J.D. パワー ジャパンは3月30日、「J.D. パワー 2021年QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査℠」の結果を発表した。調査は2月上旬、直近3カ月以内にQRコード・バーコード決済サービスを利用した20~60代男女3,000名を対象にインターネットで行われた。
同調査では、総合的な顧客満足度に影響を与える5つのファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出している。
その結果、総合満足度ランキングでは、「セキュリティ/不正利用防止対策」ファクターで最高評価を獲得した「au PAY」(632ポイント)が1位に輝いた。続く2位は「d払い」(629ポイント)で、「キャンペーン/ポイントサービス」ファクターで最高評価を獲得。3位には「PayPay」(626ポイント)がランクインし、「決済手続き/管理」「利用できる店舗・ウェブサイト」の2ファクターで最高評価を得た。
4回目となる同調査では、継続意向、増額意向、推奨意向といったロイヤルティは過去最高となった。顧客満足度は、ファクター別に見ると「利用できる店舗・ウェブサイト」「決済手続き/管理」が過去3回を上回る最高の評価に。これについて同社は、「利用できる店舗が増えていることや新型コロナウイルス感染拡大を受けて非接触型の生活様式が広がり、QR コード・バーコード決済サービスが日常生活に浸透してきたことなどが考えられる」と分析している。
一方、「セキュリティ/不正利用防止対策」に関しては、昨年後半にキャッシュレス決済サービスと紐づいた銀行口座からの不正引き出しや不正アクセスによる情報流出が報告された中、キャッシュレス決済全般に対してセキュリティ面で不安を感じている利用者が約半数を占めており、「セキュリティ/不正利用防止対策」ファクターは他のファクターに比べ、満足度水準も低い結果となった。
また、アプリの動作スピードについて問題を感じている利用者が多く、「アプリの決済画面を表示するまで」にかかる時間が「(やや)遅い」と感じている利用者は44%、同様に「QR/バーコードを読み取り、決済完了するまで」にかかる時間が「(やや)遅い」と感じている利用者は25%に。動作スピードが遅いと感じた場合の総合満足度は、速いと感じた利用者に比べ低く、アプリの動作スピードは顧客満足度に影響を与えることが分かった。