伊藤園は、日本初の"BMIが高めの方の体脂肪を減らす"機能性表示食品となる茶葉製品「一番摘みのお~いお茶」を3月15日に発売する。発売に先立ち、3月9日に新製品の発表会をオンラインで実施した。

  • 伊藤園 リーフブランドグループ ブランドマネジャー 吉田達也氏(前方左)、マーケティング本部 本部長 志田光正氏(前方右)、後方の、CMキャラクターを務める中谷美紀さん、イリヤマタ名波製茶 名波靖功氏、JAハイナン 弓田康詞氏はリモートで出席した

機能性表示食品「一番摘みのお~いお茶」

機能性表示食品「一番摘みのお~いお茶」は、機能性関与成分として「ガレート型カテキン」が340mg含まれる(抽出後・茶葉16g当たり)。「ガレート型カテキン」にはBMIが高めの方の体脂肪を減らす機能があると報告されている。一般的な煎茶に比べ、カテキン類やアミノ酸が豊富な国産一番茶を100%使用しているため、熱湯でいれることで、濃い味わいや一番茶ならではの甘い香り、豊かな旨味も楽しめるという。

製品は3種類を展開。「ゆたかみどり」品種を30%以上ブレンドし、国産茶一番茶を100%使用した「一番摘みのお~いお茶 1000」(税別1,000円)、鹿児島県産「かなやみどり」品種を50%以上ブレンドし、鹿児島県産一番茶を100%使用した「一番摘みのお~いお茶 1200」(税別1,200円)、鹿児島県産「さえみどり」品種を30%以上ブレンドし、八女玉露入りの国産一番茶を100%使用した「一番摘みのお~いお茶 1500」(税別1,500円)を揃える。

いずれも茶葉の大きさ・重さ、茶期・茶種などによる成分を考慮した火入れ乾燥を行い、美味しさを引き出す"新・後火仕上げ製法"を採用している。

高まる家需要・健康需要でお茶の価値を伝えたい

発表会の冒頭では、伊藤園 マーケティング本部 本部長 志田光正氏より現在の緑茶市場の解説が行われた。コロナ禍の影響を受けた2020年は、一番茶の生産量は約10%減少し、茶農家の方にとって苦しい一年だったという。その一方で、世界の茶生産量を見ると10年間で約1.5倍に増えており、今後も茶業界は発展する可能性があると語る。

「一番茶の価値を高めることが、日本の茶業界の発展につながると考えています。茶農家の方とともに、日本中・世界中の皆さんに、お茶の素晴らしさ、日本茶の素晴らしさを伝えたい、という想いで開発しました」と志田氏は意気込みを見せた。

また、同社リーフブランドグループ ブランドマネジャー 吉田達也氏は、新商品「一番摘みのお~いお茶」の商品や開発背景を解説。2020年はリーフ(包装茶)の市場や急須の販売数が伸びていること、また同社が販売する"体脂肪を減らす"機能性表示食品の緑茶飲料「お~いお茶濃い茶」、インスタント緑茶「お~いお茶さらさら濃い茶」がともに好調だという。そのようなおうち需要、健康需要のニーズに合わせ、「一番摘みのお~いお茶」は開発された。

「一番茶は、茶カテキンは1.2倍、アミノ酸は4.9倍と、一般的な緑茶よりもたっぷり含有されています。新商品で『美味しさと健康』という新しいお茶の世界を広げていきたい」と語った。

伊藤園の茶産地育成事業

伊藤園では、就農者の高齢化や後継者不足により茶農家が減り続けるという業界の課題に対して「茶産地育成事業」の取り組みも注力している。この事業では、「茶業の安定経営」「茶葉の品質向上」「環境との共存」を掲げ、良質な茶葉を開発し全量買い取りを行う「契約栽培」、耕作放棄地を畑作りから支え、栽培技術などを提供する「新産地事業」といったサポートを行っている。

発表会では、同事業のパートナーであるイリヤマタ名波製茶の名波靖功氏、JAハイナンの弓田康詞氏が静岡よりリモートで参加。「現在JGAP(Jギャップ)認証の取り組みも進めています。その中では、安全安心な生産はもちろん、生産者自身の安全、環境保全も含め、持続可能な茶産地となるよう進めています。また厳しい状況のなか、契約栽培で買い支えてもらえることで、安心してお茶の生産に取り組めています」と弓田氏。「今年も新茶を頑張りますので、宜しくお願いします」と名波氏からも生産者目線のコメントが寄せられた。

また、新製品のCMキャラクターを務める中谷美紀さんも、オーストリアからリモートで参加。「今まさに新茶の時期ですが、今年の茶葉のでき具合はどうですか?」という中谷さんの質問に、名波氏は「自信を持って届けられるよう、精いっぱい頑張っています」と答えた。

最後に吉田氏は、伊藤園の今後のビジョンを発表した。

「コロナ禍では、新たな生活課題が明らかになりました――動かない生活『メタボ』、witnデジタルによる『デジタル疲労』、交流減少による『心』のケアが挙げられます。そういった課題を、お茶の力で解決したい。お茶の可能性はあると信じています」と吉田氏。日常生活の課題を解決する"ソリューション飲料"として、国内はもちろん、世界に広げていけるよう努力していくと締めくくった。