マリリン・モンローは、綺麗な金髪とセクシーな唇、抜群のプロポーションで「セックスシンボル」と称された女優です。絵画やTシャツのデザインに使われていることもあり、顔や名前は知っているという方も多いでしょう。
演技力の高さと美貌で人気を誇ったマリリン・モンローは、30代半ばという若さでこの世を去っています。没後60年近く経っても人気が衰えることのない彼女の魅力とは、果たして何なのでしょうか。
本記事では、マリリン・モンローの経歴から出演映画、結婚歴までくわしく解説するとともに、彼女が残した名言の数々もまとめました。
マリリン・モンローの人物像に触れながら彼女の人気の秘密を探ってみましょう。
マリリン・モンローとは
マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)は1926年6月1日に、アメリカのロサンゼルスで生まれました。本名はノーマ・ジーン・モーテンソンで、その後ノーマ・ジーン・ベイカーに改名されています。
恵まれなかった子供時代
出産前に父親が失踪しており、私生児として誕生したマリリン・モンロー。母親は当時患っていた精神障害により入退院を繰り返していました。マリリン・モンローは養護施設や里親のもとで暮らし、出生後から実の母とは離れ離れの生活を送ります。
20代で女優の道へ
マリリン・モンローは10代後半、当時の夫が徴兵されたこともあり軍需工場での勤務を開始。その最中に陸軍カメラマンが撮影した彼女の写真が話題を集め、モデルへと転身しました。
1946年にはFOXと契約し、1947年公開の映画『The Shocking Miss Pilgrim』や『Dangerous Years』などに端役として出演します。マリリン・モンローは女優の道を歩み始めるも順風満帆とはいかず、並行してモデル活動を継続。男性誌『プレイボーイ』の創刊号では表紙を飾りました。
変化の兆しが見え始めたのは1951年のこと。映画『恋愛アパート』に出演したことで、マリリン・モンローに関心を寄せ始める人が増え始めます。
その翌年に公開された『ノックは無用』で初主演を果たすと、注目度は急上昇。1953年公開の映画『ナイアガラ』でモンロー・ウォークを披露し、人気を集めました。
徐々に活躍の機会が増えるも……
一躍人気女優の仲間入りを果たしたマリリン・モンローは、『モンキー・ビジネス』や『紳士は金髪がお好き』などの映画に出演。彼女のルックスとスタイルが評判となり、巷では「セックスシンボル」と呼ばれるようになります。
1955年にはマリリン・モンローのスカートがふわりとめくれるシーンでも有名な映画『七年目の浮気』が公開されました。
順調に女優としての歩みを続ける一方、ときを同じくして同業者たちとマリリン・モンローとの不仲説がささやかれます。それは築き上げてきた彼女のキャリアに傷をつけかねない出来事でした。
早すぎる死
マリリン・モンローと周囲の人とのいざこざなどが噂されるなかでも、彼女が出演する映画は軒並みヒットを記録。マリリン・モンローは演技力の高さも評価されていました。
人気と実力を兼ね備えたマリリン・モンローに悲劇が訪れたのは1962年8月のこと。新作映画の撮影中に自宅のベッドで死亡しているのが発見されます。享年36歳でした。死因は睡眠薬の過剰摂取とされていますが、真実は明かされていません。
マリリン・モンローは死亡する約2カ月前の5月、マディソン・スクエア・ガーデンで、当時スキャンダルが噂されていたJ・F・ケネディ大統領に『ハッピーバースデー ミスタープレジデント』の一曲を贈りました。そのセクシーな歌声は大きな話題となったそうです。
マリリン・モンローの結婚遍歴
マリリン・モンローは生涯で3度の結婚と離婚を経験した、恋多き女性です。
初婚は16歳
マリリン・モンローの初婚は1942年。相手は近所に住んでいた工場の作業員、ジェイムズ・ドアティでした。婚姻期間はわずか4年で終わりをむかえました。
プロ野球選手との結婚も
2度目の結婚は1954年、ニューヨーク・ヤンキース所属のジョー・ディマジオです。新婚旅行で来日したこともある2人でしたが、結婚から8か月で離婚しました。マリリン・モンローが出演した映画『七年目の浮気』でのスカートがはためくシーンが原因とされています。
離婚はしたものの、マリリン・モンローがこの世を去る前には、よりを戻しかけていたといわれている2人。彼女が死亡した際、遺体を引き取った人物でもありました。
最後の結婚相手は脚本家
最後となる3度目の結婚は脚本家のアーサー・ミラーです。1956年に結婚するも5年後の1961年に離婚しています。
マリリン・モンローの出演映画
マリリン・モンローが出演した映画の多くは恋愛ストーリーです。DVDや配信サービスにて観ることができる作品も多いので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
『恋愛アパート』(1951年)
『恋愛アパート』は帰還兵の妻・コニーが新米大家となったアパートが舞台のコメディ映画。大家夫婦と住人たちが繰り広げる人間模様が見ものです。
マリリン・モンローが演じるのはアパートの住人のひとりで、脇役としての出演でした。
『ノックは無用』(1952年)
『ノックは無用』は恋人を事故で失ったことがきっかけに、精神を病む女性が主人公のサスペンス映画。とある男性を恋人と錯覚したことで、徐々に様子が変貌していく姿は必見です。
マリリン・モンローが演じたのは恋人を失った女性・ネル。この作品で初主演を飾りました。
『ナイアガラ』(1953年)
『ナイアガラ』はジョージとローズのルーミス夫妻、ローズと不倫中のテッドを中心に繰り広げられるサスペンス映画。ローズとテッドが企てる計画殺人の行方にも注目です。作品の主な舞台となるナイアガラの滝の迫力も映画に花を添えています。
今作でマリリン・モンローはテッドと不倫中のローズを熱演。作中で披露された腰を左右に振りながら歩くモンロー・ウォークは大きな話題となりました。
『紳士は金髪がお好き』(1953年)
ミュージカル・コメディ映画『紳士は金髪がお好き』は、パリへと向かう2人の女性が、道中で紳士から受け取った髪飾りのせいで騒動に巻き込まれていくストーリーです。マリリン・モンローはダンサーとしてナイトクラブで働く主人公のひとりを演じています。
『七年目の浮気』(1955年)
『七年目の浮気』は、妻子がバカンスに出かけ、久しぶりにひとりの時間を過ごすこととなった恐妻家・リチャードが主人公。階上に越してきた美人がクーラーを求めてリチャードのもとを訪れたことを機に、彼女との浮気を空想するコメディ映画です。
マリリン・モンローの役柄はリチャードの空想上の浮気相手である、階上の部屋に住むブロンド美女。通風口から吹く風でスカートがあおられるシーンも有名です。
『バス停留所』(1956年)
『バス停留所』は、カウボーイであるボウとカフェで歌手として働いていた女性・チェリーを主人公として描くロマンス映画。ひとめぼれしたボウの思い込みや強引ともとれる行動の数々がチェリーの心にどんな影響を与えていくのかが見どころです。
ボウの相手役・チェリーを演じたマリリン・モンローは、今作でゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞にノミネートされます。芝居を学んだゆえに身についた彼女の高い演技力は、映画を観た人々の心に深く刻み込まれました。
『王子と踊子』(1957年)
『王子と踊子』は戴冠式に出席すべくロンドンを訪れたチャールズ大公と、観劇後に出会った一座の踊り子・エルシーの関係を描いたロマンスコメディ。皇太后など魅力的な登場人物やハートフルな展開も魅力のひとつです。
エルシー役を演じたマリリン・モンローは、今作では従来のセクシーさを封印。彼女が持つ可愛らしさが引き立つ作品になっています。
『お熱いのがお好き』(1959年)
『お熱いのがお好き』は、大虐殺を偶然目撃してしまったバンドマン2人が主役のコメディ映画。ギャングに追われる身となった2人は追っ手をあざむくため、女装して女性楽団に混ざり込みます。ストーリーがテンポよく進む人気作品のひとつです。
マリリン・モンローはバンドマンのひとりが惚れた楽団の歌手シュガーを好演し、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞を受賞しました。
『荒馬と女』(1961年)
『荒馬と女』は、とある都市を訪れた容貌の美しい女性と、彼女に好意を寄せるカウボーイたち3人のロマンス西部劇。男女の確執が随所に描かれた映画で、マリリン・モンローの遺作でもあります。
マリリン・モンローが演じた役は3人の男性が想いを寄せる美しい女性ロザリン。当時の夫で脚本家のアーサー・ミラーが自身の短編作を脚色して誕生させた役柄でもありました。
マリリン・モンローの名言
マリリン・モンローといえば、寝るときの服装を記者から聞かれたときに答えた「シャネルの5番(N°5)」が有名です。当時、香水を自分に使用することは珍しく、彼女の発言は大きな話題となりました。
恋愛の名言
「男性は女性のことを本みたいに思っている。表紙が目立たなかったら、中身を読もうとさえしないの」
「喧嘩した時は、彼らにどうしたいのかを考えさせるの。もし彼らが私のことを気にするのなら、私はすでに彼らより上よ」
マリリン・モンローが遺した名言の中でも、恋愛にまつわる言葉は特に印象的です。恋愛で悩んだときに振り返りたくなる魅力的な言葉といえるでしょう。
人生の名言
「ルールを全部守っていたら、どこにも辿り着けないわ」
「他人になりたがるのは、自分という人間をムダにしてるってことよ」
人生において進むべき方向に迷ったり、周囲を羨んだりすることは多かれ少なかれ誰しも経験があるでしょう。自分らしく生きるためのヒントが詰まったマリリン・モンローの言葉に耳を傾ければ、答えが見つかるはずです。
見た目の名言
「カラダは見られるためにあるもので覆い隠すためのものじゃないの」
「笑顔は女の子ができる最高のメイクよ」
プロポーション抜群のマリリン・モンローが発した名言には、見た目に関する言葉もいろいろとありました。女性が前向きになれる魅力的なフレーズといえるでしょう。
マリリン・モンローの人気は必然といっても過言ではない
マリリン・モンローは、辛い幼少期を経て女優の道へと進み、数々の作品に出演しました。1959年に公開された映画『お熱いのがお好き』では主演女優賞に選ばれるものの、わずか36年でその生涯に幕を下ろします。
私生活では離婚を3度経験するなど、恋多き女としても知られるマリリン・モンロー。酸いも甘いも経験した彼女だからこそ発せられる言葉は飾り気がなく、どこかお洒落で心に響く要素が詰まっています。
マリリン・モンローの思わず魅了されてしまう見た目も、数奇な人生のなかで形成された彼女の考え方も、男女問わず多くの人を惹きつる魅力なのではないでしょうか。