パッションフルーツの栄養素にはカリウムやβカロテンなど、人間の体を作るのに必要な栄養素が含まれています。酸味が強くさわやかな甘さが特徴で、そのままはもちろん、アイスのトッピングやソースなどで楽しめます。
今回はパッションフルーツの栄養素や効能・効果について解説します。生食以外に試してほしいレシピもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
パッションフルーツとは?
パッションフルーツは種がびっしりと詰まったフルーツ。黄色の果肉は甘酸っぱくて、さわやかな風味が特徴の果実です。名前から「情熱」を連想させますが、パッションには「イエス・キリストの受難」という意味もあります。
花の形状が十字架にかけられ処刑されたキリストの姿に似ていることから「パッションフラワー」と呼ばれ、その果実であることから「パッションフルーツ」と呼ばれるようになりました。
和名では時計の文字盤に見えるということで「クダモノトケイソウ」と呼ばれています。
パッションフルーツの旬の時期は?
パッションフルーツは南米原産の果実のため、鹿児島県や沖縄県など熱帯。・亜熱帯地方で栽培されています。収穫時期は6~10月末頃までです。
海外からはパッションフルーツを使用した商品が輸入されており、生の果実とともに春はニュージーランド産、夏以降はアメリカ産やメキシコ産など年間をとおして流通しています。
パッションフルーツの栄養成分
パッションフルーツの主な栄養成分(可食部100gあたり)は以下の通りです。
- エネルギー:67kcal
- 水分:82g
- βカロテン:1100μg
- ビタミンC:16mg
- カリウム:280mg
パッションフルーツの摂取で期待できる効果・効能
旬の時期は栄養価が高まるといわれる野菜や果実。パッションフルーツも例外ではありません。旬のパッションフルーツを食べることで期待できる効果と関連する栄養成分について解説します。
カリウム
カリウムは体内の電解質のバランスを保ったり、血圧を調整したりする働きがあります。不足するとバランスを保てなくなるだけではなく、食欲がなくなったり、脱力感を感じたりすることがあるため、意識して摂りましょう。成人の1日あたりの推奨量は3,510mgです。
βカロテン
βカロテンは活性酸素の働きを抑制する働きを持つビタミンです。色の濃い野菜や果実に含まれています。体内で必要に応じてβカロテンからビタミンAに代わります。そのため、ビタミンAと同じように、皮膚や粘膜を健やかに保つ効果も期待できます。
ビタミンC
ビタミンCは皮膚や粘膜を健やかに保つのに欠かせない水溶性ビタミンです。鉄の吸収を促す働きもあるため、貧血が気になる方は鉄分だけではなく、ビタミンCの摂取を意識することが大切。
ストレスを感じたりたばこを吸ったりすることで、ビタミンCは失われます。不足すると健康リスクも高まることから、意識して摂るとよいでしょう。
葉酸
葉酸はほうれん草などの葉野菜に多く含まれるビタミンのひとつです。水に溶けやすく、熱に弱い水溶性の性質を持っています。葉酸が不足すると血液がうまく作られないなど、健康リスクが高まります。通常の食生活で不足することはありませんが、多忙で食生活が偏りがちな方は見直してください。
パッションフルーツは妊婦さんにおすすめ
パッションフルーツに含まれる葉酸は、胎児の発育に必要な栄養成分のひとつで、妊婦さんは1日あたり480μg必要です。パッションフルーツには100gあたり、86μg含まれています。
また、体内の余分なナトリウムを排出する働きをもつカリウムは、むくみへの効果を期待できます。ほかにもβカロテンなどビタミンAが多く含まれていますが、植物性のビタミンAは動物性とは違って過剰症のリスクが低いので安心してください。ほかにもビタミンCも豊富です。
パッションフルーツの栄養を摂るには?
パッションフルーツの種にはポリフェノールの一種「ビセアタンノール」が多く含まれています。「ビセアタンノール」は長寿遺伝子を活性化する働きがあることから、健康や美容への効果を期待できると考えられています。そのため、パッションフルーツは種ごと食べるのが正解です。
よりおいしいパッションフルーツを食べるために、選び方とアレンジレシピをご紹介します。
パッションフルーツの選び方
皮の色が薄いパッションフルーツは、常温で追熟が必要です。購入後すぐに食べないなら、色が薄いものを選びましょう。すぐに食べるなら、色が濃くフルーティーな香りをはなつパッションフルーツを選んでください。酸味が苦手な方は皮にシワが出るまで追熟させると、酸味がやわらぎます。
ただし、皮の色が濃く、汁がにじみ出ているパッションフルーツは傷んでいる可能性が高いので注意しましょう。持ったときに重さを感じるものは中にジューシーな果肉が詰まっています。手で持って選別できるなら、ぜひ持って選んでください。
パッションフルーツを使ったレシピ3選
パッションフルーツはよく冷やしてそのまま食べてもおいしいですが、アレンジ次第でさらにおいしくいただけます。試してほしいパッションフルーツを使ったレシピをご紹介します。
・ハーブ入りパッションフルーツソース
パッションフルーツを数個、半分にカットして果肉をスプーンなどで取り出します。ザルなどで種を取り除いた果肉を鍋に入れて、刻んだレモングラスと砂糖を加えて弱火で数分煮詰めたら完成です。氷水で粗熱を取ってから使いましょう。
ヨーグルトやアイスのトッピングにおすすめです。種ごと食べるのが苦手な方もパッションフルーツのさわやかな風味を味わうことができます。
・種ごと! パッションフルーツサラダ
パッションフルーツの果肉とオリーブオイル、白ワインビネガーとあわせて塩コショウで味を調えたらドレッシングの完成です。
ベビーリーフやベーコンなどお好みのサラダの具と混ぜ合わせていただきましょう。ナッツやチーズとの相性もよいドレッシングです。パッションフルーツを種ごと使うため、栄養もしっかり摂りたい方におすすめのレシピです。
・冷やして! パッションフルーツケーキ
パッションフルーツの種を取り除いた果肉に、水と砂糖で作ったシロップを加えて冷蔵庫で冷やしておきます。お好みでパウンドケーキを焼きます。熱いうちに冷やしておいたシロップを刷毛でまんべんなく塗ったら完成です。
1日置いたらしっとり感が増しておいしくいただけます。チーズやドライフルーツと相性がよいでしょう。さわやかな風味を楽しめるケーキです。
パッションフルーツは冷凍保存も可能
吟味したパッションフルーツをおいしい状態で長持ちさせる保存方法をご紹介します。
冷蔵庫で保存
完熟したパッションフルーツは常温のままだと熟しすぎてしまうので、冷蔵庫の野菜室に移しましょう。そのままではなく、ジップ付きの保存袋などに入れるのがポイントです。
冷蔵庫に入れることで追熟を防げますが、長期間入れていると酸味が強くなってしまうのでなるべく早めに食べてください。
冷凍庫で保存
パッションフルーツは冷凍保存も可能です。冷蔵保存していても食べきれないときは冷凍庫へ移しましょう。冷凍庫へ移すときは一度洗ってから水気をふき取り、冷凍用の保存袋に入れて真空状態で保存します。
食べるときはそのままでもいいですし、少し時間を置いて解凍したものもおいしくいただけます。ジャムやソース用に使うときは、果肉のみ保存袋などに入れて保存することも可能です。
パッションフルーツは種まで残さず食べよう
パッションフルーツは、甘酸っぱくてさわやかな風味が特徴の、南米原産のくだもの。ビタミンCやビタミンB群、カリウムなど、美容や健康を気にされている方におすすめの栄養素が豊富に含まれています。びっしりと詰まっている種子には美容成分「ピセアタンノール」が含まれているので、ぜひそのまま食べましょう。
国内栽培の旬の時期でもある6~8月以外は輸入品が流通しているため、年間を通して入手しやすいくだものです。そのままでももちろんおいしいですが、アイスクリームやヨーグルトのトッピングにもおすすめ。
今回、ご紹介した内容を参考にしていつもの食事にパッションフルーツを加えてみるなど、くだものを積極的に取り入れてみてくださいね。