久光製薬と栃木県、カルビー、キヤノン、東京ガスエンジニアリングソリューションズが栃木県宇都宮市で取組んでいる清原工業団地スマエネ事業が、「2021年度 省エネ大賞」の省エネ事例部門において最高位の「経済産業大臣賞(共同実施分野)」を受賞。1月 26日に表彰が行われた。

  • 2021年度 省エネ大賞 経済産業大臣賞(省エネ事例部門 共同実施分野)受賞記念トロフィー

同事業は、栃木県が東日本大震災を契機に策定した「とちぎエネルギー戦略(2014年3月)」に基づき、カルビー・キヤノン・久光製薬の3社7事業所が、エネマネ事業者である、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(以下、TGES)と連携することで実現した。

TGESが新設した清原スマートエネルギーセンターでは、高効率大型ガスコージェネレーションシステム・太陽光発電・ボイラによって効率的に電力と熱(蒸気・温水)を発生させる。電力と熱はネットワーク化された電力自営線と熱導管を通じて利用することで、事業所単独では難しい大幅な省エネ(約20%・約1万1,500kL/年)・省CO2(約20%・約2万3,000t/年)を実現することが可能だ。

  • 清原工業団地スマエネ事業 電力と熱(蒸気・温水)の供給概要図

こうして得られた省エネ量は「連携省エネルギー計画の認定制度」の適用で、各事業所の取組みとして省エネ法に基づく定期報告を実施。既存の工業団地における面的なエネルギー利用による高効率化モデルとして、全国への普及拡大が期待される。

今回の受賞は、業種の異なる複数事業者が連携して地域全体での最適化を追求し、省エネ・省CO2を達成したこと、エネルギー安定供給によるレジリエンスの向上、地産地消型エネルギーインフラの構築に伴う地方創生にも貢献する事例として、高く評価を受けたもの。

今後も、事業者間の連携によるエネルギーの高度利用により、省エネ、省CO2に向けた取組みを推進し、政府が掲げる2050年の脱炭素社会の実現に貢献していくという。