ネクストレベルが運営する縁結び大学では、2020年4月以降に結婚した人を対象に新婚旅行をどのように捉え、行動したのかを調査。その結果を10月18日に発表した。調査は8月23日~9月6日の期間、ハネムーン実施61名・非実施160名の計221名を対象にインターネットで行った。
はじめにハネムーンに行った人を対象に、新婚旅行の行き先について、居住地からどのくらい離れた場所へ行ったかを聞いた。「住んでいるエリア(都道府県)内」や「住んでいるエリアに隣接している都道府県」などいわゆる"近場"にでかけた人は、合わせて27.9%。3割弱の人が"近場"を選んでいるという状況は、不要不急の外出や海外への渡航制限が影響していると考えられるという。
「飛行機で移動する場所」「車や電車で移動できる場所」など、隣接する都道府県よりも遠い場所にでかけた人は合わせて72.1%。その中でも「飛行機で移動する場所」が39.3%と、もっとも多かった。新婚旅行の行き先として、4割弱の人が居住地からかなり離れた場所まででかけたことがわかった。
次に具体的な行き先を尋ねてみると、もっとも多かったのは「沖縄県」、次が「北海道」。この2エリアは人口が多い首都圏や関西圏からだと「飛行機で移動する場所」にあたる。
3位には「静岡県」がランクイン。浜名湖エリアや富士山が美しく見える山麓の御殿場、温泉地として人気の伊豆など、首都圏や中京圏から比較的アクセスがしやすいことから"近場"の旅行先として選んでいる人が多いと考えられる。
ハネムーンといえば以前は海外のビーチリゾートが人気だったが、渡航制限や自主隔離措置の影響で2020年4月以降は国内のみが選択肢になっていることが分かった。
次に新婚旅行の日数について尋ねると、もっとも多かったのは「2泊3日」で36.1%。次いで「3泊4日(21.3%)」「1泊2日(19.7%)」の順で3泊以内だった人が77.1%にもおよび、多くの人が短期滞在を選んだことが分かる。
『ゼクシィ結婚トレンド調査2020』によると、2019年度のハネムーン日数は平均で6.8日。この数字と比較すると、2020年4月以降は新婚旅行の日数が大幅に短くなっていることが分かる。海外に行く人が多かった以前の状況から国内旅行がメインになったことで、旅行日数も短くなったと考えられる。
また、人との接触を減らすなどの制限が多い状況下で、楽しめる観光やイベントが限られてしまうことも影響している可能性があるという。
新婚旅行で宿泊した旅館やホテル等の価格帯についても調査。もっとも多かったのは、1泊当たり1人「1~2万円」で29.5%。次いで「3~4万円」で21.3%だった。1泊1人当たりの金額では、「1~4万円」が合計70.5ポイントでボリュームゾーンであることが判明。
『ゼクシィ結婚トレンド調査2019』によると、2019年度のお土産代を含まない新婚旅行の平均費用は61.4万円で、費用が10万円未満以下だったのは2.6%にとどまっている。このことから2020年以降は、新婚旅行の費用が大きく減少している。
これは行き先が海外から国内主流に変化していることや、平均滞在期間が短くなっていることの影響と考えられる。
アンケートに「本当は海外に行きたかったが……」という声が多くあったことから、どのくらいの人が希望通りのハネムーン先を選んでいるかについても調査した。
その結果、「前から行きたかった所ではない」が59%と過半数を占めた。新婚旅行に行った人の約6割が、当初行きたいと思っていた場所を変更せざるを得なかったことが分かった。
新婚旅行の行き先が「希望通りの場所」だった人と「前から行きたかった所ではない」人とで、新婚旅行の満足度について比較した。
その結果「大満足」と答えた人は「希望通りの場所」だった人が80.0%だったのに対し、「前から行きたかった所ではない」人は41.7%となった。
新婚旅行先が前から行きたかった場所かそうでなかったかによって、新婚旅行自体の満足度にも違いがあったよう。ただ、旅行先が希望かどうかによらず「よくなかった(満足しなかった)」と回答した人はいなかった。
それでは「前から行きたかった所ではない」人は、本当はどこに行きたかったのか?
当初思い描いていた新婚旅行先は、「ハワイ」が最多となった。「いつか新婚旅行に行くならハワイに行きたい」と考えていた人が多いよう。またヨーロッパ周遊や海外のビーチリゾートに行くつもりだった人も多くいた。
2020年4月以降は渡航制限が新婚旅行にも影響したことをみてきた。では、今後移動の制限が解除されたら改めて新婚旅行に行きたいかを聞いてみたところ、44.3%が「改めて行きたい」と回答。
すでに新婚旅行に行った人の4割強が「また行きたい」ということは、新婚カップルにとって新婚旅行がいかに特別なものであるかを示している数字と言えそうだとのこと。
今回の調査では、2020年4月以降に結婚した72.4%の人が「新婚旅行に行かなかった」と回答した。このうち、45.6%の人は「(当初は)新婚旅行に行くつもりだった」ことが分かった。また「最初から行くつもりはなかった」人は20%。「行くつもりだった」または未決定の人が8割に上った。
不要不急の外出自粛や海外への渡航制限が、新婚旅行の需要を大きく減退させていたと裏付ける数値といえそうだとのこと。
新婚旅行に行かなかった人にその理由を聞いてみると、完全に行くことを諦めているのではなく、海外への渡航制限の緩和や感染リスクの低下を待っている状態であることがわかったという。また、感染状況だけでなく、妊娠、収入の減少などさまざまな理由が原因で現在のところハネムーンに行けていない人もいた。
現在のところ「新婚旅行に行かなかった」人のうち61.3%は、移動の制限の解除後に「新婚旅行に行きたい」と思っていることが判明。
「行かないと思う」は18.8%で、「わからない・決めていない」が20%という結果に。このことから新婚旅行の潜在的な需要が減少したのではなく、社会状況が改善すれば新婚旅行に行く人が多数いると推測できる。
また、「新婚旅行に行かなかった」人にも、もし行けるならどこに行きたいかを調査。その結果「新婚旅行に行った」人と同様「ハワイ」が断トツの1位で、続くラインナップにもヨーロッパやビーチリゾートなどが同じく人気だった。
「新婚旅行に行った」人の行き先で上位の「北海道」と「沖縄」も、これからのハネムーン先として需要が高いようだ。