リモートワークの浸透と共に、仕事着の概念が大きく変化。スーツにネクタイという場面は減り、リラックスできるウェアを着て、自宅で仕事に集中するのも珍しくありません。その際、アウトドアブランドの機能性の高いウェアを選ぶことも。それは「普段着使いできそうだから」という条件で、本来の用途はフィールドギアでした。

しかし、イギリスのアウトドアブランド「カリマー」が2022年の春夏モデルで明確に「仕事着」をコンセプトにした製品を発売します。見る機会ができたので紹介しましょう。

  • カリマー「2022春夏モデル」内覧会

    カリマー「2022春夏モデル」内覧会

ステンカラーコートはゴアテックス素材

まずはゴアテックスを使った男性向けのステンカラーコート、「G-TX performance urban coat(G-TX パフォーマンス アーバン コート)」(5万2,000円)です。実は同ブランドがゴアテックス素材を採用するのは企画/開発を日本で行うようになってから初めてだそう。ちょっと意外ですよね。

  • 「G-TX performance urban coat(G-TX パフォーマンス アーバン コート)」(5万2,000円)

    「G-TX performance urban coat(G-TX パフォーマンス アーバン コート)」(5万2,000円)

  • 色はGravity Grey、Blackが用意

    色はGravity Grey、Blackが用意

Gore Performance Technology3層構造による防水仕様、脇下のベンチレーションホールによる衣服内の蒸れを軽減、前身頃に小物収納に便利な3ケ所の止水ジッパーポケットを搭載するなどが特徴ですが、見た目はシンプルなデザインで「ザ・高機能」みたいな押し出しの強さは感じません。

  • フロントはジップ構造となる

    フロントはジップ構造となる

それ以外にも、インナーポケットの内部に抗菌素材を採用するなど、細かい部分で使い勝手の良さが光る製品ではないかなーと思います。

自転車通勤で大活躍

次に紹介する製品のキーワードは「自転車」。まず登場するのが、「urban utility lapel jkt(アーバン ユーティリティ ラペル ジャケット)」(2万4,000円)です。

コロナ禍で自転車に注目が集まっていますが、このジャケットは「はっ水加工のストレッチ素材」「襟裏部分に反射プリントを採用」「物の落下を防ぐ為、すべてのポケットにジッパーを搭載」「パッカブル仕様」など、自転車通勤で特に活躍しそうですね。

  • 「urban utility lapel jkt(アーバン ユーティリティ ラペル ジャケット)」(2万4,000円)

    「urban utility lapel jkt(アーバン ユーティリティ ラペル ジャケット)」(2万4,000円)

  • 落下防止のジッパー

    落下防止のジッパー

同ブランドの広報担当である中島亜唯さんも、「ビジネスでの活用もできますが、やはり自転車に乗る時に使ってほしいですね」と利用シーンを説明します。

次に紹介するのが、「urban utility slacks(アーバン ユーティリティ スラックス)」(1万6,000円)です。

  • 「urban utility slacks(アーバン ユーティリティ スラックス)」(1万6,000円)

    「urban utility slacks(アーバン ユーティリティ スラックス)」(1万6,000円)

こちらもビジネス、アウトドアシーンと幅広く活躍しそうなパンツ。

「抗菌・防臭加工『Polygiene BioStatic』」「立体パターンにテーパードシルエット」、「背面にキーループやダブルポケット」「右裾部分には反射プリント」などが特徴で、先ほどのジャケットと同様、自転車移動時に真価を発揮しそうですね。

  • 左側にジッパーポケット、右側にキーループ&小物用ポケット

    左側にジッパーポケット、右側にキーループ&小物用ポケット

カリマーの本気度が伝わるリュック

最後に紹介したいのが、よりビジネス向けのプロダクトです。カリマーはリュックも定評があり、シンプルなデザインと色使いから通勤バッグとして使う人も多いでしょう。

ただ、今回は強く「ビジネス」を意識して開発した、と中島さんは言います。それが「commuter M(コミューター)」(2万4,000円)、「commuter S(コミューター)」(2万2,000円)の2製品です。

  • 左が「commuter M(コミューター)」(2万4,000円)、右が「commuter S(コミューター)」(2万2,000円)

    左が「commuter M(コミューター)」(2万4,000円)、右が「commuter S(コミューター)」(2万2,000円)

「生地がしっかりしていて、中に荷物がなくても『自立する』のが特徴です。それ以外にも、収納が豊富だったり、抗菌・抗ウイルス加工を施したポケットだったり、スマホなど『ガジェットを充電する』コードを通せる仕様になったりしています」(中島さん)

  • Mはフルオープン構造で荷物の出し入れが楽

    Mはフルオープン構造で荷物の出し入れが楽

  • モバイルバッテリーの充電コードを通せる

    モバイルバッテリーの充電コードを通せる

  • 荷物がなくても自立する

    荷物がなくても自立する

ロゴも控え目で主張し過ぎないので、ビジネスバッグとして使っても違和感を持ちませんね。当然ですが、背負いやすさ、堅牢さなどはアウトドアブランドの強みとして言わずもがなですし!

  • 背負いやすさに定評があるカリマーのリュック

    背負いやすさに定評があるカリマーのリュック

  • 登山用リュックサック開発での技術をショルダーハーネスの形状に活かしている

    登山用リュックサック開発での技術をショルダーハーネスの形状に活かしている

改めて、本製品が誕生した経緯を中島さんに聞いたところ、「従来のラインアップでも、例えば『黒くてPCホルダー搭載のリュック』はビジネスやトラベルでも使えますというものでした。しかし、コロナ禍による働き方の多様化を踏まえ、今回は最初から『ビジネス用』を念頭に置いて開発しています」と言います。

その考えから、リュック以外にも「laptop sleeve(ラップトップ スリーブ)」(5,800円)といった製品も登場。耐久性に優れた「CORDURA ECOファブリック」を使用し、サスティナブルな今の世に合うプロダクトと言えるでしょう。

  • 「laptop sleeve(ラップトップ スリーブ)」(5,800円)

    「laptop sleeve(ラップトップ スリーブ)」(5,800円)

  • 色はBlackとBritish Greigeが用意

    色はBlackとBritish Greigeが用意

今回のシーズンテーマは「リディファイン(再定義)」だそうで、アウトドアブランドとして昨今の生活様式の変化に対して何を提案していけるかを考え、高機能なスペックはそのままに、シーンにより実際に必要なものを中心に製品の企画・開発を行ったと、中島さんは説明します。

アウトドアブランドであるカリマーが、仕事現場で必要だと判断して送り出してきた今回の新製品たち。カリマーの本気度が伝わってきました。

※紹介した製品は発売前の段階のため、仕様が変わる可能性があります
※commuterのみ3月下旬にリリース予定