ルネサス エレクトロニクスは4月10日、2021年3月19日に発生した同社の生産子会社であるルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング那珂工場の火災の影響を受けていた300mmウェハライン(N3棟1階)のクリーンルームの運転を4月9日付で再開したことを明らかにした。

火災発生以降、自動車メーカーを中心とする同社の取引先、製造装置メーカー、部材メーカー、建設会社などからの1日最大約1600名の支援を受け、クリーンルーム内部の床、床下、壁、および天井上下の清掃に加え、天井に配置したエアフィルタの交換を終え、クリーンルーム全体の除染が完了したことが確認されたため、クリーンルームの運転再開を決定したという。

同社が提供してくれた4月9日時点のクリーンルームの様子と火災発生直後の様子を比べると、実際に天井や床の修復が完了していることや、天井一面に付着していた煤が除去されていることなどを見てとることができ、生産再開に向けた作業が着実に進んでいることが分かる。

  • ルネサス那珂工場N3棟1階

    火災発生直後の3月21日時点と4月9日時点の火災発生エリアをほぼ同じ場所から撮影した様子。各所がきれいに修復されていることが分かる (写真提供:ルネサス)

  • ルネサス那珂工場N3棟1階
  • ルネサス那珂工場N3棟1階
  • 4月9日時点のルネサス那珂工場N3棟1階の様子 (写真提供:ルネサス)

なお、ルネサスでは火災発生直後の21日開催した会見にて、同社代表取締役社長兼CEOの柴田英利氏が火災発生から1か月以内での生産再開を目指すとしていたが、今回のクリーンルームの再稼働により、その目標の達成に向け一歩前進したこととなる。