NRI社会情報システムは7月8日、シニア世代の就労実態と意識調査を実施した結果を公表した。今回、50歳から79歳のシニア世代に対し、就業の実態や意識を中心にコロナ禍がもたらした影響を把握するとともに、企業の努力義務となった「70歳までの就業機会確保」についての認知度や賛否、兼業および副業への関心や配偶者の就労への意識などを調査した。

アンケート回答者3000人のうち就労中の人は45%で、そのうちのさらに45%が正社員として働いている。正社員の割合は男女間で大きな差があり、60歳代の男性の約8割が正社員であるのに対し、女性では3割程度にとどまっている。また、男性は65歳を境に正社員の割合が減少し、パートや嘱託の割合が高まっていることが明らかになった。

  • 全体および男女年齢別シニア世代の就労状況 資料:NRI社会情報システム

  • 就労者のみを対象とした就労形態の調査結果 資料:NRI社会情報システム

就労者に対するコロナ禍の就労面への影響としては「収入が減少した」が最も多く、次いで「労働時間が減少」「外出機会が減少」「家庭や自分のために時間を割くようになった」といった回答が多かった。また、コロナ禍でテレワークおよび在宅勤務が増加した層では、「足腰が弱くなった」「体力が低下した」の回答が5割を超え、これはテレワーク未実施者の約2倍であるとのこと。

  • テレワークの増加が健康に与えた影響(「あてはまる」「ややあてはまる」の合計値) 資料:NRI社会情報システム

アンケート回答者全体のうち配偶者がいる人は72%であり、このうち、女性は50歳~64歳の夫に対して、同年齢の男性本人が考えるよりも、4年ほど長く働いてほしいと考えていることがわかったという。一方で、働いていない夫に対して「働いてほしい」と考える女性が多く、夫の年齢が50歳代前半の場合は約6割、50歳代後半の場合は約4割に上ったとのこと。

  • 働いていない配偶者に対する就労の希望 資料:NRI社会情報システム