話題作への出演が相次いでいる女優の山崎紘菜(26)。3月12日に映画『ブレイブ 群青戦記』が公開されたのに続き、26日にはハリウッドデビュー作『モンスターハンター』が公開を迎えた。唯一の日本人キャストとして、本作で受付嬢役を演じた山崎にインタビューし、ハリウッド初挑戦の感想や主演のミラ・ジョヴォヴィッチとの共演の感想を聞いた。
■『モンスターハンター』受付嬢役はゲームで徹底研究
日本発の大ヒットゲームシリーズ「モンスターハンター」を、「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で実写映画化。突然嵐に巻き込まれた国際連合軍隊長のアルテミス(ミラ)たちは、超巨大モンスターたちが暮らす新世界に辿り着き、そこで出会ったハンター(トニー・ジャー)と共にモンスターに立ち向かっていく。
山崎が演じた受付嬢役は、同シリーズの定番キャラクターで、プレイヤーのサポートをする重要な存在。本作でもアルテミスやハンターとともに行動し、モンスターとの戦いを手助けするという役どころだが、山崎はゲームで受付嬢を徹底的に研究したという。「ゲームに対するリスペクトと愛情を持たれている監督で、『ゲームからそのまま出てきたように演じてほしい』とお話があったので、ゲームをたくさんやったり、ゲームの中のストーリーの部分をたくさん見たりして、受付嬢の動きや話し方を研究しました」
そして、「受付嬢はすごく可愛らしいキャラクター。抜けている部分やドジな部分があり、モンスターと戦う過酷な世界の中でひと息つけるようなキャラクターだと思うので、そういう彼女の良さを映画にも持っていけたらいいなと思いました」と意識したポイントを説明した。
受付嬢の言葉は、英語ではなく独特なモンハン語。台本には、成立していないアルファベットが並べられており、それを自分なりにセリフとして話したという。言葉になっていなければ何でもOKだったそうで、「誰でもモンハン語は話せると思います」と笑った。
本作は“新世界”が舞台だが、山崎は「私も新世界に飛び込んだ気持ちでした」と、ハリウッド初挑戦の心境を作品と重ねて表現。「初めての体験ばかりで、見るものすべてが新鮮でした。ロケをした南アフリカという場所も初めてでしたし、すべての経験が新しく、冒険したという気持ちでした」と振り返る。
まず、ハリウッドならではセットや機材に驚いたという。「セットとして船をまるごと1つ作ったり、豪華だなと思いました。また、機材も最先端のものを使っていて、映画の本場のすごさを感じました」。撮影環境だけでなく、食事の豪華さにも驚いたそうで、「日本だとお弁当という文化がありますが、海外では冷たいご飯を食べる習慣がないので、現場に必ずシェフがいて、オムレツを作ってくれたり、いつも温かいご飯が食べられてありがたいなと思いました」と日本との違いを明かした。
■日本の良さを再確認する一方、海外を身近に感じるように
アフリカロケと聞くと過酷な環境をイメージするが、「全部楽しかったです」とにっこり。「スタッフの方々もよくしてくださって、ミラを含めたキャストの方々とも、撮影の合間にご飯に行ったりするくらい仲良くなれたので、寂しさもあまり感じなかったです」と振り返り、「私のシーンはすべて夜の撮影で、夕方に入って朝の4時とか5時まで撮影し、昼に寝るという昼夜逆転の生活でしたが、日本と時差が十何時間あるので、(夜の撮影中に)『日本では今、昼だな』とポジティブに捉えていました」と昼夜逆転生活も前向きに乗り越えた。
海外に飛び出したことで、日本の良さも改めて感じることができたという。「日本とハリウッドの現場の違いはもちろんありますが、日本には世界に誇るべき日本の良さがたくさんあると思うので、それぞれ独自の文化で独自の映画作りをしていけばいいんだなと思いました」
改めて気づけた日本の良さを尋ねると「一番は、言葉が通じること」と答え、「同じ国で生まれ育ったというだけで、目に見えない絆があるのだと感じました」と、日本で生活していると意識しなかったことに気づけたという。
また、「海外のお仕事をして、生まれ故郷の温かさ、自分の思い出やルーツがある国というのは、自分の中ですごく特別なものなんだと感じました」と続け、「もっと自分の国を大切にしたいと思いましたし、もっと自分の国の良さを知っていなきゃなと思いました」と、改めて母国と向き合う機会になったようだ。
日本の良さを再確認する一方で、海外を身近に感じるように。「この作品を通じていろんな国に友達がたくさんでき、視野が広がりました。今までは国内のニュースを追っていましたが、地球の反対側で起こっていることが他人事ではなく自分事にできるようになりました」