テレビやPC、冷蔵庫に電子レンジ、照明にエアコンと、現代人の生活には切っても切り離せない電気。何気なく使っている電気ですが、どこからどこを通って来ているかはご存じですか?

先日、地図とかデザインとかさん(@chizutodesign)がTwitterに投稿した日本の電力系統マップが、目を見張るほどの超大作だと話題になりました。

  • (@chizutodesignより引用)

このマップでは、電力会社などが一般向けに公開されている系統情報などの資料を基に、作られた電気がどこをどのように経由して届けられるかを網羅。地図とかデザインとかさんが個人的な趣味として、実に2年の歳月をかけて作られたんだそうです。暗めのベースにネオンのような配電網が見た目にも美しいマップに仕上がっています。

この力作には、「素晴らしいマップです。お疲れさまでした!」とねぎらう声や、「凄いですねコレ」とその完成度に驚く声、「素晴らしいです。私はずっと電気がどこから来るのか気になってました」と、画像をきっかけに電気についての理解を深めた方など、さまざまな反応がありました。

投稿者さんに聞いてみた

――2年間かけて制作されたとのことですが、制作のきっかけは?

小さい頃、家の近くを通る鉄塔と送電線がどこまで繋がっているのか興味を持ったのがきっかけです。2017年に東電管内の電力系統図を制作・公開したところ、多くの方に反応をいただいたこともあって、今回全国版を作ろうと思いました。

――制作過程の中で、興味深く感じたポイントはありましたか?

電力会社のエリア外まで伸びる送電網や、エリア間を繋ぐ海底送電設備、さらに系統が多重化・冗長化されていることが興味深いと感じました。

――苦労された点は?

全国を1枚の画像に収めるということで、いかに余分なスペースを作らずに変電所・送電線が集中する首都圏や中京圏・関西圏等を収めた上で他の地域とバランスをとるか、ということに苦労しました。

――「勉強になる」といった声をはじめ、多くの感想が寄せられています。

感想をおただけるのはとてもありがたいです。誤っている箇所に対して指摘を寄せてもらったり、こちらも大変勉強させていただきました。


なお今回の地図では、一般に公開されている情報のみを基にしているため、社会的に影響を与えることが懸念される重要施設への供給情報などは掲載されていないとのこと。国の機関である資源エネルギー庁は「系統情報は公表することが適当である」という方針を明らかにしています。

公開されている情報は、安全保障上問題のあるものは含まれておらず、「何らかの犯罪となる行為等を助長する意図は全くない」と、あくまで個人的な興味で制作したものとのことです。ちなみに、今回の地図とかデザインとかさんによると、電力会社各社が一般向けに広報目的で発行している「統合報告書・レポート」にも電力系統は掲載されているそうですよ。

近年はオール電化住宅も増え、便利な家電もどんどん登場しています。一方で先日、地震の影響もあり東北・関東で電力ひっ迫警報を出すなど、電力不足が予測されるような事態が発生しました。そうでなくとも、夏季や冬季の電力需給は厳しい状況にあるそうです。

今回のマップをきっかけに、より電気のことに興味をもって、もっと大切に電気を使っていきたいですね。