雄大な北アルプスの清らかな雪解け水が水脈となって街を流れる、長野県大町市・信濃大町。この豊かな水資源を生かして、日本酒やワイン、ビールの酒造りが行われている。3軒の生産者のもとを巡ってきた。
歴史ある蔵内で全工程手造りする「市野屋」
まず訪れたのは、信濃大町駅近くの商店街にある日本酒の酒蔵「市野屋」。創業は1865年(慶応元年)と伝えられているそう。明治時代に建てられた蔵内で、洗米から麹作り、酒母工程、三段仕込に至るまですべての工程を手造りで行う。力を入れているのは「山廃(やまはい)」。透明感とシャルドネのようなさわやかな酸のある味わいを目指す。限定流通の「ほしいち」をはじめ、「市野屋」「金蘭黒部」「安全祈願」の銘柄がある。
地元の人気銘柄・白馬錦の「薄井商店」
市野屋から徒歩圏内、同じく日本酒の酒蔵「薄井商店」も創業1906年の老舗。銘峰白馬三山にちなんで命名された銘柄「白馬錦」は、透明感と酒質のおだやかな旨口が特徴。地元の人に広く親しまれている。
銘水を生かしたクラフトビール「北アルプスブルワリー」
2018年に創設された「北アルプスブルワリー」は、クラフトビール工場併設のビアバー。北アルプスの銘水でつくるクラフトビール「氷河ビール」は、透明感、爽快感のある味わいで飲みやすい。ビアバーでは、好きなビール3種飲み比べ(1,000円)なども楽しめる。
移動中に街を歩いていると、足元の地面の下から水の流れる美しい音が聴こえてきた。そんなところからも水の街・信濃大町を感じることができる。北アルプスの恵みによってつくられたお酒それぞれに共通するのは、味わいの中にある透明感だった。ぜひ訪れて水の清らかさを体感してみてほしい。商品は各オンラインストアからも購入できるのでそちらもチェックを。
今回取材協力いただいたのは、信濃大町にあるマウンテンリゾートホテル「ANA ホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」。同ホテルでは、大町産の地酒と信州"秋の味覚"をブッフェスタイルで堪能できるペアリングプラン(1人1万9,800 円~(2名1室利用時/サービス料込み、入湯税別)を提供している。