ふと空を見上げた時に、面白い形の雲があるとワクワクしてしまうもの。綿あめだったりソフトクリームだったり想像力が広がるものですが、不思議な雲の写真とともに「何に見えますか?」とツイートした、雲研究者・荒木健太郎(@arakencloud)さんの投稿が話題になっています。

【教えてください】 この雲,何に見えますか?ぱっと見で似てると思ったり,連想するものを教えていただけると嬉しいです(@arakencloudより引用)

  • (@arakencloudより引用)

「何に見えますか?」という問いに、4,800件以上の返信、3,700件以上のリツイートがされたこの投稿。あの有名アニメの「竜の巣だ!」というコメントや、「白クジラに見える」「バウムクーヘン!」「ろくろ」さらには「かんぴょう作りの工程に似ている」というリプライも。

1枚の画像ですが、想像するものは人それぞれ。でも実際、この雲はどういった雲なのでしょうか……? 投稿した経緯などを、荒木さんに伺いました。

投稿した雲研究者の荒木さんに聞いてみた

――富士山の上に浮かぶ不思議な雲ですが、皆さん見え方が全く違いますね。この投稿をされた経緯を教えていただけますか?

シロイルカや気球など、想像もしていなかった意見をたくさんいただけて、大変参考になります。現在、4月末にKADOKAWAから出版予定の『空のふしぎがすべてわかる! すごすぎる天気の図鑑』という本を執筆しており、そのなかでこの写真の雲をどう表現するか、様々な意見が欲しくて投稿しました。感謝の気持ちでいっぱいです。

  • (@arakencloudより引用)

――この不思議な形状の雲は、どのような名前の雲なのでしょうか

山を越える流れで空気が上下に波打ち、そこで発生する「吊るし雲」と言います。天気がくずれる前兆にもなる雲です。富士山はこの「吊るし雲」や山の上にかかる「笠雲」の名所で、様々な形の雲が見られるんですよ。

  • (@arakencloudより引用)

  • 山を越える流れで雲が発生する様子(@arakencloudより引用)

――このツイートを見ると、「こんなに面白い雲や美しい雲もあるんだ!」と気づきます。雲を観察する面白さは、どんなところにありますか?

雲は素直な性格で、そのときの大気の状態や空気の流れを可視化しています。雲から上空の状況を読み取ることもできますし、天気の変化がわかる場合もあります。

また、雲は刻々と姿を変えていくので、全く同じかたちの雲に出会えることもなく、一期一会の存在です。空に浮かぶ雲との出会いを楽しんでもらえればと思います。


富士山の上にぽっかりと浮かぶ不思議な雲。あなたにはどう見えますか?