「お金に強くなるマネーカウンセリング」をモットーに年間100人以上のクライアントのお金に関する悩みを解決しているマネープランナーズの裏門が、今回解決するのは社会人1年目23歳男性のご相談。「初任給をもらったら、いくら貯金すればいい?投資はした方がいいの?」という内容です。では、そのカウンセリング内容を見ていきましょう。

ご相談者の状況

相談者:相談者:松原さん(仮名)
    男性・23歳・会社員・年収350万円・社会人1年目

初任給をもらったら、いくら貯金すればいい?投資はした方がいいの?

松原さんの相談内容は以下です。

大学を卒業して4月から新社会人になり、初任給をもらいます。
「初任給をもらったら、いくら貯金すればいいですか?投資はした方がいいのでしょうか?」

それではファイナンシャルプランナーからの回答を見てみましょう!

初任給の平均手取り額と平均支出内訳って?

厚生労働省の調査によると、松原さんのような大学卒・社会人1年目の平均初任給は22万9,100円です。

※厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査結果の概況

ただし、給与からは毎月税金(所得税や住民税)や保険料(健康保険料や厚生年金保険料など)が差し引かれたものが『手取り』として支給されます。

手取り額は扶養家族の有無や税控除の利用などで変わってきますが、大体額面の約75〜85%が手取りとなっています。 そのため、額面の80%で計算した場合には大学卒・社会人1年目の平均手取りとして『183,280円』を受け取ることができるでしょう。

手取りの平均支出内訳はどのようになっているでしょうか? 総務省の家計調査によると、1人暮らし世帯の平均支出は『12.6万円』で、そのうち最も大きく占めるのが食費3.8万円となっています。他にも、住居費が2.2万円、交通・通信1.9万円、教養娯楽1.7万円、その他2.9万円という内訳でした。

住宅については、家賃補助や社宅などの会社の福利厚生によって費用があまりかからない新社会人も多いようです。

みんなの初任給の使い道って?

手取りが約『18.3万円』に対して、支出『12.6万円』が出ていった場合、残りの5.7万円が余剰金となります。

それでは、余ったお金の使い道はどうなっているのでしょうか? みんなの例を見てみましょう。

初任給の使い道1位は貯金でした。 次いで多かったのが「両親へのプレゼント」、「自分へのプレゼント」となっています。 また、「株などの投資」の割合も年々上昇傾向でした。

さらに、「貯金」と回答した社会人は、「将来的に貯金を運用に回したい」と回答した方が半数以上にのぼり、資産運用への注目度が高まっているようです。

※「クラウドポート」2018年 初任給に関するアンケート調査結果

毎月の目標貯蓄額と貯蓄の目的

新社会人の場合、毎月の目標貯蓄額はいくらが理想なのでしょうか?
住む場所や環境によっても異なりますが、理想は手取りの10%〜20%を貯蓄に回せると良いです。

平均手取り『18.3万円』の場合は、『1.8万円』~『3.6万円』が理想の貯蓄額になります。

ただし、生活環境によって貯金に回せるパーセンテージは異なります。
例えば、一人暮らしの人は手取りの10%程度、実家暮らしの人は手取りの15%〜20%を目標としてみましょう。

一方で、毎月10%も貯蓄出来ていない方は、支出の見直しを行い無駄がないか確認してみることも大切です。

また、貯蓄する際は、自分の趣味のお金や将来の結婚資金など、目標を持って貯蓄することも重要です。やみくもに貯蓄せず、目標設定を行いながら貯めていくとストレスなく貯蓄することが出来ます。

新社会人のうちから貯蓄する習慣をつけることで、金銭管理能力アップを目指していきましょう。

先取り貯蓄で投資をしよう!

うまく貯蓄が出来ない方にピッタリの方法は、「先取り貯金」です。

先取り貯金とは、あらかじめ手取りからいくら貯金するかを決めておき、給料が入ったら貯金分をすぐに貯金用の口座などに移し替え、残りのお金で生活費をまかなう方法です。

毎月の貯金を先取りしておけば、貯金する分のお金を使ってしまうことがなくなります。

それでも毎月使いすぎてしまう方は、家計簿を付けて支出の見直しをしながら貯蓄を行うと良いでしょう。

20代前半にオススメの投資方法

上述で貯金を投資に回したい新社会人にオススメの投資方法は何があるでしょうか?

そもそも投資には、大きな資金が必要というイメージがありますが、少額から始められるものもあります。

例えば、貯蓄型保険、つみたてNISAやiDeCoでの投資信託など、少額投資が可能で比較的リスクの低いものです。

投資の際には、リスクを抑えつつ堅実にお金を増やすために、「長期・積立・分散投資」を意識しながら投資を始めることも大事です。また、投資にはリスクもあるため、自分に合った投資商品や投資方法を選ぶことも重要といえるでしょう。

まとめ

新社会人1年目は、仕事道具やスーツなど支出もかさみがちですが、先取り貯蓄のような貯蓄習慣を作って、今のうちから金銭管理能力を養っていくことが大事です。

その際は、銀行預金だけでなく投資も行いながら着実にお金を貯めて、将来の資産を作っていくことが重要といえるでしょう。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー

裏門春菜(うらもんはるな)
所属:株式会社マネープランナーズ
2級ファイナンシャルプランニング技能士