ルネサス エレクトロニクスは3月20日、19日午前2時47分に発生した、同社の生産子会社であるルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング那珂工場の300mmウェハライン(N3棟1階)の火災について、警察および消防による現場検証の結果、出火元ならびに出火原因が判明したことを明らかにした。

現場検証の結果、出火元はN3棟の生産ライン工程の一部であるめっき装置であることが特定されたという。また、出火の原因は、過電流が発生したことによるものと判定されたともしている。ただし、同社によれば、めっき装置の筐体ならびにめっき槽は熱への強度が相対的に低く、過電流の発生により発火したものと考えらえるとしているが、過電流がなぜ発生したのか、またどうやって発火に至ったのか、といった経緯については3月20日21時時点では調査中だという。

この火災による焼損面積は約600m2で、N3棟1階のクリーンルーム面積(約1万2000m2)の約5%に相当。焼損した製造装置は11台で、これは全製造装置の約2%に相当するという。

この結果、N3棟の生産は停止を余儀なくされており、生産再開のめどは判明次第改めて公表すると同社では説明しているほか、仕掛品の被害および業績などへの影響についても2021年3月20日21時時点では不明であり、精査中だとしている。

なお、200mmライン(N2棟)とウェハテスト工程(WT棟)は稼働を継続しており、製品の出荷は可能な状態だという。