできる仕事」に狙いを定めたところ、パソコン1つで仕事ができるWeb系の仕事に魅力を感じてオンラインスクールを受講した。

経験ゼロの状態から少しずつステップアップしてWebデザインのスキルを修得。SNSで発信し続けるうちに、Twitterでまったく知らない人からの依頼があり、初仕事になったそうだ。

「いろいろ学ぶうちに、自分にはECサイトの制作が合っていそうだと感じ、運営会社へ直接アプローチしました。いまは、ある企業のECサイト制作に関わらせてもらっています」(MACHIさん)

• パソコンに触れたこともなかったというMACHIさん

副業やフリーランス成功のコツは?

キャリアチェンジに成功したふたりとも、初受注のきっかけはSNSでの発信。その後は、どのように仕事を増やしていったのだろう。

ちゃんあいさんは「SNSの発信をはじめコツコツと自分にできることをすべてやろうと意識し、積極的にデザインのコンペにも参加しました。徐々に新規の声がけが増えましたね」とのこと。

「私は、いまのECサイトの運営会社と契約するまで50社ほどに直接アプローチしたんです。2～3社で諦めていたら、契約までこぎつけるのは難しかったと思います」(MACHIさん)

どちらも仕事を軌道にのせてキャリアを重ねるために、日々地道な取り組みを続けているようだ。

大滝さんも「副業でもフリーランスでも稼げるようになるには、やはり努力が必要です」と、きっぱり。

「頑張った人の中には、スクール卒業後2ケ月で月収200万円になった人もいます。平均すると月20～30万円かな」

「副業を始めた当初は、月5万円くらいをコンスタントに稼ぐことを目標にしました。いまは、本業と同じくらいの収入になりました」とちゃんあいさんは話すが、本業とのバランスを取るために「できるだけ残業をしないように効率のいい仕事を心がけています。自宅に帰って平日は2〜3時間、休日はほぼ丸一日作業をしていますが、デザインするのが楽しいので自分の時間がなくても苦になりません。いずれは、独立も考えています」と語る。

また、MACHIさんは「おかげさまで仕事は毎日忙しいですが、土日はできるだけ休むようにしています。毎月数十万円以上の収入になりました。このまま持続していきたいです」と言う。

興味があるなら、まずはトライを!

「本業以外のスキルを身に付けたいなら、まずはトライしてみるのをおすすめします。1歩を踏み出さないと自分の適性も分かりません」と、ちゃんあいさん、MACHIさん。

大滝さんも「時間もお金も最小限のスモール・スタートでいいと思います。自分にできることをだんだん増やしてスキルのかけ合わせができるようになると、独自のスタンスを確立できるでしょう」と、アドバイス。

「やると決めたら、全力で頑張ってください! すべては自分次第です」

Web系の仕事や動画制作の需要は、今後も伸び続けると大滝さんは考えている。スキルを身に付け、覚悟を決めたら、個人でもIT関連の仕事を獲得できる環境は整いつつあるようだ。

小さな1歩が、人生の新しい扉を大きく開くかもしれない。