日本最大のマリンイベント「ジャパンインターナショナルボートショー2022」が3月31日から4月3日までの4日間、パシフィコ横浜と横浜ベイサイドマリーナにて開催されている。
今年は国内外から244の企業と団体が参加、約210艇が展示され、展示ボートの総額は約120億円規模となった。初日の開会式には俳優の杉浦太陽さんがゲスト出演し、家族愛、ボート愛を語っている。
ヤマハ発動機が大規模ブース
ジャパンインターナショナルボートショー2022は、一般社団法人 日本マリン事業協会(JMIA)が主催するイベント。今年はパシフィコ横浜・横浜ベイサイドマリーナの両会場で同時開催となった。同協会によれば、リアル会場の想定来場者数は4万人とのこと。なおオンライン会場ももうけられ、こちらは3月18日から8月31日までオープンしている。
筆者が訪れたのは初日のパシフィコ横浜。ボート、ヨット、水上オートバイをはじめとする様々な船と、エンジン、航海計器、通信機器、艤装(ぎそう)品といったマリン用品が所狭しと集結していた。会場コンセプトは「見る」「触れる」「確かめる」。11時過ぎに一般参加者のゲートがオープンすると、各企業のブースが賑わいをみせた。
会場でイチバン大きなブースを構えたのがヤマハ発動機。人気の7艇と大型マリンエンジンを展示した。
関係者に話を聞いた。ブースにあったスポーツボートのSR330、スポーツクルーザーのSR320FB、フィッシングボートのYFR-27HMEXは、いずれも参考展示となる。SR330はキャビン(個室)を持たないボートで、大勢の仲間と大自然の中で優雅に過ごせるのが特徴。ベイクルージングに適しているという。最新モデルの価格は未定だが、次世代ボート制御システム「ヘルムマスターEX」を搭載しない現行モデルの価格は約4,400万円あまり。法人の購入が多く、年に5艇ほど出荷されると説明した。
SR320FBはソファ、個室のトイレ、ベッドを備えるスポーツクルーザーで、マリーナステイや長距離旅行にも対応する。現行モデルは約3,800万円あまりで、年に20艇が出荷されるとの話。またYFR-27HMEXは釣り人に向けたフィッシングボートで、外洋航行にも対応する。現行モデルは約1,200万円で、年に120艇が出荷される人気モデルとのことだった。
ブースではヤマハ発動機 マリン事業本部長の臼井博文氏がプレス向けに事業説明を行った。まずは市場動向について。昨今のコロナ禍により海外旅行はできず、またスポーツ観戦、ライブイベントなども中止・延期が相次いでいるが、こうした状況を受けて先進国市場では”ステイケーション需要”としてボートの購入者が増えているという。
「マーケットでは、収益性の高い大型船外機の需要が増加しています。弊社のマリン事業は2010年以降、堅調な需要に支えられて成長を継続中。昨年の売上高は3,911億円、営業利益は768億円で、過去最高の数字でした」と臼井氏。同社では今後、大型船外機のラインナップをさらに強化し、生産能力も増強していく構えだ。
このあと、メインステージでは開会式が行われた。登壇した日本マリン事業協会 会長でヤマハ発動機 取締役の柳博之氏は「このコロナ禍で、世界的に顕在化した価値観が2つあります。まず、パーソナルな空間が大事になった。そして、アウトドアで過ごす時間も重要視されてきている」と指摘。そこで、ボートレジャーなど家族でアウトドアを楽しむ時間を作ってもらえたら、と呼びかけた。また、ゲスト登壇する俳優の杉浦太陽さんの名前を出して「4人のお子さまとご家族でボートに乗って遊ばれている」と紹介した。
このあと壇上では国土交通省、海上保安庁、アメリカ大使館 商務部、横浜市 港湾局などの来賓を交えてテープカットが行われた。
最後に、杉浦さんに「ベストファミリーボートオーナー賞」が授与された。柳氏から「所有するレジャーボートを愛し、家族と共にマリンレジャーを楽しむ様子を世間に広く伝え、マリンレジャーの発展に大きく寄与された」として記念品が贈答されると、杉浦さんは「ボートオーナーになったことで、海とのふれあい方が変わりました。何より家族が喜んでくれた。それがイチバンだと思います。子どもたちは海水浴、ウェイクボード、クルージング、釣りなどを通じて、海でかけがえのない体験ができました。私もオーナー同士でつながりができ、世界が変わりました」と挨拶。終始、笑顔で感謝の言葉を口にしていた。